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理想の世界で苦しむ私へ  作者: Miley
RYOTA's story
7/13

Episode7


 心折れては立ち直り、泣き明かしては笑って――そんな日々を繰り返しながら、あっという間に一年が過ぎた。海外で過ごした貴重な一年は私の心に確実に根を張り、少しの自信へとつながる。


 帰国と同時に一人暮らしを始め、就職し、海外旅行を趣味にして、まったりとした日常を送っていたある日。


 アメリカ旅行以来連絡も取っていなかった諒太と、食事に行く機会が巡ってきた。


 仕事終わりに都内のイルミネーションが綺麗に輝く街で、何年ぶりかに会った諒太は少しだけ太っていた。他愛のない会話をはじめ、美味しい料理とお酒を楽しみ、1時間が過ぎたころ……


「俺、結婚したんだよね。子どもも産まれたさ。それ、言ってなかったなと思って」

「あー、諒太の友達のケンくんからさらっと聞いたんだよね。本人から聞く前に教えてごめんって言われた」

「そっかそっか。知ってたなら良かった」


 子供が可愛くて仕方がないと顔を綻ばせる諒太を見るのが切ない。私の気持ちを察してか、あまり奥さんの話を決してしなかった。


「てか、ワーホリどうだった?よく一人で頑張ったね」

「めっちゃ大変だったけど、すごく楽しかったよ。私も諒太みたいに、どうしても海外で仕事してみたかったんだ」

「俺はさ、会社の指示で行ってるから割とウェルカムな状態で働けたんだよ。凛は誰も知らないところで仕事も家も見つけて、俺なんかと全然違う。本当にすごいと思うよ」


 憧れの人に、そう褒められることがどれだけ嬉しかったか。

 少しだけ、諒太のようにエリートな世界で認められた気がした。


「アメリカで会った時、店員さんと諒太が何話してるかもわからなかったし、英語も読めなくて注文すらできなかった。それが悔しかったんだよね。今も英語は全然できないけど、生きて帰ってこれるくらいには成長できたと思う」

「いや、それがすごいよ。可愛いし賢いし、そりゃモテるわ」

「私、モテたことないけど」


 そんな他愛のない会話が、ただただ楽しかった。


 心の奥底まで、幸せがじんわりと染みていった

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