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11

思わず後ろに仰け反りつつ声を上げた俺に、ゴルドーが怪訝な顔で俺を──そして、その後ろに控えたラビーンやクアン、ジュードの顔を見る。


「「わっ、ボス!」」


思わずだろう、ラビーンとクアンが二人驚いて声を上げるのに。


「何だ、てめぇら。

揃ってぞろぞろと」


怪訝な顔もそのままに、ついさっき会ったシエナと同じ様な言葉をかけてくる。


そのたった一言で俺はもう出直してぇ衝動に駆られたが。


ここでおめおめと帰る訳にもいかねぇ。


俺は心を入れ替えゴルドーの目を真っ直ぐ見、言う。


「──大事な用があってきたんだよ。

あんたが今調べてる事について、俺にも詳しい話を聞かせてくんねぇか?

話聞いた所で俺に出来る事なんか何もねぇかもしんねぇけど……。

あいつの力に、なりてぇんだよ。

しょげ返って休んでるヒマなんかねぇ。

……だろ?」


言う……と。


ゴルドーがしばらくの間俺を見……そーして半歩足を引いて道を開けた。


「……いいだろう。

俺サマは忙しいが、少しくらいは時間作ってやる。

奥に入れ。

話を聞かせてやる」


くいっと顎を奥にやって言ってくるのに、俺は「ああ」と気合を入れて返事したのだった──。


◆◆◆◆◆


案内された部屋は、以前ミーシャと来た時と同じ、廊下の一番奥にある部屋だった。


この部屋は──というよりゴルドー商会全体としてそうなんだが──相も変わらず悪趣味だった。


毒々しい紫と赤のまだら模様の絨毯。


前回来た時と同じく、金色のド派手な額縁にはまって飾られてるでけぇゴルドーの肖像画。


肖像画の下には大きくどっしりとした机と椅子がある。


ゴルドーは例によって例の如くその椅子にドッカと腰を下ろして俺と、そしてジュードを見据えた。


この光景──肖像画のゴルドーと生身のゴルドー、二人に見据えられるこの感じ。


やっぱりどーにも嫌な気分がするぜ。


ジュードは何も言わねぇが、やっぱりどことなく居心地悪そうだ。


犬カバに至っちゃ俺の足元の裏側に潜んでゴルドーから身を隠すようにしている。


ちなみに、だが、もちろんこの大事な話の場にラビーンとクアンの二人の姿はねぇ。


俺の護衛とやらの役職もあっさり外されて、この部屋の前んトコで追い払われた。


曰く、


「この俺サマのゴルドー商会で危険な事なんか起こる訳ねぇからな。

テメェらは通常業務に戻れ」


との事らしいが。



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