第十六話 騎士たちの到着
いやー
仕事の繁忙期とスランプがものの見事に重なって、ネタはあるのに書いた内容がどうしても納得できずに遅くなってしまいました。
繁忙期は終わってないけどスランプは脱したのでこれからどんどん書いていきます。
夜通し馬を駆けれ走り続ける。
少し時間を要したが何とか目的のアルカ村が目の前に見えてきた。
事の始まりは数日前、このアルカ村の村長から自分たちが所属する教会の司祭様宛に一枚の手紙が届いた事からだった。
手紙には村に住む信心深い筈の一組の家族が村にやって来たばかりの精霊使い様から背教者であるとして異端の烙印をお押されてしまったというのだ。
しかし、問題はその後に続いた言葉だった。
――――悪魔が関与している可能性あり――――
異端の烙印を押された家族は村の中での信頼もあり、最初は懐疑的な者も多かった。
しかし、異端の烙印を押したのが精霊使い様という事もあり村人も日に日に件の家族を異端者として見る様になっていった。
それでも中にはまだ信じている者もいてその中の一人が異変に気付き村長に相談したのだ。
曰く『あの家族が異端者なわけがないという会話をしたまさにその直後突然に前言を翻し、異端者として糾弾し始めた』と、時間が経つにつれて変化するならばともかくこの変化の仕方はあまりに不可解だと悪魔が関与しているのではないか確かめて欲しい。
そしてかなうならば悪魔を退けて欲しいというのがアルカ村の村長からの要請だった。
悪魔の退治、つい先日騎士見習いから正式な騎士となったばかり新米騎士であるリンドカルドには本来ならば参加する事は許されない、危険な任務である。
それでも彼の参加が許されたのはその精霊対する信仰心と剣の腕によるものが大きかった。
「隊長、村が見えてきました!!」
同じく今回の任務に参加する先輩に当たる騎士の一人が隊長にそう報告する。
彼ら騎士団が村の入り口にたどり着いたまさにその時だった。
いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
村中に響き渡るような少女の悲鳴。
急いで駆けつけたリンドカルドたち騎士が見たものは、教会の周りに集まる村人たちと教会の扉の前で立ち尽くす二人の男女だった。
亜麻色の髪をした魔除けの紋様が描かれた粗末な仮面で右側の顔を隠した男がおそらくは妹なのだろう同じ髪色のよく似た面差しの少女を背後に庇いながら立つ青年。
悪魔の暗躍が疑われる村で起きた精霊使い様の殺害、その亡骸の第一発見者である二人の兄妹。
今、眼の前で先輩騎士と隊長たちの手によって一先ず連れて行かれた二人の兄妹を横目にリンドカルドは残った騎士たちと共に周囲にいる村人たちに仕事に戻ろように呼びかけながら現場の保存に務めた。
その二人の男女、シンとリイナによって自分の中の精霊への信仰心と教会への忠誠心が揺らぐ事になるのを彼はまだ知らない。
教会と精霊の忠実な剣たる存在になる。
そんな彼の望みの崩壊その始まった事に彼も周囲の誰も気付いてはいなかった。




