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防衛戦:1番隊

やべえ、書いていたらいつの間にか夜の11時だ・・・・。

皆も早く寝ようね。

1番隊サイド


「各隊戦艦1機と周囲に群がる敵戦力の殲滅が今回の目的です。

我々の目標物については後ほど、総司令より指示が降りるはずです。」

「「「はい!!」」」


飛騨隊長が1番隊へ振り向き、指示を出す。

1番隊員それぞれの目を見ながら。


『飛騨。これから指示を出す。くれぐれも注意するように。』

「わかりました。総司令。」


その後、背中から追い風が吹く。

その風の軌道は向かうべき方向をさしているようだ。


哲はこの不思議な感覚に目を丸くし、驚くも、

瞬時に戦場であることを再認識して冷静になる。


「粟生屋。遅れるんじゃないぞ。」

「こっちですよ〜」


先ほど呼びにきてくれた坂口副隊長。

模擬戦の相手として苦労させられた柏木先輩。

2人してこちらに目をかけてくれた。


他の人にも目を向けると、

知らない顔が複数。

まだ全然知らないんだな・・・と考えながらも、

皆の後を追って、風に乗るように移動する。


風は敵戦艦への最短ルートを進むでもなく、

少しウネウネと軌道を変えながら進んでいるようだ。

風に乗りながら移動すると、体の負担が少ない。

少ない力で移動できるのかと驚くことばかりだ。


「目標はあれです。我々はあの艦隊を撃退します。」


目標物を定める。

撃破するのは左から2番目に浮いている戦艦のようだ。


・・・


突如、部隊の前に歪みが複数。

12ほどの歪みが突如前に現れる。


「それでは皆さん!いつも通りに!

宮城さんは皆のサポートをできたらお願いします。」

「はい!」


隊員それぞれが臨戦体制となる。

初めに口に出したのは柏木先輩。


「みんなを『隠して』」


体に薄いヴェールが全体を覆う。

やや視界を遮られるが、見ないほどではない。

ヴェール越しに自分の手を見ると、見事に消えている。


(こう言うことだったのか。)


そして歪みが黒くなり、敵が12体姿を表す。

先ほどまで杖を持っていたタロスと全く同じ見た目だ。

しかし、手に持っているのは銃のような物。

1mほどはありそうな銃を持っていた。


「お前たちの命!ちょうだい・・・・・?」

「おい!あいつらはどこだ!!」

「見えないんだからわかるわけないでしょう!」

「なんだと!探せ!さっきまでいたはずだ!!」


彼らはキョロキョロと周りを見渡し、僕たちを探している。

このまま襲うべきか考えていたところ、頭に声が響く。


『これより戦闘を開始します。

隊長、潤、宮城さんと私はサポート。

副隊長、豹、日比菜は敵を。

ゆうは敵の錯乱をお願い。』

『『『了解。』』』


とりあえずサポートに回るようにと指示が出たので、

何かあった際に皆を守れるよう、ポケットからあらかじめ、使えそうな武器を持っておく。

しかし、その不安も一瞬で拭われるかのような光景が目の前で広がるのだった。


まず3体。

何が起きたかもわからぬまま、10秒以内に3体とも首なかった。

やはりロボットだったのか、接合部分に火花が散っているが、そのまま動かなくなってしまった。


続いて2体。

どこからともなくレーザーが照射され、真っ二つに。

照射上に2体重なっていたので、同時に撃破。


「ま、まずいぞ!!」

「くそ!!とにかく全方位に乱射しろ!!」

「くそ!?」

『おい!いたぞ!!上だ!!!』

「「「「「「「何!?」」」」」」」」


残り7体。

ある声につられ、敵全員が言われた方向へ目をむけ、

銃をそちらの方向へ向ける。


しかし、そこには何もいない。

星々が見える虚空に目を向けているだけだった。


「ふっ。さすがだな、ゆう。」


そうコメントを残したのは副隊長。

いつの間にかヴェールを取り、ここぞとばかりにカッコをつける。


左手にあるのは弓。

背中に背負っているのは矢筒。

そこから鉄の弓矢を取り出す。


「ふぅ。」


矢を弦にかけ、弓道のように姿勢を正し、弦を引く。

狙いを定め、手を離す瞬間に唱えた。


『必中』


弓矢は敵へと伸び、気付かぬうちに1体貫通。

それで終わりかと思いきや、矢の角度が急に変わり、別の敵へと向かう。

矢がひとりでに行動を繰り返し、狙った敵を全て貫通するまで止まらない。


最後の一体を貫いたことを確認すると、

腕に装着されていた腕輪型の装置を操作する。

ボタンを押すと、矢が瞬時に矢筒の中へと戻ってきたのだ。


「す、すげえ・・・」


哲は心の声が漏れていた。

声が漏れていたことを気にするまでもなく、目の前の光景に驚いていた。


そして瞬時に彼は気づく。

あの使っていた弓矢、自分で『改変』できるのではいかと。

構造が気になる。

どんなシステムを組み込み、あのような軌道を描いているのか。

筒に戻って来る際に、人に当たらず、瞬時に元の場所に戻る設計について知りたい。


自分の世界に没頭し始める。

それに気づいた副隊長は、彼に声をかける。


「おい宮城!ぼさっとするな!戦場であることを忘れるなよ!!

次は敵艦隊だ!引き締めてかかれ!」

「は、はい!!」


後ろから追い風が自分たちを押す。

総司令からの指示のようだ。

敵艦隊を撃破せよとのことらしい。

今度は自分も役に立たねばと考えながら進む。


そして敵艦隊まで近づいた時、追い風がやんだ。


『敵艦隊目の前です!!潤!レーザーいけますか!?』

『ああ!でかいのいけるぜ!』

『それを合図に、一気に攻めましょう!!』

『それでは私はみなさんに障壁を貼り直します。

気づかれる前に敵艦隊を落とします!

