第34話 僕の婚約者は、勘違いすぎる / 私の親友は、面白すぎる
前半クロ―ド、後半エリカのお話となっています。
よろしくお願いします。
そもそも、なぜ彼女がこの世界を恋愛小説の中などと勘違いするのか。
確か昔、セラには前世の記憶があるらしい、ということは聞かされた。だからなのだろう。きっとそれが原因に違いない。セラは前世の記憶によって、妙な固定観念ができあがってしまったのだ。
(ならばひとつずつ、僕がきちんと説明してあげようじゃないか)
本来なら、僕がどれほど君を愛しているのか、そして絶対に手放すつもりがないことを、朝まででも懇々と説いて聞かせたいところだ。だが、そんな可愛い勘違いにどこまでも真剣に向き合ってやるのも、悪くはない。
セラの『小説の中である証拠のノート』を回収し、彼女が真面目な顔で主張する前世の小説の世界という証拠リストを、自室のソファーで二人並んで検分することにした。
「セラ、僕の言葉をよく聞いてほしい。君は「婚約破棄されたら」などと仮定の話をするが、僕が君を手放すわけがないだろう? 理由がどうであれ、君が僕から離れようとしたなら、僕は世界の果てまで追いかけて君を連れ戻す。君を失うくらいなら、僕は――」
そこまで言って、言葉を飲み込んだ。重すぎる愛をぶつけて怯えさせては困る。僕は深呼吸をし、リストへ視線を落とした。
「……いいだろう。君の固定観念を解くために、僕が一つひとつ丁寧に解説させてもらうよ」
隣ではセラが「どうですの? これだけの証拠が揃っていれば、ここが小説の世界だと認めざるを得ませんでしょう!」と胸を張っている。
(……可愛い。恐ろしいほど可愛い)
だが、それとこれとは別だ。僕は真面目な顔でメモを読み上げた。
『王侯貴族がいる』
「この国が王国である以上、王侯貴族がいるのは歴史的必然だね。小説固有の現象ではないよ。だいたい、僕だって侯爵嫡男だ。結婚したら君は侯爵夫人になるね?」
『冒険者ギルドがある』
「害獣を討伐する民間組織だね。隣国にもある一般的な機関だよ。でもセラがもし、害獣にでも出くわしたら僕が即座に退治に行くから安心してね?」
『婚約者は侯爵令息』
「僕のことだね。当家は代々侯爵位だ。僕が侯爵令息なのは血統の都合であって、設定ではないよ。婚約に関しては、僕は、セラがいいと父に言ったんだ。セラ以外はいやだと。初めてわがままを言ったよ。僕の初めてはセラだったんだよ?」
『婚約者は婚約破棄するまでは優しい』
「僕は婚約破棄など絶対にしないし、君には永遠に優しいつもりだが……僕を疑っているのかい? どうしたら信じてくれる? 今も疑っているのかい? それだと悲しいよ。……僕のセラ」
『この世界の高級菓子は、贅を尽くせばいいと思っていて、濃厚で甘すぎる』
「……それは単に、宮廷パティシエの砂糖と生クリームの加減が極端なだけだね。後でユリウスに、セラが満足するまで何度でも作り直すよう、言い付けておこう」
『男女ともに美形が多い』
「王立学院に集まるのは、貴族の子息たちだからね。身だしなみに気を配っている者が多いだけさ。でも、セラ? 浮気はいけないよ? 君の瞳に映すのは僕だけだからね?」
『学院がある』
「我が国の最高学府だからね。数百年前から存在しているよ。どうせならば、同じ学年で一緒に過ごしたかったとは思っているがね。そこだけが残念だよ。でも、あと一年は一緒にいられるからね?」
『噴水広場もある』
「学院の中庭のことかい? 建築様式として一般的なものだよ。セラと並べたら、雲泥の差でセラのほうが圧倒的に美しいけれどもね」
『お父様もお母様も優しい』
「バルディア伯爵夫妻が君を深く愛している証拠だね。素晴らしく微笑ましいことだが、小説の証拠とは言えないな。それよりセラ、僕は君のご両親のように、いやそれ以上に君を愛するからね? 覚悟しておいてほしいな」
『料理人のご飯は美味しい』
「伯爵家に雇われているシェフの腕が良いということだね。素晴らしいじゃないか。セラが満足するものを食べられていることが分かり僕は安心だよ」
『ヒロインの実家のパンも美味しい!』
