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Real Life 008 君の名は?(キャラクター名称に関するアレコレ)

本編のつなぎ企画の第8弾です。おまけというか、解説というか。

捏造も含めて、ここに書かれていることは、設定上あり得ると考えてもらえれば幸いです。

今回は、前回のキャラクター設定に違和感を感じた方向け。なぜこの物語には人物名が登場しないのか?の話でもしようと思います。



1.固定された人物像だけで、人は判別が可能なのか?

子供の名前を付ける時には、こうなって欲しいという親の願望だったり、託される思いだったりがあります。

僕には子供がいないし、生き物を飼うと言っても金魚ぐらいが関の山だったので、名前を付けるという行為自体に重さを感じてしまう。

物語を書く上で、キャラクターに名前を付けるという行為は作者である特権だと思っているのですが、僕はその行為をしなかった。都合のいいように解釈したんです。

「キャラクターに名前を付けるのは、読者でもいいんじゃないか?」と。


欠番はあるにせよ、現時点でカクヨム準拠で213回あります。今思うと、何かしらの名前を付ければよかったなと思う瞬間が非常に多い。

登場人物がここまで増えることを予測していなかったことが大きな敗因だと思っていますが、一方で毎回のようにキャラクターに名前を付ける必要に迫られることはない。だから、登場人物を気軽に増やせる。これが利点です。

で、そのキャラクターは人物像だけを固定する(しきれていないことが多いけど)。あとは読者が読んでいて、理解しやすいように名前を付けてくれたら、キャラクターは幸せじゃないかと作者の僕は思ったんです。


もう一点、作者自身がキャラクターに名前を付けると、確実に別作品や別コンテンツに引っ張られる名前が出てくる。それが嫌だったんです。(名探偵にモチーフのキャラクターがいますけどああいうのが嫌)

設定資料にもある通り、明確なモデルのいるキャラクターに関しては、その人に模した名前しか付けられないボキャブラリーの足りない自分がいたんですね。これを埋めるための技量や想像力が僕にはない。

タイトルが示す通り、当初は一人の女性が移り変わりながら、主人公と生きていく物語だったはずが、今やタイトルにギリギリ則しているヒロインを生み出している。こんな状態で、名前を付けていけるほど、僕には勇気がないです。



2.読者に申し訳ないと思いながら、読者の想像で補完は可能なのか?

昔、ミスチルの桜井さんが、伊集院光さんと対談したときがあって、ラジオを聞くことって、声だけの情報に対し、ある程度想像力を働かせるから面白いと話されていたことがありました。今でもNHKラジオでラジオドラマを放送していますが、ラジオドラマの情景説明というのは、抽象的であることが多かったりします。まして、昔のアニラジのラジオドラマ、ナレーションなしでSEから状況を理解するなんてことが普通にあったりしましたからね。

今で言えばASMRがそうになるんでしょうけど、バイノーラル技術によって聴覚情報ですらコントロール出来る時代になってしまった今、音声から想像力への解像度は格段に上がっていると感じています。しかし、脳内補完せずとも答えが出てしまう作品になっているのも事実です。


思ったわけです。「文字情報は、想像力で補完出来るのか?」

そりゃ、明らかな描写が書けるほど、描写理解は出来ます。しかし、僕はその描写記述すら、会話劇はノイズになると考えました。会話劇、一種のポエムみたいなものと自称している理由です。

描写ですらある程度は読者の想像力に委ねる形になっている物語ですから、キャラクターの人物像だけで、読者に名前まで想像してもらうことが最適解に感じたのです。言い訳になりますが、初期の段階で描写をある程度書いていたのは、どうしても描写を入れないと自分で理解が出来なかったからです。プロットがあっても、キャラクター解像度が今ほど高くなかったため、自分でどういう状況なのかを理解する意味で書いていました。

今は生成AIがありますから、文字情報から画像生成が出来る世の中。僕らが生きている時間の中で、文字情報は長らく想像力で補うものとして考えられていました。僕はそこに思いっきり依存する形で話を書けると考えたのです。

そして、連載開始時がら半分ぐらいのエピソードは、たかだか1時間程度の時間でしかない話。ただ、表情を変えているであろう登場人物が、延々と不毛な話をしているだけ。この世界観をズルく解釈したのが、結果として今の連載方式になり、名前を付けることなくここまでたどり着けたというわけです。まあ、趣味の範疇で話を作っているわけですから、メタデータだらけで大元がぼやけているという話はウケが悪いことも理解して書いていますけどね。



3.どうしても名前を呼ばれた時に。

娘の名前だけは展開上、どうしても名指しされることになります。......という表記にしているのは、読者に名前を埋めてもらうためのスペースとして存在させていると考えてください。僕はメインヒロインの名前を、読者に託してしまうという禁忌を犯していることになりますが、それでも読者の想像力を委ねたいという思いがあります。

ただ、「彼」「彼女」という呼び方はまだよくて、人によって「あの人」「この人」という二人称に違和感を感じる方がいるとは思うんです。他人行儀であることや親しみがないという点です。この物語で名前を付けなかった弊害というものですね。

シーンによって、女性4人で、どの人なのか?書き分けられるかと言われると、ギリギリ分かるように口調を変化させて成り立たせているような感じにしていますが、読者にはこれが難解に見える可能性が非常に高く、もっと作風を磨いて口調でキャラクターが分かるようにしたいとは思っています。ただ、それも含めて作風が難解なまま続けていることが書く上で面白いかなと思いながら作っています。ここまでやれた理由は、キャラクターに名前がなかったからなのかもしれません。



つづく

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