4番隊出撃!
今回、防衛戦に参加している4番隊メンバーは、
隊長の美豆圭人、副隊長の富岡悟、童桐子、三田俊平、瓜原百、
山本エドガー《やまもと えどがー》、服部秀蔵の計7名。
今までの部隊とは違い、武器を装備しているメンバーが多い。
5番隊ほどではないが、武装を揃えている。
「きましたよ。」
隊長の言葉に、皆の目が鋭くなる。
今回は、相手からこちらへ攻撃を仕掛けてくるようだ。
攻めてきたタロス軍は約30体。
他部隊の戦闘状況から出し惜しみはしないようだ。
初めに攻撃を仕掛けてきたのはタロス軍。
1体のタロスがレーザー銃を構え、発射。
狙いは瓜原隊員。
「くっ!」と声を漏らし、事前に準備していた障壁を展開する盾(丸い取っ手)を構える。
その障壁は以前戦艦から放たれた巨大レーザーを消滅させた、
アマテラス防衛基地の巨大障壁と同じ効果を持つ盾であった。
取っ手を構え、ハンドル部分についているボタンを押すと、
細い金属線が中央部分から8本、四方八方に伸びる。
展開した金属線には無数の穴が空いており、
そこからレーザーが全ての穴を塞ぐように伸び、丸い障壁が完成する。
その間一瞬。
発射されたレーザーが着弾するまでの間、余裕で間に合う展開速度。
効果は絶大で、レーザーが盾の障壁に接触すると、接触した部分より霧散。
彼女に届くことはなかった。
防げたものの、盾を展開した本人は内心かなり焦っていた。
(あっっっっぶない!少し遅れてたら、私やばかったかも・・・。)
ヒヤヒヤした。
額には冷や汗が流れ、その緊張感を物語っていた。
「防がれました。」
「引き続き、援護射撃をしろ。」
「わかr・・・・・・・」
射撃を行ったタロスが状況報告を行い、
上官と思われるタロスが指示を行うも、
会話の途中で動けなくなってしまう。
「何事だ!!・・・・・っ!!」
射撃を行ったタロスをよく見ると、胸の部分に刺突の跡がある。
生体反応は消失しているようだった。
その一撃がタロス軍の混乱を招き、
全員が周囲を見渡すこととなる。
それこそが戦略とも知らずに・・・。
混乱に乗じて4番隊が動き出す。
数が多いので、一旦数を減らそうと副隊長が動いた。
彼が手に持つのはライフル。
防衛隊が防衛戦で使用している空気銃ではなく、
5番隊がメインで使用する銃弾が出る銃だ。
銃を構え、敵を狙うまでもなく、どこに向けて発砲してもいいかのような形相。
躊躇することなく、彼は引き金を引く。
『転送』
その言葉と同時に。
引き金を引かれた銃は火薬の燃焼による煙を発生させ、
銃の先端部分より銃弾が打ち出される。
同時に銃口の先、何もない空間に穴が開く。
銃弾はその穴に吸い込まれるよう進み、
タロスの眉間部分より貫通。
「やはり副隊長のオリジンはチートですね。」
「ええ。相手との距離を強制的に0にする能力は相手にしたくないですね。
回避の使用がありませんから。」
彼のオリジンはその言葉の通り”転送”。
空間を繋げ、ゼロ距離で敵に攻撃を与える能力。
目に見える範囲であれば、任意の場所に転移させることが可能である。
眉間に銃弾を受けたタロスはその顔に損傷がみられるものの、
機能停止とはならず、発射元である副隊長へと全速力で突進。
その光景を見ても、彼の表情は非常に冷静。
「ふぅ・・・・っ!」
息を吐き、今度はトリガーを握り続け連射。
その銃弾は、またもや銃口の前に現れた穴に吸い込まれ、
上から雨を降らせるよう銃弾を浴びせた。
「き・・・さ・・ま・・・・・・」
その言葉を最後に、向かってくる推進力を維持したまま機能を停止した。
骸と化したタロスを正面まで来たところを片手で受け止める。
「まず一体回収。」
「さすがですね富岡さん。」
「い、いえ。それより近くで私の話するのやめてもらえますか?
照準が狂いそうです。しかも、隊長に言われるのは少し気が引けます。」
「そんなことありませんよ。さすがと言わざる負えません。」
「あ、ありがとうございます。」
「回収したタロスは、生命活動を停止させていたとしても、
念のため拘束をお願いいたします。
その上で回収籠へといれておいてください。」
「分かりました。」
副隊長は指示のもと、タロスを片手に回収籠へと向かい、作業をする。
隊長は副隊長の行動を横目で確認すると、すぐに正面へと目線を戻す。
引き続き、戦う4番隊隊員たちの功績を目に焼き付けるように。
残ったメンバーもその活躍を目にし、
我こそはとオリジンを発動させ、敵タロスの回収へと行動を開始する。
「さて、私の実験をはじめるよ!」
笑顔で話すのは瓜原隊員。
先ほどレーザーを瞬時のところで防いだ彼女だ。
片手には手榴弾。
もう片手には、防衛隊用の空気銃。
その二つをガチッと合わせ、唱えるのは彼女のオリジン。
「ふふ。『合成!』」
二つが光り、1つにまとまる。
別の言い方をすると、融合ともいえるだろう。
二つは形を変え、新たな形状へと変化。
銃口は大きく、小型ロケットランチャーとでもいえるような見た目へと成り代わる。
「今回はこれね♪さて、どんな可能性を見せてくれるのかしら!」
狙いを定め、引き金を引く。
大きくなった銃口から飛び出たのは手榴弾。
安全ピンはすでに抜けている。
着弾前にさらに一発、もう一発と引き金を引くと、
銃弾の代わりに手榴弾が発射される。
発射した先に佇んでいた複数体のタロスは手榴弾の爆発にのまれ木端微塵。
「おい!回収は!?」
「あ・・・・・・・。」
三田隊員に突っ込まれるも、考えなしの行動が回収対象を吹き飛ばし、
唯一、宇宙空間に爆発後のチリが残っているのみであった。
まずいと思った瓜原は、武器を自分の後ろへ隠し、目を泳がせる。
「その武器禁止。」
「な!わ、わたしのかわいい新作が・・・・トホホ」