「木漏れ日パン工房のパンかい? 確かひだまり食堂で食べるパンもそうだったよね。確かにあれは絶品だね。でもそれは店主夫婦の長年の努力の結晶だよ。そうだ。うちの料理人を何人か木漏れ日パン工房へ修行に行かせていつでも美味しいパンを食べられるようにしてあげよう。だからいつでもこの邸においで?」
『下町は石畳が敷いてある』
「雨の日に馬車や車輪が泥にハマらないよう、市が予算を投じて舗装したからね。都市計画の成果だよ。これも小説の証拠とはなりえないかな。なんならこの邸にも君が気に入る石畳を敷こうか?」
『クロード様はかっこいい』
「……っ。ありがとう、セラ。そう言ってもらえるのは非常に光栄だが、とても嬉しいが、それは君の評価だね。だが、これからも君にそう思ってもらえるように努力は惜しまないよ。セラ」
『クロード様の髪は、濃い茶。でも小説ではヒーローというものはだいたい黒が多い。ほぼ同じ』
「……ほぼ同じ、とは? 濃い茶色と黒は明確に違う色だと思うが……まあ、君がそう思うなら……同じでもいいと思うよ、僕は」
『小説の中のヒーローはだいたい背が高い。クロード様はたしか百八十二センチメートル』
「身長が高い男性は世の中にたくさんいるよ。僕の骨格の発達具合と小説に何の関係が……? セラは高いほうが好みなのかい? ならばもう少し高くなるよう努力してみるが……」
『悪役令嬢は、だいたい深紅の髪に濃い紫の瞳。わたくしはつつじ色の髪にライラックの瞳。赤と紫。完璧!』
「赤系と紫系というだけで完璧と言い切るのは、少々強引ではないかい……? いや。君がそういうのなら完璧なのかもしれないな」
『エリは今日もわたくしの話を信じてくれました』
「……エリは君を面白がってるだけで……んんん。そうだね。エリはセラの話を信じてくれている。でも、それは小説の設定と何も関係ないよね?」
『わたくしの髪型が縦ロール』
「バルディア家の専属美容師の卓越した技術だね。毎朝綺麗に巻かれていて、僕もとても愛らしいと思っているよ。小説と関係ないよね。でも実は、僕はあのおさげ髪も好きなんだ。下町へ行くときや、働きに行くときだけでなく、僕の前でもあの格好をしてくれないか?」
『そして、わたくしはかわいい』
「――それについては、百パーセント同意せざるを得ないな。君は世界で一番可愛いよ、セラ」
一通り読み上げ、僕はメモをそっとテーブルの上に置いた。
「……さて、セラ。半数以上……いや、ほぼ全てが単なる現実の観察結果か、君の個人的な感想だったわけだが」
「あ、あら……? おかしいですわね……完璧な証拠集めだと思いましたのに……」
ぱちくりと目を丸くして首を傾げるセラ。その完璧に愛くるしい姿に、僕は込み上げる愛おしさを抑えきれず、彼女の額にそっと唇を寄せた。
「君がどんな前世の記憶や固定概念を抱こうと構わないが……僕が君を愛していて、一生離すつもりがないことだけは、現実として覚えておいてほしいな」
「く、クロード様……っ」
頬を真っ赤にするセラを抱き寄せながら、僕は「次はどんな可愛い勘違いをしてくれるのだろう」と、密かに胸を踊らせるのだった。
◇◇◇
数日後。『小説の中である証拠のノート』を大切に抱えたセラが、再び我が家へとやってきた。
前回の僕の完璧な検証にも挫けず、よくもまあ次から次へと証拠を見つけてくるものだと半ば呆れつつも、その可憐な執念深さに口元が緩んでしまう。一体、今度はどんな可愛い証拠を持ってきたというのだろうか。
「今度はどんな証拠だい?」
ソファーで隣に座り、優しく問いかけると、セラは待ってましたと言わんばかりに胸を張り、『小説の中である証拠のノート』のある一ページを僕に見せてきた。そこには、一つの名前が記されていた。
『クロフォード・アーリントン』
「これは……?」
「思い出しましたの、クロード様の恋愛小説での本当のお名前です!」
「……はぁ……一応聞くが、なんて名前?」
「クロフォード・アーリントン様です! だから、やっぱりここは恋愛小説の中だったんです!! ふふふ。今回はクロード様でも論破はできないですわね?」
(いやいや、論破も何も全然違う名前じゃないか。どこからツッコんでいいんだ?)
