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三大魔法学院対抗戦-特訓-

タイトルの手抜き感が半端ない。ところで小説全体におきまして冒険者ギルドを魔道師ギルドに修正してありますが物語の進行上支障はないと思います。急な修正をして申し訳ありません。これからもよろしくおねがいします。

その日ゼロはグランドにいた。目の前には1年クラス代表達がいる。あれからサリア達に懇願されしぶしぶ1年代表の特訓を引き受けたのだった。


「あー・・・、じゃあまずは個々の能力から見ていくかー」


「個々の能力?なにをすればいいんすか?」


一番前にいた金髪頭の男子、マルロが手を挙げて質問する。


「簡単だ、全員で俺にかかって来い。ただし、個人の能力を見たいから全力で来い」


「それだけっすか?」


「ああ、なにか質問は?」


「ないけど・・・本気でやるからどうなっても知らないですよ?」


金髪で長い髪をした女子のアリアが答える。どうやら2年生を倒すほどの実力があるらしい。


「構わないさ、みんなの実力が見たいだけだし。実力を見て明日から特訓を始める」


「つうかさー、特訓してくれる人がまさか2Aの人なんておかしくないー?普通2Sでしょう?」


ブロンドで髪がカールかがった女子のミリアが今更なことを言う。

集まった1年代表10人の内Sクラスは6人、Aクラスが3人、Dクラスが1人という組み合わせだ。そもそもS~Gクラス制度で大会に出れる者はSクラスからAクラスがもはや定番となっている。Sクラスなんてエリートにあたり1年から上がれる者は少ない。それがここに6人いるというのだけでもすごいのだ。

ミリアもそんな発言をしているがれっきとしたSクラス出身者、当然といえば当然だろう。そんなミリアにゼロが返す。


「じゃあSクラスの実力を見せてくれよ、まさかAクラスに手も足も出ないなんてことはないんだろう?」


この発言にSクラスの6人全員が怒りに満ちたということは言うまでもない。


「いいでしょう!Sクラスの実力見せてあげますわ!」


「まずは俺がいく!」


剣を抜き放ち飛び掛ってくるのはSクラスの1人、ジョーだ。緑の燐光を放つその剣の周囲には風が舞っている。


「くらえ!<すべてを切り裂けエリアルブレイド!>」


ゼロに向かって風の刃が周囲を切り裂きながら飛んでいく。


「おお、風の魔法剣か~。それも上位級とは、ね<防げ>」


ゼロは短い詠唱と手を地面を持ち上げるように動作すると土の壁ができ風の刃を防ぐ。


「終わりか?」


「まだまだ!」


土の壁を乗り越えジョーがゼロに切りかかる。


ゼロは手で払うような動作をすると、先程壁になった土が拳に変わりジョーを殴り地面に叩きつけた。


「ぐあっ!」


「次は?」


「くっ、一斉にいくわよ!」「「おお!」」


残りのSクラスが全員かかってきた。ある者は雷を放ち、ある者は風を放ち、ある者は剣や槍などの武器を持ってゼロに襲い掛かる。しかし、ゼロはそれらの魔法を避け剣戟を受け流し攻撃に転じていく。5分後、グラウンドには地面にへばりこむSクラスのメンバーがいた。


「なんてこと・・・。1年とはいえSクラスの私たちがAクラスに勝てないなんて」


「確かにお前らは強い、ある一点を除いてはな」


「ある一点?」


「ああ、チームワークだ。最初言ったよな?全員でかかってこいと、なのにお前らは手始めに1人を様子見で戦力を見極め、個人戦で無理と考え団体戦で挑んだ。判断は悪くない、しかし最初から全員でかかれば貴重な戦力を失わずにすんだし倒せたかもしれないだろう?まぁ、その辺は明日の特訓でがんばってもらうとして、あとは・・・。」


