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「よし、そうと決まりゃあ善は急げだ。
そいつにゃこの俺サマももちろん同席させてもらう。
ユークがこーして色々証拠を持ち帰れたのはこの俺サマの指示による功績だからな。
王子サマにゃしっかり恩を売っとく必要がある。
ガキ共二人にそれがやれるとは思えねぇからな」
言ってくる。
いやいやいや、やれるも何も んなモンするつもりもねぇよ。
つーかだぜ?
ユークが証拠を持ち帰ったのはユークの功績じゃねぇか。
思わず呆れ顔でゴルドーを見やる中、ユークも渋い顔でゴルドーを見る。
ただしこいつは、
「……また商会を空けられますか」
そっちの渋面だった。
それでもユークは一つ息を吐き、それ以上の文句は言わずに「仕方ありませんね」とあっさり承知する。
「こちらの事はお任せ下さい。
しばらく留守にしていた分、しっかり働かせて頂きます」
「ああ、頼んだぞ」と返すゴルドーの声は軽い。
つーかゴルドーの奴、マジで一緒に行く気かよ?
俺からすりゃあ不満と不満しかねぇが、どーもここにいる誰一人、ゴルドーを止める気配はねぇ。
く……仕方ねぇか。
確かにゴルドーがこーしてユークに頼んでなけりゃあ、今のこの決定的な証拠はここになかったはずだしな。
だからってここぞとばかりに自ら恩を売りに行くなんてのはどーかと思うが……。
ま、レイジスならこのゴルドーの欲深にも上手い事対処してくれるだろ。
そう勝手に決めつけて──俺はとりあえず話を先に進める事にした。
「……まぁ、恩がどーのこーのとかいう話は置いといてよ。
とりあえず今ユークが調べ上げてくれた事、もちろんすぐにでも向こうに届けに行くけどさ。
レイジスにゃあ前もって電話でもしといてやる方がいいよな。
セルジオのヤローはもう見張られてっからいいにしても、緋の王はサランディールで今も自由にのさばってんだし。
もしまだサランディールの乗っ取りを考えてんなら何してくるか分かんねぇしよ。
それに……」
どーもあの時──兵に取り押さえられ連行される時に見せた、セルジオのあのニヤリとした笑みが気になってんだよな。
フツーあんな状況で『ニヤリと』笑うなんて出来ねぇよ。
捕まったって、自分を追い落とす決定的な証拠は出ねぇとタカを括ってただけなのか、それともまだ何か企んでんのか……。