自信満々にドヤ顔を浮かべるセラ。
「ほんとだわ、セラ。さすがね」
横から、優雅に紅茶を飲んでいたエリカが口を挟んできた。
「いや、違うから」
僕はエリカを軽く睨みながら、セラの発した名前を即座に否定した。
「あら、どこが違うの? お兄様。同じよ。ね~、セラ」
「はい! エリの言う通りですわ。完全に同じですの!」
「……一応聞くが、セラ。君は僕の名前を知っているかな?」
「はい。クロード・アリントン様ですわ」
「では、今君が発した、小説の中の僕という、その名前は? 何だったかな?」
「え? クロフォード・アーリントン様ですわ。え? 何か問題が?」
キョトンとするセラ。
「で、もう一度。僕の名前は?」
「え? クロード・アリントン様ですわ」
本当に何が違うのか分からないといった様子で、首をかしげるセラ。
(なぜ分からないんだろうか……?)
「もう、お兄様。そんなに追い詰めたらセラがかわいそうでしょう。『フォ』が入っているか入っていないかなんて些細な違いよ?」
「フォ? ……っえ!?」
「そんな気にしいなお兄様は、セラに嫌われてしまうわよ」
「え。わたくしがクロード様を嫌いになることなんて、絶対にありませんわ!」
間髪入れずに断言してくれたセラに、僕の胸が跳ね上がる。
「コホン。違いはそれだけではないよ、よく聞いておくれ。僕の愛しのセラ」
「え?」
「僕の名前は『クロード・アリントン』だよ。『クロフォード・アーリントン』とは全然違うよね?」
何が違うのかまだピンときていないセラは、首をひねりながら何度も小説の僕という、その名前を口に試し始めた。
「クロフォード・アーリントン。クロフォード・アーリントン……」
(小説の中の架空の名前とはいえ、他の男(?)の名前を連呼されるのは面白くないな。早く気づいてくれよ……)
何度かつぶやくうちに、ようやく違和感に気づいたらしいセラが、チラチラと僕の顔を見上げてきた。
「……クロフォード・アー、リントン……?」
(やっと気づいたか)
「そうだよ。うちの家名はア『ー』リントンじゃないよね?」
「えっと……」
「もう、お兄様! だからさっきも言ったじゃない。気にしいは今度こそ本当に嫌われるわよ? 『アーリントン』? 恋愛小説の中の名前なんでしょ? 書き写すときの書き間違いだってあるでしょ」
「っ! すごいですわ! そうですわね、教えてくれてありがとう! クロード様は気にしいですわ。きちんと、同じでしたわ!」
(いや、どこも同じじゃないから。それから、『きちんと』ってなんだ……?)
