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思わず後ろに仰け反りつつ声を上げた俺に、ゴルドーが怪訝な顔で俺を──そして、その後ろに控えたラビーンやクアン、ジュードの顔を見る。
「「わっ、ボス!」」
思わずだろう、ラビーンとクアンが二人驚いて声を上げるのに。
「何だ、てめぇら。
揃ってぞろぞろと」
怪訝な顔もそのままに、ついさっき会ったシエナと同じ様な言葉をかけてくる。
そのたった一言で俺はもう出直してぇ衝動に駆られたが。
ここでおめおめと帰る訳にもいかねぇ。
俺は心を入れ替えゴルドーの目を真っ直ぐ見、言う。
「──大事な用があってきたんだよ。
あんたが今調べてる事について、俺にも詳しい話を聞かせてくんねぇか?
話聞いた所で俺に出来る事なんか何もねぇかもしんねぇけど……。
あいつの力に、なりてぇんだよ。
しょげ返って休んでるヒマなんかねぇ。
……だろ?」
言う……と。
ゴルドーがしばらくの間俺を見……そーして半歩足を引いて道を開けた。
「……いいだろう。
俺サマは忙しいが、少しくらいは時間作ってやる。
奥に入れ。
話を聞かせてやる」
くいっと顎を奥にやって言ってくるのに、俺は「ああ」と気合を入れて返事したのだった──。
◆◆◆◆◆
案内された部屋は、以前ミーシャと来た時と同じ、廊下の一番奥にある部屋だった。
この部屋は──というよりゴルドー商会全体としてそうなんだが──相も変わらず悪趣味だった。
毒々しい紫と赤のまだら模様の絨毯。
前回来た時と同じく、金色のド派手な額縁にはまって飾られてるでけぇゴルドーの肖像画。
肖像画の下には大きくどっしりとした机と椅子がある。
ゴルドーは例によって例の如くその椅子にドッカと腰を下ろして俺と、そしてジュードを見据えた。
この光景──肖像画のゴルドーと生身のゴルドー、二人に見据えられるこの感じ。
やっぱりどーにも嫌な気分がするぜ。
ジュードは何も言わねぇが、やっぱりどことなく居心地悪そうだ。
犬カバに至っちゃ俺の足元の裏側に潜んでゴルドーから身を隠すようにしている。
ちなみに、だが、もちろんこの大事な話の場にラビーンとクアンの二人の姿はねぇ。
俺の護衛とやらの役職もあっさり外されて、この部屋の前んトコで追い払われた。
曰く、
「この俺サマのゴルドー商会で危険な事なんか起こる訳ねぇからな。
テメェらは通常業務に戻れ」
との事らしいが。




