談話室
防衛基地アマテラス。
中層、談話室。
「ほんまここなんでもあんな〜」
「・・・・・すごいな。」
「・・・だな。」
「とりあえずあそこ座ろうや。」
哲の小型艦で防衛基地に向かい、到着した3人。
支給されたメガネ「アイ」に基地の地図が共有されており、
談話室なるものを、事前に哲が発見したそうだ。
到着すると、そこもまた学校の教室2個分はありそうな空間で、
ソファと机がいくつもあり、まさしく何も気にすることなく雑談できそうな雰囲気であった。
さらに、ここは防衛基地。
誰に聞かれようが、これから話す内容はこの場所に滞在しているものであれば全く問題ない。
朔が瞬時に決めたテーブルに3人で腰をかける。
1つのテーブルを囲むように2人用ソファが2つ。
1人用のソファが2つ。
それぞれが向き合うように設置されていた。
「ちょっとほなわたし飲みもんとってくるわ。
2人とも何がええ?」
「炭酸」
「なんでもいい。」
「わかった。ちょっと待っとき。」
朔が飲み物をとってきてくれるようだ。
2人残された俺たちは互いに顔を見合わせて意味深な顔をする。
「あれって・・・」
「あんまり失礼なこと考えんなよ。」
「気になんだろ。あいつ何歳だ?」
「見た目は僕らと変わらなさそうだけど、ちょっと上か?」
「だよな。外見と言動があってねえぞ」
「流石に聞け「なあお前ら、聞こえてんで?」
「「!?」」
近づいてヒソヒソと話していた俺と哲が見上げると、
全く目が笑っていない朔が3つのコップを同時に持って佇んでいた。
「上からこれ2人にかけてええねんで?」
「あ、いや、すいません。」
「・・・・・・・・・悪かった。」
「はぁ。ちなみに私、15歳なんですけど。」
「え?1個下?」
「哲、お前16か?」
「ああ。今年で17歳。」
「お前俺と同い年か・・・」
「そんな気はしてたけどな」
「確かにお前は同じような感じしてたけど、朔が年下か・・・。」
「なんか文句あるんか?」
「い、いや、どっちかというと年上じゃねえかなって・・・なあ?哲。」
「ぼ、僕は何もいってない。」
「あ!て、てめえ裏切ったな!!」
朔がコップを机におき、両手をグーパーしている。
その行動に俺ら2人は気づかず、
朔は拳を俺らの頭に振り下ろす。
「いっで!」
「うぐっ・・・」
互いに脳天に一撃をくらい、両手で頭を抑えるほどの激痛が走る。
拳を入れた当の本人は、拳から煙が出ているかの如く、
口で吹き消す動作をした。
「そろそろひつこいで?自分ら。」
その言葉に押し黙る以外の選択肢はない。
この時、3人のカーストが決定した瞬間だった。
「愁、本題。」
「あ、はい。」
女王からの命令のようだ。
本題と言われて愁はなんのことか察せざるおえなかった。
緊急招集された会議の件だろうと思い、話し始める。
「えーと、それじゃあ何があったか話す。
説明うまくねえから、何かあったら聞いてくれ。」
「「わかった。」」
それからあの日佐藤総司令、金剛隊長との3人で向かう場面から説明した。
人の印象、壁画について、敵戦力、ほか諸々。
やはり2人とも理解力が優れているようで、飲み込みが早く、質問も的確だった。
自分でもわからない部分は棚上げにし、
わかる部分だけを詳細に確認しあう。
かれこれ2時間ほど、3人で話し合い、意見を交換しあった。
「なるほどね〜。今の所、あんまりわかってへんのか。」
「・・・・・・・・・・・」
「まあ、結局そうなるよな。」
情報共有は終わったが、
こういった難解な問題について深く考えるたちらしい。
考え込んでいる。
「・・・やっぱり壁画が気になる。」
「そうやな。関係あるなしに関わらず、なんかヒントありそうやね。」
「映像じゃわかんねえよ。説明むじーし。」
「そこ頑張れよ、先輩。」
「後輩みたいにゆうなよ!」
「不甲斐ないわ〜ほんま。」
「んだと!!」
全く可愛くない。
俺がそう思っても仕方がないはずである。
本当にあのテレビに出ている人気急上昇中のアイドルか?と。
元々あまり知らなかった分、なんとも言えないが、
ファンに対して言ってやりたい。
ただ、愁にとってすでに居心地がよくなっていることについては、
本人はわかっていないのだが・・・。
「そういえば、飛騨隊長からの連絡共有しておく。」
「なんや?」
「今週末、僕ら3人と他部隊の3人で合同訓練をするみたい。」
「合同訓練?」
「僕もよくわかってないけど、遅れないようにってさ。」
「何時集合なん?」
「一応夕方かららしい。詳しい時間は調整できるって。」
「うわ〜。」
「どうした?売れっ子。」
「うるさい。ちょっと時間ギリギリやな〜。」
「外せない予定があれば合わせるって言ってたから問題ないかと。」
「ちょっとまたいうわ時間。」
「わかった。詳細わかったら連絡してくれ。」
「何すんだ?」
「ちょっと撮影があるみたいやねん。あんま詳しいこと言えへんけど。」
「へ〜」
どうやら本当に忙しいらしい。
確かに今の時間も大丈夫なのかと少し心配もする。
「今日は大丈夫なのか?」
「もう終わってるから大丈夫。
日によってちゃうし、休みもあるから大丈夫やで。」
「それじゃあ何時だったら集まれる?」
「私は多分夕方の5時くらいやったらいけると思うんやけど・・・。」
「俺は合わせるわ。」
「わかった。それじゃあ一応この場所集合で。隊長に報告しとく。」
「あ!でも、遅れるかもしれんからそれも言っといて!」
「わかった。それも付け加えとく。」
「それじゃあまた土曜日だな。」
「愁。連絡ちゃんとみろよ?」
「お、おう。」
「僕も同意。連絡早く返してくれ。」
「わ、わかった。」
2人から改めて念押しされた。
今まで連絡など家族以外ととったことがないし、
家族の場合だと、連絡することもそこまでないので慣れていないのである。
ただ、それを言ってしまうと自分が惨めなようで口に出せなかった。
「それじゃ解散!」
斯くして聞きたいことや、報告ごとは終わったようで、
皆、それぞれの家に向けて、小型艦を走らせる。
(相棒、よかったじゃねえか。週末の予定ができて。)
「訓練だからな。お前も手伝えよ。」
(あんまり俺頼りにするなよ?基礎を鍛えなきゃいざって時どうしようもないぜ?)
「俺とお前でニコイチだろ。」
(まあそれまでにできること増やしておこうぜ。)
「ああ、頼んだぜ、とも。」
(あいよ。)
週末の合同訓練。
誰が相手になるのか聞かされてはいないが、
負けるのは嫌なので、真剣に練習することにする。
まだ本格的な防衛戦や、実践形式の装備を使ったことがない。
合同訓練ではそういった実践形式で訓練を行うことになるのだが、
3人はまだ知らない。
残りの学校生活を今まで通りに過ごし、
訓練に臨む。
◇ ◇ ◇
???
「どうだ?」
「順調です。」
「フッ。よろしい。いついける。」
「明確な予定はまだ立てられませんが、
そこまで先ではないかと。」
「よし、引き続き取り組め。
さて、どう踊ってくれる?地球人。」