完全に「勝ち誇った」顔でドヤるセラを見つめながら――
「……、……、……そうか」
(――っ! ……僕の婚約者は、勘違いすぎる)
でも、そこが、たまらなくかわいい。僕は小さくため息を漏らし、心の中で深く呟くのだった。
(……僕はクロフォードと改名してもいいと思ってしまう。だってセラは、今日も可愛い)
※※※
最近のお兄様はセラへの好意を隠しもせず、むしろ見せつけて優位の主張を取ってくる。
今までは、私が現実主義な親友として、セラの暴走を優しく(?)手綱さばきをしていたのに、最近はずっとお兄様がそばにいて、すぐセラにちょっかいを出してきて、セラもすっかりお兄様に振り回されながらいちゃいちゃして……私にかまってくれなくなった。
(……いや、良いことなのよ? お兄様とセラが仲良くするのは。でも、もう少しだけ私のこともかまってほしいな。なんて)
前世の知識と思い込みに振り回されて、一人で勝手に断罪を恐れたり未来の心配をしたりしていたセラ。そんな彼女を「勘違いだよ」と笑い飛ばすのではなく、絶対の安心感を与えられるのは……私じゃなくて、やっぱりお兄様なんだってことくらい分かっている。
(……でも、セラを取られたみたいでちょっと寂しいのよ……)
セラの一番は私だったのになぁ。少し前はもっと、セラと二人でくだらない話に笑い合ったり、セラの迷推理っぷりに、私がなんか提案して「さすがエリ!」なんて言われたりする時間がたくさんあったのに。
最近は気づけばお兄様がが割り込んできて、セラをあっという間に自分の手中に回収してしまう。
セラが幸せそうなのは本当に嬉しいし、応援もしているけれど……親友としては、やっぱり一割くらい寂しさがこう、溢れてくるのよ。
「お兄様と結婚すればずっと一緒に居られるのは嬉しいの。でも、それとこれは違うのよ。セラと一緒にくだらなくて楽しいあの時間を過ごせなくなるのが寂しいの」
それに、優秀なお兄様のポンコツっぷりも楽しかったのになぁ。最近はもう開き直って……ちょっとうざったい。
「……またお兄様をからかいながら、セラと楽しい時間を過ごせたらいいのになぁ」
私は自室のベッドに寝転がりクッションを抱きしめながら誰にも聞いてもらえない愚痴を独り言ちていた。
そんな時、ドアをとんとんとノックする音が聞こえた。
「あら? 誰かしら」
「エリカお嬢様、セラフィーナ様がお見えですが、いかがなさいますか?」
「えっ!? セラが? 行くわ!!」
侍女が伝えた言葉に、私は飛び上がる勢いでベッドから起き上がり乱れた髪を軽く整え、部屋を出て応接室へ向かったのだった。
「セラ! ……って、お兄様もいらしたの?」
「エリ……。セラが来たのだから、僕も一緒にお茶をするのは当然だ」
唇をとがらせ、じろりとお兄様を睨んでみると、お兄様の隣に座っているセラが「ああああ。エリのそのお顔。萌える。かわいい」と悶えていた。
……いつものセラを見ると、なんだかホッとするわ。
ふふふ。さっきまでお兄様に取られた。とか思っていたけれども、なんだかどうでもよくなっちゃったわ。
「で? どうしたのかしら? 今日も何か証拠見つけてきたの?」
「はい。今日はとっておきの証拠ですわ!」
「まぁ、なにかしら?」
あぁ。これよこれ。セラの楽しい迷推理! 今日は何が出るのかしら?
「今度はどんな証拠だい?」
お兄様が隣で優しく問いかけると、セラは待ってましたと言わんばかりに胸を張り、『小説の中である証拠のノート』のある一ページを見せてきた。そこには、一つの名前が記されていた。
『クロフォード・アーリントン』
そこには、また微妙にお兄様の名前に似た名前が書かれていた。そういえば前はセラ自身の名前によく似た名前を書いてきたことがあったわね。
前世のセラが読んでいた小説に出てくる名前だとか何とか。だから、ここは小説の中。とか言ってたっけ。
「思い出しましたの、クロード様の恋愛小説での本当のお名前です!」
自信満々にドヤ顔を浮かべるセラ。
やっぱり! セラはこうでなくっちゃ。
「ほんとだわ、セラ。さすがね」
「いや、違うから」
「あら、どこが違うの? お兄様。同じよ。ね~、セラ」
「はい! エリの言う通りですわ。完全に同じですの!」
ふふふ。セラの恐ろし妄想を違うよって、包み込んで安心させるのがお兄様なら、楽しい妄想を全力で応援するのが私! セラが完全に同じ。というのなら、完全に同じなのよ。お兄様。
それからセラが思い出した名前のどこが違うのかわからないのをいいことに、お兄様がいちゃいちゃするとか、……うざい。
「もう、お兄様。そんなに追い詰めたらセラがかわいそうでしょう。『フォ』が入っているか入っていないかなんて些細な違いよ?」
「フォ? ……っえ!?」
「そんな気にしいなお兄様は、セラに嫌われてしまうわよ」
「え。わたくしがクロード様を嫌いになることなんて、絶対にありませんわ!」
セラ、あなたも即答かよ! まぁいいんだけれども!
