↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
侵略者防衛隊〜宇宙(そら)を見上げて、宇宙(そら)から守れ!〜  作者: ナーガ
これまでの人生。これからの人生。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/71

捕らわれた隊員

「こちら山本。戦場へと到着。お願いします。」


『分かりました。基地より”テンツェリン”出撃。

 10秒後到着予定です。』


 通信装置を起動し、オペレータールームへと声をかけるのは、

 4番隊隊員、山本エドガー。


 あの合成バカがはしゃいでいたのをあっけにとられ、

 自分のやるべきことを忘れていたのだ。


 通信より10秒後。

 オペレーターの時間通りに四角いコンテナが到着。


 到着次第、エドがスクリーンに手を当てると、即座に開封。

 コンテナ正面から亀裂が入り、真っ二つに外れた。


 そこから登場したのは女性型ロボット。

 美しい曲線美を持った白色の機体。

 腕、足が細く、バレエダンサーのような美しさ。


 目や口などのパーツはなく、マネキンのようである。


 その機体の手には一本の鋭いレイピアが握られていた。


 エドは機体の手を握り、彼女の顔を見ながら告げる。


『思うがままに』


 その言葉が起動音となり、機体がひとりでに行動を開始する。

 彼女の出撃を見守り、一人佇むエド。


 彼のオリジンは”人形遣い”。

 人形や機体を動かし戦力的サポートを行う。


 人形に指示を与え、行動させるのが彼の能力。

 やろうと思えば、人形の軍勢を作り、軍隊のように攻め入ることも可能だが、

 指示を出す人形が多くなればなるほど単純な動きをインプットすることしかできないのである。


 今回は1体。

 戦闘における自由行動を命じた。


 速度を上げてタロスに近づく人形。

 タロスは体からいくつもの手を伸ばし、

 手のひらからの爆発を利用して攻撃を仕掛ける・・・が、

 そのレイピアの敵ではなかった。


 美しく舞うようにレイピアを振るい、

 攻撃を仕掛けるタロスの腕に細くも鋭い刃を振り下ろし、軽々と切断。


 腕をすべて切断すると、敵の顔へと一突き。


 その時間わずか数秒。

 完封である。


 そのまま次の敵へと向かい、戦闘を続行。

 それを宇宙空間で浮かび、見守るエド。


 銃や障壁の盾なども持っているため、

 攻撃に参加ではあるのだが、人形の動きに見惚れ、何もしなかったのである・・・。



 ◇


「一人捕まえました!」


 1体のタロスは中心にいたタロスに報告。

 腕で動けないように抱え、手首を金属の腕輪で固定していた。


 タロスに捕縛されていたのは桐子隊員。

「ちょっと!放しなさいよ!」と暴れながら抵抗するもまったく微動だにしない。


「あそこへ連れて帰ります。」


 指をさした先は、4番隊が目標としていた敵戦艦。


「よくやった。いい手土産になる。

 お前にはあとで報酬を支給するよう頼んでおこう。」


「ありがとうございます。」


 礼を述べたタロスはそのまま人間を片手に戦艦へと連れていく。

 空を飛ぶように移動しながら。


 道中言葉を発することなくおとなしい桐子隊員を横目に、戦艦へと進むタロス。


 4番隊が攻撃を仕掛けてくることなく、そのまま戦艦へと到達した。


 片手に人間を抱えているタロスは戦艦の側面をまじまじと確認しながら入り口を探す。


「・・・・・・・・・・」


 1週回り切り、タロスは空中で立ち止まった。


(・・・・・どこだ?)


「・・・・・・・・・・」


 タロスはなぜかその場で入り口がわからず悩んでいると、

 ふと視線を感じ、視線を落とす。


 桐子隊員がこちらの顔をのぞいていた。

 何やってんだこいつ・・・とジト目を向けながら。


「・・・・・・・・・」


 タロスは桐子隊員に話しかけたいという欲望をいったん我慢し、考える。


(どっからはいればいいんだ・・・?)


 人間を抱えたまま立ち止まるのも怪しいので、

 再度一周するかのようにゆっくり移動し始める。


「上」


 移動し始めたあたり、耳元でささやかれる言葉。

 その言葉を受け「ふっ」と笑みが零れる。


 横移動を中断し、戦艦の上部へと到達。

 空中から俯瞰すると、上部に扉なるものを発見。


(あれか。)


 そのまま戦艦上部へと降り立ち、ドアを開けようとするものの、

 近づいても開かない、ドアノブもない、開ける方法がわからない。


「私の出番ね。」


 いつの間にか手首の錠を外していた桐子隊員。

 声をかけられたタロスはそのまま腕を開放する。


 そのままドアの前に立ち、握った拳から鍵が現れる。

 昔の蔵の鍵を思わせるようなデザインをしており、

 ドアにそのカギを突き刺す。


 錠穴もない扉であったが、鍵は先端の部分が吸い込まれ、

 鍵を回すと扉がひとりでに開く。


「助かる。」


「早くいくよ。」


 扉を通り抜け、中に入る。

 全体的にどこか地球の船の中に近いデザインをしており、

 狭い道を通りながら、メインルームを探す。


 少し開けた道へ出ると、タロスが船の内部状態を確認しているかのような作業をしており、

 桐子隊員を腕に抱えているタロスは声をかける。


「地球人を確保しました。報告に参りたい。」


「ほお。それが・・・・・・場所わかるだろ?」


(チッ・・・それが聞きてえんだって・・・)


「すいません。迷ってしまいまして・・・。」


「なに?お前どういうことだ。我々が迷うわけないだろう。

 ・・・・・・まさか!」


(っ!クソ!!)


 点検をしていたタロスが何かを言おうとしたとき、

 タロスの首が切断され、床に落ちる。


 そのまま膝から崩れ落ち、タロスは機能を停止した。


「三田。しっかりしてくれ。」


「わりい・・・助かった。」


 何もない場所から姿を現したのは服部秀蔵。

 4番隊隊員である。


「俺はまた潜る。無理はするなよ。」


 言葉だけを残し、そこには何もいなかったかのように消えた。


 三田と話しかけられたタロス、

 彼こそが桐子隊員を抱え、タロスに”擬態”した4番隊隊員の三田俊平である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。