2.久しぶりの友人
これからは一週間に一回の投稿になりそうです、ご了承ください。
校長先生からの有難いメッセージを頂いた私達は自分たちのクラスに行くことになった。
私達のクラスは3年1組だったので2階まで上がっていく。
「ねえ、煌麗。さっき何を話そうとしてたの?」
さっきから気になっていたことを隣を歩いている彼に聞いてみる。
「あ~、さっきのはね...」
と煌麗が言おうとしたところで誰かが目の前から走ってきた。
「アリシナさまぁぁぁぁああああ」
なんかこれ、既視感があるような...。そして、なんで私の名前、知ってるんだろう?
と思っている間に私の前に彼女はやってきた。
パープルブラウンの髪をハーフアップで結っていて、澄んだヘーゼルの瞳がこちらをじっと見ていた。
数秒間の沈黙の後に私は恐る恐る聞いてみることにした。
「もしかして、サナ?」
彼女は嬉しそうに首を縦にブンブン、そう、ブンブン振っている。
決して大袈裟に言っているわけではなく、激しく頭を振っていた。
「覚えていてくれたんですね!嬉しい!」
キャッと言いながら彼女はその場で跳ねる。
私が何と答えていいのかわからずにいると煌麗が口を開く。
「絢美 咲花、それが今の彼女の名前だよ。久しぶりだね、完全に俺のこと視野にも入れてなかったよね?そんなに愛梨が好きなの?」
彼女は間を置かずに答えた。
「ええ!もちろん!当たり前です!だってアリシナ様ですよ!」
「...今はアリシナじゃなくて、愛梨、ね。本当に愛梨のこと好きだよね。前世でもファンクラブとかの支援してたみたいだし、ね?」
「あ...え、え?なんのことですか?」
咲花は昔から嘘をつくのが苦手なのだ。
彼女が昔と変わっていないことに私は一人、安心を覚える。
「煌麗、ここ廊下だから。とりあえず教室行こ、ね?」
私はそう言いながら彼の手を取って歩き出した。
もちろん、もう片方の手は咲花と繋いで歩いている。
「アリシナ様...私、今日死ねるかもしれません...」
突然咲花が不穏な単語を出したので彼女をしっかりと見ながら言う。
「咲花、死なないで。咲花が死んじゃったら悲しいから、あと私のことは愛梨って呼んでね!」
前世では最後まで『アリシナ様』だったのだ、そう、ずっと『様』が外れることは無かった。
だから、今世では絶対呼び捨てで呼んでもらう、そのためなら少々手荒なことをしてもいいと思っている。
それぐらい私は本気だ。
「....そうですね、私は今を生きているんですものね。...もう、彼をおいていくのは嫌なんです」
最後のほうは聞き取れなかったけど、とりあえず大丈夫そうだ。
一安心してほっと息をつく。
私と咲花が話している間に教室に着いたようだ。
ガラリと教室のドアを開けると今日から同じクラスになる子達が一斉にこっちを見た。
あ、そういえば手を繋いだままだった。
パッと手を離してとりあえず笑う。
黒板に席順が書いてあるようなので黒板の前に立って名簿表を見ると私の席は窓際の席だった。
煌麗は真ん中あたりの席で離れ離れ、さらには咲花も、絢美という苗字なので一番廊下側の席だった。
しかし後ろには私のよく知る人がいる、それは私の従兄妹で前世は弟だったシェイナス、今の名前は柊 シエルだ。
私が席に座るとちょんちょんと背中をつついてきたので私は後ろを振り返る。
「どうしたの?シエル....もしかして、体調不良...?」
「いや、違うよ。同じクラスだったねって言おうと思ったら先に愛梨が話始めただけでしょ?」
「確かにそうだね、小学校に入ってからずっと同じクラスだよね。なんでだろう?」
「それは...(愛梨に悪い虫が付かないように先生を脅し...説得して同じクラスにしてるにきまってるじゃん)」
それはの後の言葉が完全に聞こえなかったけど、何か嫌な予感を感じるのは私だけなのだろうか。
話すことはそれだけだったのか彼が黙っているので私は窓の外を見る。
今日の天気は快晴、シエルと出会ったあの日みたいだと思った。