ちらりと視線をAクラスとDクラスの生徒に向ける。Aクラス、主にサリア、レン、エルなのだが彼女らはゼロの実力を知っているのか戦わずにいた。


「やれやれ、サリア、レン、エル。お前たちも早く来い。別に殺し合おうってわけじゃないんだ、お前たちの実力を見せてくれよ」


「サリア、先に行かせもらうぜ!」


そう言うとエルが向かってくる。身体を魔法で強化し一瞬でゼロの背後を取ると拳に炎を付加させ殴りかかる。


「なかなかのスピードだ、しかしもう少し工夫ができるんだぞ?付加魔法っていうのは」


そう告げるゼロはいつの間にかエルの背後にいた。


「え・・・、そんな、いつの間に?」


パン!とエルの頭を軽く叩いて戦闘を終了させる。


「<光の刃よ、対象を捉えよ!フォトン!>」


レンの魔法陣が発動し光の刃がゼロに向かうが、それを簡単に避けるとレンに向かって魔法を放つ。


「<光よ、捕らえろ、フォトン!>」


光がレンを取り囲むと檻を作って捕らえてしまう。


「なっ!?『フォトン』でなぜこのような魔法が?」


「勉強が足りないな、レン。光魔法というのは詠唱次第でその特性を変えることができるのさ」


「お兄様、私の実力を見てください!」


そう言い放つサリアは魔力を集中させると水の矢を飛ばす。それも2,30本一斉に。


咄嗟にガードし攻撃を防ぎ、サリアを見つけて反撃しようとすると、サリアはすでに詠唱を終えようとしていた。


「<水よ、大海の力とともにすべてを押し流せ、オーシャン!>」


サリアの目の前に巨大な波ができた。波はゼロ、そしてグラウンドにいる全員に襲い掛かる。


「さすがは我が妹だ、よくここまでの魔法を・・・」


「感心している場合か!早く何とかしろよ!」


妹の成長ぶりを見て感動に浸るゼロに突っ込みをいれるエル。


「そうだな、なんとかしよう。<波を向かい撃て、オーシャン!>」


ゼロの前にも波が現れサリアの波とゼロの波がお互いに打ち合い相殺する。


「すげえ・・・」 「すごい・・・」


エルとミリアが驚嘆の声を上げる。お互いに目を合わせるとエルが自慢そうに言う。


「すごいだろ、サリアの兄貴は~。あんな魔法を簡単にだせちまうんだから!」


「確かにすごいですが・・・、魔法を簡単に出せたことを驚いたのではありませんわ」


「へ?」


「おわかりにならないのですか?サリアさんが放った魔法を相殺したのですよ?」


「???」


「はぁー・・・、これだからAクラスは。いいかい?魔法を発動するのに魔力が必要なのは知っているだろう?」


やり取りを見ていたジョーが口を挟む。


「それぐらいあたしにだってわかってる!」


「じゃあ、魔法を発動する際の魔力はどのくらいだ?」


「え、い、いきなりそんなこと言われてもな~。だいたいそんなの聞いたってしょうがないだろう?あんたとあたしじゃ魔力量が違うし魔法も違うし発動させる魔力なんて意味ないじゃないか!」


