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◆◆◆◆◆


いつも通りのゴルドーの社長室、そのバカでけぇゴルドーの肖像画前の社長椅子に腰掛けたまま──ゴルドーは「で?」と目の前のユークへ向けて問いかける。


「何かデケェ事は掴めたのかよ?」


言いながらニヤリと笑うその顔は、部屋の中の悪趣味と相まって完全に悪の親玉だ。


ユークは──こいつもいかにも『悪の親玉の側近』みてぇな悪い笑みで「ええ、まぁ」と答えてみせる。


「どこから話したものかと思いましたが、リッシュくんやジュードくんもいる事ですし、そもそもの初めからお話しましょう」 


そーしてユークが語ったのは、中々にすげぇ話だった。


ユークがノワールに潜入した時──つぅかまぁ、もっとずっと前から、なんだろうが。


緋の王の悪政に長く苦しめられてきたノワール国は、国全体もノワール城内も混沌とした状態、だったらしい。


しかも今はその全ての元凶の緋の王もサランディールに出向いている。


今のこの機会に悪政を正し、少しでもマシな国にしてやろう、何なら緋の王を追放する手立てを考えよう……って誰もが思ってりゃあまた違うだろーが、そうじゃねぇのがノワール国だった。


緋の王不在の間に自分の利益の為に動く官僚達。


しょうもねぇ覇権争いを繰り広げる連中……と、ノワール国──特に城内は中々の荒れ様だったみてぇだ。


ユークの話じゃその“混沌状態”が逆に潜入にゃあ都合が良かったらしい。


丁度(って言うのも何だか申し訳ねぇ気もするが)ノワール城の薬師や医師はそのほとんどが緋の王に処刑されちまってたってな事だったから、人手不足も相まってユークは薬師として楽々とノワール城に入り込めた──ってな訳だった。


とはいえ、だぜ?


と俺はユークの話を耳に流しながら思う。


いくらノワールがそーゆー状態だったからっつってもよ。


仕事が一国の薬師ってんなら、それなりに薬に関する知識やら何やら必要なハズだろ?


そこで特に怪しまれなかったって事は、ユークにゃその知識があったってこった。


それも王宮の薬師として即迎え入れられる程の知識や経験が。


一体んなモンどこで手に入れたんだ?


尊敬を通り越して呆れちまうぜ。


腕っぷしも強ぇし仕事は出来るし。


本と、ゴルドーなんかのトコで働かせとくにゃあもったいなさすぎる逸材だぜ。


っと、まぁそれはそれとして。

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