でも、お兄様の名前の違いに全然気づかないセラになんだか笑ってしまう。やっぱりセラはこうでなくっちゃ。
「……クロフォード・アー、リントン……?」
「もう、お兄様! だからさっきも言ったじゃない。気にしいは今度こそ本当に嫌われるわよ? 『アーリントン』? 恋愛小説の中の名前なんでしょ? 書き写すときの書き間違いだってあるでしょ」
「っ! すごいですわ! そうですわね、教えてくれてありがとう! クロード様は気にしいですわ。きちんと、同じでしたわ!」
ふふ。セラのこの一瞬あれ? って思うのに次の瞬間には自分を肯定しまうところ、本当に大好き。それに、「きちんと」ってなんなのよ。面白すぎるわ。絶対お兄様もきちんとって何だ? って思っているわ。でもそれがセラなのよ。
「ねぇ。セラ。ひとつ聞いてもいいかしら」
「はい。なにかしら?」
「今、お兄様の小説の名前。というものを思い出してきて、ちょっと前にセラ自身の小説の名前。って言うのも思い出していたわよね?」
「ええ。そうですわね?」
「私は居ないの? そこに。それとも、思い出してはもらえないだけ?」
ちょっと悲し気にセラに聞いてみたら、セラは慌てて否定してきた。
「ち、違いますわ! エリが居ないとか思い出さないとか、そんなことありえませんわ! 絶対エリも居ますの! 今! 絶対思い出しますわ!!」
そういって、セラは、うんうん頭をひねり出した。……そんなことで前世って思い出せるの?
「エリカ、エリ、エ……エマ、エル、エスターニャ?」
「「……ん?」」
「エニカ、エニール、エカテリーナ?」
「「……」」
「エリーゼ、エライザ、エルドラド? あら? なんだかそれは聞いたことがある名前だわ? あれ? 名前だったかしら? まぁ、でもエリっぽくないですわね」
「「……、……」」
……セラ、あなた、前世を思い出すって言うより、名前を一生懸命考えてない?
「エリス、エメリア、エリザベス? あら? エリザベスって素敵な名前ね。でも、やっぱりエリっぽくないわねぇ。次よ。次」
「「……、……、……」」
「エストレア、エメリア、エリシア? あら? エリシア? エリシア・アーリントン? そうですわ! エリの前世の恋愛小説での名前はエリシア・アーリントンです。ふぅ。思い出しましたわ」
「ぷは!!! もうセラ! それは思い出したって言わないわよ!」
セラの、名前を思い出す(?)行為が面白すぎて、もうお腹がよじれそうだわ。絶対思い出したわけじゃないじゃない。それなんなの? なんでそんなドヤ顔するの!
お兄様でさえ笑うの必死に我慢しているのが分かるもの。もう、本当にセラってば最高!
(――っ! ……私の親友は、面白すぎる)
お兄様に取られてしまったと思ったのは私の勘違いね、セラはセラだったわ。
私の大好きなセラ。私はあなたが大好きよ! だからいつまでもそのままでいてね。
クロフォード・アーリントン
このエピソードはこのお話を書こうと考えていた時の初期から出来上がっていたエピソード。
これが書きたくて、この物語ができたと言ってもいいくらい。
なので、削るのは惜しく、ここでほぼ最初に出来上がっていたままの形で披露してみました。
勘違いする原作脳セラフィーナと悪ノリエリカは、当初からこんなノリでした。
エリシア・アーリントンも、初期時に考えた名前でしたが、出すことはなく埋もれる名前でした。なのに、まさかセラフィーナがこんな風にしてこの名前を出してくるとは、当時は思いもしませんでした。
初期はかなりポンコツ設定なセラフィーナでしたが、笑ってもらえれば幸いです




