第十七話 取り調べ
結局取り調べまで行けなかった!!!!
次こそは・・・・・・・・と言いたいけど長くなるかもしれないのです。
アルカ村の入り口近くにはられた騎士団の天幕、その天幕の合間をリンドカルドは飲み物を持って歩いていた。
目的の一際、大きな天幕の前に立つと気持ちを落ち着かせる為に深呼吸をして、相手を刺激しない様になるべく優しげに聞こえる様に意識しながら中にいる人物たちに声をかけた。
「失礼する」
なんと言えばいいのか分からずに結局はそんな無難な言葉が出てきてしまった。
天幕の中に入れば先ほど教会の前で立ち尽くしていた兄妹が身を寄せ合っていた。
スッとリンドカルドは彼らに持ってきた飲み物を差し出した。
いきなりの事に驚いたのだろう少女の方がビクリと怯えたように身体を震わせた。
「心を落ち着かせる効果のある香草茶だ。飲むといい」
それを見たリンドカルドは安心させる様に笑みを浮かべながらそう言った。
「ありがとうございます」
そう言って兄の方が頭を下げながら受け取ると一つを妹の方に差し出した。
兄から渡されたからだろう、妹の方もおずおずと怯えながら受け取り口を付ける。
「おいしぃ・・・」
「口にあったようで何よりだ」
思わず零れてしまったのだろうその言葉が微笑ましくて思わずそう返せば、気恥ずかしかったのだろう顔を赤らめて兄の背に隠れてしまった。
「申し訳ありません。
その・・・妹は人見知りで・・・・」
ラナと妹の名を呼びながらたしなめる青年に気にしていない旨を伝え、リンドカルドは居住まいを正して目の前の兄妹を見た。
「二人とも恐ろしい思いをしたばかりで申し訳ないのだが、精霊使い様のご遺体を最初に見つけた君たち二人に詳しい話を聞きたいと隊長が仰っている。
もし大丈夫ならで構わないから話を聞かせてもらえないか?」
人見知りだと聞いたからだろう、本来なら一人ずつ受ける筈の取り調べを二人一緒に受けられる様に上に掛け合うとまで言う目の前の年若い騎士に安心したのだろう、二人はお互いの顔を見て頷きあった後ぎこちない笑みを浮かべながら『お願いしてもいいでしょうか』と言った。
「隊長!!」
突然、背後から呼ばれ振り返ってみれば、つい先日正式に騎士へと昇格したばかりの新入りの姿が見えた。
見所があるので経験を積ませ様と連れて来た青年で名前は・・・
「どうした、リンドカルド」
一体何があったのかと名前を呼びながら聞く。
ここは村の教会、精霊使い様の遺体を片付け、何か手かがりはないかと現場を調べていた最中であった。
「はっ!
実は第一発見者である兄妹の取り調べなのですが・・・」
そこまで言って、先を続けていいものなのか思わず口ごもってしまう。
「あの二人に何か問題でもあったのか?」
口ごもったリンドカルドを見て、何があったのではないかと心配になりそう聞けば、勘違いさせてしまった事に気が付いたのだろう慌てて目的を話した。
「・・・っち、違います。
問題があった訳ではなく。
あの兄妹の取り調べを二人一緒に行ってもよいかを伺いに」
くっ
あははははははははははははははははははははははは
来ましたと続くはずだったのだろうリンドカルドの言葉を最後まで聞くことなく何の為にここまで来たのか理解した瞬間思わず笑ってしまった。
「ああ、そうだな。
一般人があんな惨たらしい光景を見たんだ。
それに妹さんの方は人見知りらしいからな。
かまわん、お前が思う取りにしなさい」
騎士団長の言葉を聞いたリンドカルドは『ありがとうございます!!』と言って頭を下げた後、急いで走り去って行った。
おそらく件の兄妹のいる天幕へ向かったのだろう。
コッコッコッ
「よろしかったのですか?
ジュール隊長」
規則正しい足音ともに聞こえてきた副官の声に先程までリンドカルドに向けていた豪快な笑いを消し、見る者の背筋を凍らせる様な冷たい笑みを浮かべながらジュールは自らの副官に告げる。
「レイヴンお前は一体、何の問題があると思うんだ?
あの兄妹が偽りを述べようと真実を述べようと我らがする事に何ら変わりはない。
『全ては精霊様方の御心のままに』ただそれだけだ」
上司である隊長の言葉を聞き副官であるレイヴンは頭を下げただ短く『御意』とだけ返す。
それを視界の隅に収めた後、祭壇にある十字架を見つめる。
「そう言えば、あの兄妹の兄の方名前は確かシンと言ったな」
「はぁ、確かにその様な名だったと思いますが、それがどうかしましたか?」
「いや、ただ皮肉な名前だと思っただけだ」
副官の言葉に失笑を浮かべながらジュールはそう返す。
本当に皮肉な名前だ。
精霊の古き言葉で罪を意味する名を頂く青年がこの罪深き村にいるというその事実に―――――
新米騎士の名前この話を書いてる途中で気が付いたけど某ゲームに出てくるサーヴァントの名前と同じでした。
自分で書いてて何かどっかで見たことある名前だなと思ったら、思い出した瞬間「あああ、あれか」と思ってしまいました。
正直名前を変えようかと割と本気で思ったのですか変更し忘れた部分が出るかもしれないしそちらのほうが嫌だったのでそのままにしました(笑)




