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侵略者防衛隊〜宇宙(そら)を見上げて、宇宙(そら)から守れ!〜  作者: ナーガ
これまでの人生。これからの人生。

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近づいたようで遠い

「願い人関連じゃねえか?」


ハムザが告げると皆が黙ってしまう。

何か核心をついたような、どこか腑に落ちるような感覚。

しかし、愁は不思議と納得がいっていなかった。

それはなぜか・・・。

壁画をよく見てみると、人を追いかけているのはロボットではなかったのだ。

人を追いかけているのもまた人。


(ロボットだったらさすがに特徴とらえて描き残すよな・・・?)


アマテラス所属の3人。

実は全員納得はいっていなかった。

そこで発言したのは佐藤総司令。


「皆。結論付けるのは時期早々ではないか?

壁画の絵をよく見てくれ。

逃げている人が願い人だと仮定しても、追いかけているのは人ではないか?」

「確かに・・・メカメカしいロボットではなさそうだな。」

「何故か腑に落ちてしまったな・・・。」

「腑に落ちるのは間違いない。目的としては考えやすい。1つの結論として残しておこう。

しかし、あらゆる可能性を考えたうえで検討すべきだろう。」

「そうだな。我々も引き続き遺跡調査を行い、結論に近づけるようデータを集める。」

「さて、他に情報共有や気になる点はないか?」


ジェイク総司令が皆へ呼びかける。

一旦情報共有することは話し終えたので、そろそろお開きにするようだ。


「それでは私、ルグ兵装局から代表して申し上げます。」


トネリコのアンナが立ち上がり、出席者に顔を向ける。


「毎度お願いしておりますが、

我々が制作している魔道具を扱える人々を常に探しています。

戦力、技術の両部門です。

今回、新しく制作に成功した魔道具”ヘクス・ロンメテルクレ”です。

今まではコンパス型の小型探査機を使用しておりましたが、

あまりにも範囲が狭く、わかりにくいので改めて制作したものになります。

魔道具の適性がある人が触ると、我々ルグ兵装局のロゴが光ります。

どのようなシチュエーションでも誰かに触ってもらってください。

ちなみに、アイデアは日本の恋愛漫画からもらいました。

まさか男女の出会いのきっかけが、ハンカチを落とすところから始まるなんて・・・。

人材を探していますので、ご協力をお願いいたします。」


そういい、トネリコからやってきた3人がハンカチを今回の出席者すべてに手渡す。

俺も受け取り、確かめてみるが、特に何も光はしない。

手触りが非常によく、高級なシルクハンカチのようだ。


ただ、色は濃いネイビーで、ロゴは白。

光ると分かりやすくしているのか、ベースは暗い色だった。


「以上、ルグ兵装局からでした。ありがとうございます。」


皆にお礼を述べ、席に座る。


「ちょっと私からいいかい?」


そういって名乗り出たのは、防衛基地ハナク、総司令のカミラだ。

どこかしら2番隊隊長の奄美隊長に似ている?

いや、やはりこちらのほうが頭抜けて迫力がある気がする・・・。


「そこの坊や。あんたさっきからただならない気配出してるけど・・・ナニモンだい?」


そういって目を向けられた目線の先にいるのはまさかの俺。


(ちょっとまて・・・どうする・・・)


「すいませんカミラさん。時間がなくてあなたには挨拶が遅れてしまいました。

彼はアマテラス防衛基地の新人。粟生屋愁君です。」


助け船を出してくれたのは佐藤総司令。

どうしようか悩んでいた時にフォローしてくれた。


「そうゆうのはいいんだ。

わたしが気になってるのはただならない雰囲気だよ。

特に気にならない気もするが・・・すこしピリピリするよ。」

「わ、悪い。ちょっとまってくれ。」


オーラを抑える気もなく、駄々洩れにしていたのがよくなかったようだ。

すこし気を張らないといけないが、目を閉じて集中する。

自分の胸、その中心にオーラをすべて吸い込むような感覚。


体から溢れていたオーラが徐々に中心に吸い込まれてゆき、

周りを圧迫するような雰囲気は次第になくなっていった。


「これでどうだ?」

「ほう。さっきの感覚、なくなったね。

なんだい?お前のオリジンか?」

「ああ、そうだ。」

「フフ。興味深いね。今度私のところに来な。特訓してやる。」

「か、カミラ!?彼にはまだ早いですよ!」


特訓という言葉を聞いて即座に反応したのは、同じくハナクのガブリエル。


「うるさいよ!少し気になってね。久々だよ。この感じは。」

「だめだ、こうなったら聞かないんだようちの総司令。」

「運が悪かったな、愁。頑張りたまえよ。」

「???????」


何故かハナクの隊員達に励まされることとなったが、よくわからない。

拒否しなかったことを深く後悔することとなるのだが、今の彼はまだ知らない・・・。


「皆!以上か!?

話が終わったようであれば、これにて解散となる!」

「「「「「「「異議なし」」」」」」」

「よし。今回の敵襲の件、何か情報があれば逐一知らせてくれ。

明日にでも攻めてくると考えて行動するようにしてくれ!」


円卓会議が終了するようだ。

ジェイク総司令が皆に注意を促し、総員帰還後、みなにつたえるようだ。


「それでは諸君!

スター、トネリコ、ベルーハ、サーペント、アマテラス、バビロン、ハナク、コキュートス!

防衛基地の名にかけて!人々の平穏を守護せよ!」


その合図とともに、会議は終了した。

それぞれが移動艦の搭乗口へと向かい、帰還するようだ。


しかし、俺だけとある人物から声をかけられる。

何かな?と振り返ると今回、防衛戦で戦っていたスター基地の星。

スターこと、エリック・カーターだった。


「ちょっといいかな?シュウ」

「え?」

「僕たちが戦う前、あいつと遭遇した際に腹を貫通させられたと聞いた。

君は今まで見たことのない生き物に殺されかけたものの、一命を取り留めた。

殺されかけた相手に挑む可能性がある今、なぜ防衛隊になろうと思ったんだい?」

「・・・・・・・・チッ。んなゆわねえよ。」


エリックに止められたものの、いつもの調子に戻ったかのように言葉を吐き捨て、

総司令、金剛隊長の背を追う。


「・・・・・・・・・・・フッ。生意気なやつだ。」


帰路に就く彼の背中を見る。

ボードルームに入ってきた時からただならぬ気配を放っていた彼。

特に気にするほどではないものだったが、やけに気になってしまっていたのだ。

一筋の希望なのか、はたまた破滅へのトリガーなのか。

おそらく周りの皆も思っていたのだろうと考えながらも記憶に深くのこる初対面だった。


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