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8

全く一つも納得出来ねぇまま、ややうんざりしながら俺は街中を進む。


特にこれといって行く先も予定もなかったが……。


今こーして街を歩くよりかはまだちょっとは目立たねぇハズのギルドを目指す事にした。


そこで今日の所は時間でも潰せりゃ、こーして街を歩くより、家に閉じ籠もってうだうだしてるより大分マシなハズだ。


シエナにゃ、メーワクがられるかもしんねぇけど。


思いつつ歩を進め、久々のギルドの戸を開く。


ギルド内は、こいつもまたいつもと変わりねぇ。


冒険者が幾人かいて、俺の顔を見ると『おっ、』という顔をする。


そしてギルドのカウンターの向こうには、いつもと変わらぬシエナの姿があった。


つってもつい昨日ダルクの墓で会ったばっかだけど。


俺に気がつくと「ああ、リッシュ」と声かけてくれる。


「それに犬カバにジュードも……」


と言いかけて。


俺の後について続々と入るラビーンとクアンの姿を見つめ、何とも言えねぇ表情をする。


「あんたら……。

なんだい、大の男がぞろぞろと」


怪訝な表情もそのままに問いかけてくるシエナに。


よくぞ聞いてくれましたとばかりにラビーンが自慢気に話し出す。


「おお、実はな、マスター。

俺ら、ボスからの指令でリッシュくんの護衛を任されてんのよ」


「そうそう」


ラビーンに続けてクアンがえっへんとばかりに頷く。


だがシエナから怪訝な表情が消える事はねぇ。


「警護って。

一体あんたら何からリッシュを守ろうってのさ?」


「何ってそりゃ、まぁ、色んな脅威からだよ。

とにかくボスに任された以上、しっかり任務を遂行する所存だ」


グッとやや顔つきを引き締め、ついでに全く似合いもしねぇ難しい言葉も使ってラビーンは言うが、シエナの反応は薄い。


「……ふーん。

まぁ別にいいけどさ。

それで、リッシュ。

あんたは一体何しに来たんだい?」


聞いてくる。


俺はそいつに思わず、


「……へっ?」


と問い返した。


シエナが呆れた様な息をつく。


「ここは冒険者ギルドだよ。

ヒマ潰しに来る所じゃないんだ。

あんた、仕事でもしていく気かい?」


ごくごく正論で問いかけられて……。


俺は思わず視線を横に彷徨わす。


……ヒマ潰しに来たって、バレてやがる。


シエナが再び息をつく。



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