「そこまでわかっていてなぜ気がつかないんですの・・・?」


「すまない、手間をかけるな・・・」


レンが謝った、檻の中から。


「あなたも苦労しているんだな・・・」


同情するジョー。


「えー、とつまり・・・?」


「通常、魔法戦で相殺なんてありえないんだよ。なぜなら相手と同じ魔力量で魔法を発動させることなんて不可能だ。発動する魔法の魔力も魔力量も個人差があるんだから」


「・・・・・・・・あーーーー!!もしかして兄貴はサリアの発動した魔法の魔力と同じ魔力をぶつけたのか!?」


「そうですわ、しかも相手の使う魔力なんて知る事もできないはずなのになぜかわかっているような素振りで対応しましたしね」


「何者なんだよ・・・、あいつ」


「少なくともAクラスレベルの人間では不可能ですわ、Sクラス、いえ、王宮魔導師以上でしょうね」


「こんな芸当ができるといえば・・・蒼の虚無ぐらいだよな」


「ええ、そうですわね。大陸最強の魔道師『蒼の虚無』なら造作もない芸当かもしれませんわね」


「もしかしてゼロの兄貴って・・・蒼の虚無なんじゃないか?」


「いえ、それはありえないと思いますよ?」


会話に突然割り込んできたのは銀色で長髪のリンだ。


「なぜだ?」


エルが疑問そうに問いかける。


「蒼の虚無に大会の警備をまかせるとかで、今大会委員会にいるそうですよ?」


「なんでおまえがそんなこと知っているんだよ・・・」


「私のお父様が大会委員会の理事ですので、これぐらいの情報は入ってくるのです」


「へ、へぇ~・・・」


そんなことを話しているとゼロがサリアを連れてやってきた。


「話は終わったかな?」


「まぁ、な・・・」


「さて、最後だが・・・」


ゼロは1人だけ立っている女子に目を向ける。彼女はDクラスの神那アカネ、青い長い髪が後ろでまとめてある。


「なぜ、Dクラスのあなたが選ばれたのですか・・・?」


ミリアがアカネに話しかける。だが、アカネはミリアには答えずにゼロを見ると口を開く。


「私は大会に出る資格はないと思っている・・・」


「そうか、だがそれとこれとは別だ。お前に何か問題があるのかは知らないが戦えないことはないのだろう?」


「・・・!ああ!見てくれ、私の力を!」


アカネはそう言うと魔法剣を取り出す。フォルムは刀で刀身は青白い。


「来い」


ゼロもアカネに応えるように剣を取り出す。こちらも青白い。


二人は打ち合いそして、終わる。


「なるほどな、氷の魔法剣を所持しているからという理由だけで選ばれたか。剣の使い方は十分だが肝心の魔法のほうがダメという訳だな?」


「なっ!?一度打ち合っただけでそこまでわかるとは・・・」


「とりあえず、アカネも特訓が必要だ。よし、今日はここまでにしとこう!明日は8時にグラウンド集合だ。遅れるなよ?さて、解散!」


そう言うとゼロはさっさとサリアを連れて帰ってしまう。他のみんなも若干の不安を感じながらグラウンドを跡にした。


家に帰る途中、サリアはゼロを見上げながら話しかけた。


「お兄様、私へのアドバイスはないのですか?」


ずっと気になっていたことだ、他のみんなはちゃんとしたアドバイスをもらっていたし特訓内容だって告げられていた。なのに、自分だけは何も言われなかったことに不安を感じていたのだ。


「家に着いてから話そうと思ったのだがな。まぁ、いいさ。牽制から大規模魔法、作戦は賞賛に値するよ。だが、水魔法では強くはなれない。せめて、その上位魔法、氷属性を極めなければ大会で戦うことは難しいだろうな」


「そうですか・・・」


「そう気落ちするな、水から氷属性にするのはそんなに難しいことではない。それに俺が直接指導するんだ、問題はないだろう?」


(お兄様が直接・・・?)

この言葉を聞いただけで心が躍ってしまう。胸に手をやりながらなんとか落ち着こうとする。普段一緒に寝食を共に過ごしてはいるもののお兄様から何かを教わるということは今回が初めてだろう。学校の宿題もすべて1人でこなしておりお兄様になにか聞こうとはしない。学校の宿題や課題なんかでわからないことがあると言ってみればお兄様が落胆するに決まっている。そんなこともわからないのかと・・・。お兄様の期待に応えるためにもがんばらなくては、そう考え込んでいるうちに家に着いてしまった。夕飯の後、明日のことを聞こうとしたが準備があるとかで出かけた。明日は早いから早く寝ろとも言われた。

