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王を操って国を支配しようとしたセルジオだったが、アルフォンソに勘付かれちまった。
アルフォンソを操って王を殺させ、アルフォンソを王に立てて影で国を乗っ取る計画も、アルフォンソにゃあ思ってた効果が見込めなかった。
あんな抜け殻みてぇな姿を周りに見られたら王に据える所の話じゃねぇ。
仕方なくアルフォンソがちゃんと“操り人形“になるまであの塔に閉じ込める事にした、とまぁそんな筋書きだ。
親父さんとアルフォンソとの関係は良好だったって前にジュードも言ってたしよ。
そんなら筋が通るんじゃねぇかとそう思ったんだが……。
俺の予想に反してユークは「さぁ、それはどうでしょうか」と否定した。
「話によれば、アルフォンソ王子は政策を巡ってサランディール王と対立していたとか。
それ以前からも二人には大きな溝があったと聞いています。
王を手にかけたのが操られての事だったのか、本人の意志によるものなのかは──」
ユークが言いかけた、所で。
ダンッと大きな音を立て、ジュードが右拳をゴルドーの机に叩きつける。
木の天板がバキッと音を立ててわずかに割れた。
「〜アルフォンソ様はその様な事をされるお方ではない」
鬼もビビって逃げちまう様な、般若の様な凄まじい怒りの形相で、ギロッとユークを睨みつける。
ユークはそれにも涼しい顔でジュードを見返していたが、それ以上を言うつもりはねぇみてぇだった。
俺の足元の犬カバが、身をぷるぷると振るわせジュードの拳の先を見上げている。
ゴルドーはジュードに割られた机の天板をじっと数秒見ていたが……やがてゆっくりと口を開いた。
「まぁそいつは本人じゃねぇと分からねぇこった。
今考えてたってしょうがねぇ。
それよりも、だ。
現実的な話、アルフォンソ王子サマが前みてぇに戻る可能性はあんのか?
解毒方法なり何なりよ」
珍しくもいつものがなるよーな口調じゃなく、ゴルドーが言う。
普段なら気に入りの机を割られたとあっちゃあ「てめぇ、このヤローが!俺様のデスクに何しやがる!?」な〜んてわんわんギャーギャー怒鳴り散らす所だと思うんだが、一応は大人の対応だ。
ゴルドーの言葉にユークは言う。
「解毒に関しては何とも言えませんね。
時間をかければ体の中の毒は抜けるでしょうが、一度傷ついた神経がそれで回復するかどうかは別の問題ですから。
王子が以前の様に戻るとは思わない方がいいかもしれません」




