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理想の世界で苦しむ私へ  作者: Miley
KENTO's story
10/13

Episode10


「はじめまして」


 落ち着いた雰囲気で目の前に現れた彼は、一目で『他の人と何か違う』と感じた。


「凛さんですね、健斗です」


 違いを感じたものの、きっとこの人も恋愛向きの男性ではないと冷めた感情のまま、他の人と同じように対応した。


 フリータイムが設けられ、一息つこうとしたとき、


「凛さん、今大丈夫ですか?どうしてもまだお話したくて来ちゃいました」


 嬉しいことに、彼は何度も私にアピールしてくれた。


 パーティーが終わると、会場の前で健斗は言った。


「よかったら、この後少しドライブしませんか?」


 都内という土地柄、車を持っている人は少ない。私は車を所有したいがために、わざわざ隣町から通勤している。健斗は別の街で働いているらしく、生活のベースは車移動のようだった。


 2時間ほど夜景を見たり、お茶をしたりして過ごす。帰り際、車の中でキスをした。触れる唇の感触、手の温度、二人を包む雰囲気、全てが心にフィットした。


「よかったら、来週また会いませんか?」


 会ったばかりの健斗に、何かを期待することはなかった。でも、少し知ってみたいと思えた。


 そして2度目のデートの日、いろんな話をしたんだ。


 おそらく日本で知らない人はいないだろう大学を卒業し、全国民が知る企業に勤め、昇進のため日々勉強にも励んでいる。車は人とあまり被らないSUV、腕には世界的に有名なブランドの時計をはめている。


 女の本能が告げる――これこそ、私が探していた『その世界の人』だ。そう確信して、心の目が輝いた。


「あの会場で一目見たときからキレイだと思ってるし、話してみたら可愛いし、離婚を経験してる女性特有のオーラがあるよ。すごく魅力的」

「ありがとう、そんな褒められると照れるな」

「手をつないだ時の、なんかフィットする感覚わかる?凛ちゃんの手ずっと握っていたい」


 外見から内面から、全てを肯定してくれる健斗にどうしようもなく惹かれた。


 そしてまた数日後の3度目のデートの帰り「俺の彼女になって」と、車の中で告げられる。


 二つ返事で、私は「うん」と答えた。


 きっと素晴らしい交際が待っている――


 そう、心の底から信じていた。

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