10
◆◆◆◆◆
ギルドの戸を開け、俺はそそくさと外へ出る。
俺の後にはもちろん犬カバとジュード、ラビーンにクアンが出て、ついてくんのが気配で分かる。
しっかし……。
……俺は一体何やってんだろーな。
思わず頭をポリポリ掻きながら、んな事を思う。
『あんたにほんのちょっとでもあの子の力になろうって気があるんなら』
『向こうに置いたままうかうかしてたら緋の王にかっ拐われちまうかもしれないよ?』
シエナの言葉が、耳に痛ぇ。
言われなくったって、んな事はこの俺が一番よく分かってる。
けどよぉ……。
だからってこの俺に何が出来るってんだよ?
サランディールに戻った所で、別にこの俺に役立てる事なんかありゃしねぇ。
国に関わる事はもちろん、アルフォンソの事もセルジオの事も、俺がいよーといまいと何も変わらねぇハズだ。
ミーシャにゃあレイジスやダンやガイアスがついてんだし。
緋の王とミーシャとの婚約話も、三人がどうにかしてくれるはずだ。
俺がいよーがいまいが……。
考えかけて。
俺はムショーにイラモヤして、頭を左手でわしゃわしゃ掻く。
……そーゆー事じゃねぇだろ、シエナの言ってる事は。
俺に、ほんのちょっとでもミーシャの力になろうって気があるんなら……。
◆◆◆◆◆
ゴルドー商会の前に立ち、俺は──……。
「う〜ん」と眉間にシワ寄せ腕を組み、心の中の自分と格闘していた。
今のこの俺が、ミーシャやサランディールの為に出来る事……。
そいつはもう、ものすっげぇ癪だが、まずはゴルドーんトコで、あいつが調べてる事を聞いてみる所から始めるしかねぇ。
アルフォンソが盛られた毒。
その正体が分かればアルフォンソの回復に役立てられるかもしんねぇし、その毒の出所が分かりゃあ、上手くすりゃあセルジオの罪を暴く事が出来るかもしんねぇ。
ついでにセルジオと緋の王との悪の繋がりが分かりゃあ、それこそレイジスやミーシャの為になれる……ハズだ。
正直、俺が出張ったからって別に役に立つ!って訳でもねぇんだが……。
もしかしたらこの俺にだって出来る事があるかもしんねぇだろ。
ゴルドーにゃ絶対メーワクがられんだろーが、ミーシャの為だ!
ゴルドーに頭下げて手伝わしてもらうくらい、訳ねーぜ!
気合を入れ直してゴルドー商会の扉に手をかける。
そーして勢いよく扉を開ける──と。
丁度その目の前に、いきなりゴルドーの姿が現れた。
「のわっ!?」




