2番隊:園田健
遅くなってしまった・・・・。
昨日の夜に投稿するはずが・・・。
執筆が終わらずこのザマである。
彼もまた、敵戦艦が晶によって破壊されるのを確認し、
その戦艦からタロス達が避難した際に、自分が殲滅すべき敵を捉えていた。
出てきた敵の中に1体、異様な存在感を放っていた存在がいた。
いつものタロスより一回り体格が大きく、
その背丈より長い棍棒を片手に佇む存在。
顔には何も掘られていない、ただの仮面をつけており、
他のタロスと比べると、いささか異様であった。
「あれは拙者の敵だ。サポートも不要である。」
「健がやる気になってるよ。拓海。」
先ほどの模擬戦で戦った、井伊原拓海に話しかけるのは、王野原美波。
少し目つきの悪い、セミロングのお姉さん。
辰巳副隊長が飛んで行ったのを目で追いながら囁く彼女に、
話しかけられた拓海が反応する。
「美波さん。オレも健さんと同じく右手が疼いて仕方がありません。」
「少し違う気がするが・・・・・。
まあいい、あれは拙者の敵だ。譲らんぞ。」
その会話を聞いていた健は、美波へと振り返り、提案を投げかける。
「・・・・・それじゃ、美波さんと周りの雑魚、散らしますか。」
「いつものね。任せるわ。」
2人は普段の防衛戦での作戦を、今回も実行するようお互い顔を合わせる。
「それでは・・・さらば!」
移動開始ざまに言葉を言い残した。
健は空中を蹴り、敵生命体へ行動を開始する。
戦闘服であるブーツ、その機動力を活用しながら敵へと近づき、
仮面のタロスもこちらを捉え、その場で佇んでいた。
その距離、5m。
健が到着し、何もしないタロスに不思議と戦士の波長を感じ、
到着次第、その場で一度止まる。
歴戦の戦士たる雰囲気を纏ったタロスに健は少し深呼吸をした後、口をひらく。
「拙者、園田健と申す。」
「良い面構えだ。すまないが、私には名が無い。
私は、ハンティングトロフィーとして武器を持ち帰ることが常だ。
勝負が決した際には、その刀を頂く。」
「いいだろう。拙者もいただくとしよう。」
話の通じる戦士だと健は心底安堵した。
ただ切り伏せるだけであれば、彼は敵に対し感情をいただくことなく、
また、勝負と感じることもない殺戮兵器となってしまう。
しかし、彼は話のわかる相手は久しぶりで、
さらに強者の風格を纏っている敵に高揚していた。
この戦いには意味があると・・・。
「ふぅ・・・・」
息を吐き、気持ちを整える。
目を瞑り、精神統一。
相手も同様、棍棒の状態を確かめながら準備を整える。
お互いを見合い、健は居合の型をとる。
仮面のタロスは持っていた棍棒を先端より3分の2ほどの位置で手に持ち、
柄の部分を捻る。
すると、棍棒の部分が刃に変わり、長刀へとその姿を変えた。
互いに準備は整った。
あとは刀身を抜くのみ。
「っ!!」
「っ!!」
互いにタイミングはわかっていた。
同時に動き出し、宇宙空間を駆ける。
しかしタロスの方がリーチが長い。
先に健をとらえ、刃を振り下ろしたのは敵の方が早かった。
彼の刀は今振りかざしても敵に届くことはない。
が、そんな敵のリーチを跳ね返すか如く、杞憂に終わる。
タロスの攻撃を横にズレ、紙一重で避けたのだ。
「何!?」
直後、鞘から刀を抜きながら、間合いへと入る。
彼の表情は真剣そのもの。
何も発することなく、極限の集中状態にあった。
放つのは一閃。
居合の御業。
戦闘ブーツを駆使し、地上ではできないような移動技術を採用。
微小に調整しながら動くその姿は、残像を残すかの如く。
放たれた刀身は、誰にも捉えることはできず。
気づけばタロスの背後に健の姿あり。
「良き戦いであった・・・。」
タロスはその場に取り残されながらも、言葉をその場に残す。
健は無言で刀を鞘に徐々に戻し、
「カチッ」と音を立てると同時に仮面のタロスは体を両断された。
健は振り返り、両断されたタロスを確認。
「獲物は頂く。」
両断された体、その手に最後まで握り締められた長刀。
それを回収。
その直後、通信装置より連絡が入る。
『健!見てたよ!早く戻ってきな!』
「承知した。奄美隊長。」
『健!!いつもママって呼べって言ってんだろ!?
何言ってんだい!!お仕置きされたいのかい!?』
「・・・・・・・しょ、承知した・・・・ママ。」
『ったく・・・。よくやったね。』
「ああ。そちらへ戻る。」
長刀を片手に、少し恥ずかしそうな健。
奄美隊長の元へ戻るよう指示を受け、
なんとも言えない感情を胸に残しながら元いた場所へと移動した。
◇
その戦いを2人は横目で見ており・・・・。
「健さん、ちょっと強すぎますね・・・。」
「さすがね・・・やっぱり。一対一じゃ、最強じゃない?」
「オレも負けてられません。」
「そうね。とっとと終わらせましょう。」
久々の健の活躍を目で追い、彼の強さを再認識する2人。
残りの雑魚を蹴散らすべく、行動を開始する。