混乱に乗じて、暗殺開始です!!』


副隊長もヴェールを貼り直し、全員が不可視の状態で戦闘を開始する。

敵艦隊は備え付けのいくつもの砲台を動かしながら、標準を見失っていた。

その場に浮かぶだけで、何もしてこない敵など、格好の的。

潤と呼ばれた人物も、レーザーを放つまで十分な余裕があった。


潤は、胸の前にある空間を両手の手のひらで囲うように準備をする。

目を閉じ、深く集中する。


『光よ』


呟く。

徐々に胸の前、手のひらの空間、静かに光が集まる。

どこからか集まる光が小さな玉となり、徐々に光を吸収するごとに大きくなる。

その光は目を引くほどの明るさを持ち始め、徐々に拳大の大きさ、

頭の大きさへと大きくなる。


それを敵戦艦が見逃すはずもなく、

発見次第、全砲台が潤をめがけて照準を合わせる。


砲台も発射口からレーザーのようなものが集まり、発射された。

敵の方が発射までのスピードが早く、すぐさま彼を襲う。


「彼を『守りなさい』」


そう唱えたのは飛騨隊長。

彼の周りに障壁が現れる。

人が1人すっぽり入れそうな丸い障壁に守られ、彼は無傷。


さらに、その障壁はレーザーを吸収したかと思うと、

障壁の形を変え、吸収したレーザーをそのまま同じ威力でそれぞれの砲台へと照射させた。


見事全砲台に命中し、バリアがなかったのか直撃。

そのまま砲台は使い物にならず、機能を停止させた。


レーザーが直径1mほどになった頃、

哲は副隊長へ申し出る。


「副隊長。その矢、僕に『改変』させてもらえませんか。」

「何・・・?」

「思いついたことがあるんです。」

「・・・・・・・よかろう。君に任せる。」

「ありがとうございます!」

「どれくらいかかる。」

「すぐに終わらせて見せます。」

「わかった。」


哲は鉄の矢を貰い受け、まじまじと見つめる。

形状はどこでも見る矢とさほど違いはなく、素材が木ではなく鉄で黒色といった違いしかないように見える。


目を閉じ、深く集中するため、唱える。


『改変』


すると頭の中にイメージが湧く。

WEBを構成しているプログラミングのように情報が流れてくる。

そこへ、彼が思いついていた1つの要素と、発動のトリガーを追加する。

至極簡単で、いつも行っていることだ。


目をあけ、改変を終了させる。

達成感と、この後の変化を心待ちにした上で、副隊長へ返却。


「もう終わったのか?」

「はい。あとは狙って弓を引いてもらうだけです。」

「ほぅ。わかった。『潤。どうだ?』」

『もういけます!』

「よし!1番隊!レーザー発射の後、一気に攻める!!

打てええ!!!」


合図とともに、胸の前でためていた光の玉を解放する。

その集めていた光を押し出すかのように、狙いの方向へ殴り飛ばした。


その方向通りにレーザーは進み、敵の戦艦は障壁など展開せず、

レーザーに貫通される。

全体的に光っていた戦艦は、光を失い、宇宙に漂うのみになってしまった。


そこへ副隊長の一撃。

哲から受け取った矢。

それをセットし、深呼吸。

戦艦へと狙いを定め、弓を引き、指を離した。


『必中』


その言葉とともに飛んでいった矢は宇宙空間を突き進み、

狙った戦艦へと進み続ける。

いったい哲はどんな仕掛けを追加したのか。

その思いが副隊長の心に残っていた。

見る限り、いつも通りの軌道。

百発百中の自身が彼女の中には常にある。


『オーバーライド!!!!』


大きな声に驚き、声の主に目をむける。

哲が柄にもなく、大声で叫んでいた。


その叫び声がトリガーとなり、矢に変化が訪れる。

変化、と言うより増えている。

形状などは全く変わらず、2本、4本、8本・・・・・と倍倍に数が増えていっていた。


「な、なんだあれば・・・。」


増え続ける弓矢。

それは戦艦全体を鉄の雨が降り注ぐかの如く突き進む。


さらに厄介なのはこれからであった。

先ほどの戦闘同様、戦艦を貫通したところで終了せず、

さらに何度も同じ戦艦を貫通してはまた貫通し。

無数の穴を開けながら粉々になるまで矢が戦艦を襲った。


そして終わったかと思った時にはすべてがチリとなり、

跡形もなくなっていた。


「・・・・・・・・・」


1番隊全員が同じ感想であった。

しかし、違う感想をいただいていたのが2人。

隊長と哲本人であった。


(やはり宮城さんは即戦力になりますね。

少し恐ろしくもありますが・・・・。)


隊長は胸の中でのみ感想を唱えた。

大幅に防衛を優位に進めるといった感想のなかで、

彼が暴走せずにまっすぐ育ってもらいたいと考える、教育者的な感情も持ち合わせていた。


そういう本人は・・・。


(思った通りだ!やっぱ数を増やせばそれだけで殲滅できると思ったんだよな!

これはいい結果だ!矢の構造も学べたし、後で他のアイテムに付与できないか確かめよう!!)


ご満悦だ。

興奮状態である。

この手のことになると手がつけられない。

自分の世界へ入り込んでしまうのであった・・・・。




・・・・

・・・・・

・・・・・・



そしてシーンは変わり、2番隊。

先頭に立つのは奄美隊長。

タロス軍は怯んでいた。


一体何が起こっているのだ・・・・

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