最初は緊張で眠れなかったがいつの間にか眠っていた・・・。


次の朝、ゼロとサリア、それに1年代表メンバーの全員がグラウンドにいた。みんな何を始めるのだろうと期待と不安の表情が見える。


「まずは、Sクラスからいこう。Sクラスのメンバーは3人に分かれてチームを組んでくれ」


3人ずつに分かれると指定の場所に誘導する。


「そこだ、その石の山があるところだ。ああ、あんまり近づくなよ」


なにをやり始めるのかと疑問そうのSクラスメンバー。


「よし!じゃあ今からチームワークを実戦で学んでもらう。いいか、自分の役割をよく考えるんだ。じゃあ始めようか、<石よ、その力持って形となせ!ストーンゴーレム!>」


「「え?」」


ゼロが詠唱すると石の山が人の形となり3,4メートルはあるゴーレムとなった。

ドガァァァン!ゴーレムが拳を振り下ろしSクラスに襲い掛かる。


「ゴーレム如きこの魔法で蹴散らしてくれる!<氷よ、叩き潰せアイスハン・・・>うわあああああ!」


詠唱を唱え魔法を発動しようとした1人にゴーレムが突っ込んで攻撃する。


「死ぬ!死ぬ!」


攻撃をかろうじて避けながら体制を整えるもゴレームは攻撃をやめない。


「大丈夫だ、死なない程度の威力に抑えてある。たぶん」


「魔法を発動しようとすると攻撃してくるってこと・・・?」


「いいや、違うな。魔法を発動しようとしている者を優先的に排除するよう命令してあるだけだ」


「ちょっと!それじゃあ攻撃ができないじゃない!」


ミリアが抗議する。


「そこをチームワークでカバーするんだよ。まぁ、がんばれ」


それだけ言うとゼロは早々に立ち去ってしまう。


「待ちなさい!キャッ」


ゼロを呼び止めようとするもゴーレムに阻まれてしまう。


「次はエルだな」


「お、おう。なんでも来いよ!」


いきなりゴーレム2体も作り出し特訓と言って戦わせたため若干警戒するエル。


「エルは付加魔法の強化だから・・・そうだなー、こいつが可愛がってくれるさ」


いつの間にかゼロの足下には狼が一頭尻尾を振って命令を待っている。


「どうすればいいんだ?」


「何簡単だ、逃げろ。付加魔法を使ってなるべく早くな。捕まっても死にはしないがウルフの攻撃は強力だから気を失うかもな」


「ま、まかせろ!」「ガウウウウウウ」「うおおおおおおおお」


狼に追いかけて逃げるエルだが、数百メートルもしないうちに捕まって地面に打ち倒されている。


「お兄様、こんなことで本当に特訓になるのですか?」


「実戦方式のほうが体で覚えやすいからな。大会まで2週間みっちりとやれば使い物になるくらいには育つさ」


「次はレンか」


「何をすればいいんでしょうか?」


「光属性魔法っていうのは詠唱次第で形を変える特性の他に発動スピードが他の属性に比べ速いという利点もある。レンはそこを強化してもらう」


「はい!」


そう言うとゼロはレンを四方を柵で囲まれた場所に連れて行く。


「この中に入ってくれ」


「はい、一体なにが――っ!?」


突如上空から魔法を放たれて咄嗟に避けるレン。上を見上げると黄色い光る物体がレンの周りを周っていた。


「ウィスプだ、ただしスピードをちょっと強化してある。そいつを捕まえろ、光属性魔法を使ってな」


「わかりました!」


「最後にサリアとアカネだが・・・」


「「はい!」」


「正直、何をさせればいいかわからん」


「え?」 「なんだと・・・?」


「氷属性魔法を覚えるっていうのは――要は本人の努力次第だしなぁ、急激に覚えさせるることはできないし・・・。うーむ」


「お、お兄様?」 「何も考えていなかったということか」


数分考え後何かを思いついたようだ。ゼロはアカネに振り返る。


「よし!アカネ、体力はあるほうだな?」


「まぁ、自信はあるほうだが何をするのだ?」


「そこに座れ」 「ここにか?」 「そうだ」


アカネが座るとゼロは懐から小袋を取り出すと中から葉っぱを出しアカネに嗅がせる。


「いい匂いだ・・・」「落ち着いたか?」「ああ」


「よし、じゃあ始めるか」


そう言うとゼロはアカネの背中に手を当てる。


「な、なにを・・・!」


「アカネ、お前、魔法剣は出せるが魔法は使えない。そうだな?」


「・・・そうだ」


「魔法が使えないのにはいくつか理由があるのだが、代表的なものを言うと二つほどある。一つは魔法的センスの問題、要は才能だ。もう一つは魔力不足だ。アカネ、お前の場合はこの二つ目にある」


「私に魔力がないだと・・・?」


「で、でもお兄様!クラス分けですとアカネはDクラスです!魔力がないというのならGクラスに入るのでは?」


「本当に魔力がなければな」 「「えっ?」」


「学院の魔力測定は魔力を測るものだが、本人に秘められている魔力も微量ながら測定することがあるんだ」


「つまり私には魔力が秘められていると・・・?」


「そうだ。だが、魔力を持って生まれてきた場合幼少時代にその才能を開花させるものだが、アカネの場合、魔法剣を作り出すことしかできなかったわけだ。そのまま成長してしまい魔力解放のリミッターはかかったままということだ」


「そうだったのか・・・」


「ああ、だからこれからそのリミッターを解除する」 「で、できるのか!?」


「可能だ、お前には氷属性魔法の才能がある。成功したらサリアに氷属性魔法を教えるんだ。わからないことがあれば俺に聞け、力になろう」


「わかった!始めてくれ」


「力を抜け」


そう言うとゼロは手に魔力を集中し始める。

アカネは体の内側からなにか熱いものがこみ上げてくるのを感じそのまま気を失った。



一部修正しました。

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