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パスワードは「ジャスティス!」

会議室。

ご飯も食べ、皆満足な顔で椅子に座っている。

飛騨隊長は持ってくるものがあるといい、少し席を外していた。


「なあ、私ら出会ってまだ2日目やん?

出会って間もないし、あんまりまだお互いのこと知らんけど・・・

もう呼んでるけど下の名前でよんでええか?」

「え?いまさら?」

「ちゃんと確認しといたほうがええかなおもって。」

「僕はなんでもいいよ。そっちのほうが呼びやすいし。」

「お、俺も別にき、きにしねえ。」

「ほなきまりやな!哲!愁!

あんまりお互いのこと知らんし今度一緒に遊びに行かへん?」

「有名人がそんな遊び歩いていいのかよ。」

「んな気にしてたらなんも楽しないやん!」

「男二人いるしいいんじゃない?なんかあっても守れるでしょ。」

「ちょっと哲!かっこいいことゆうやん!」

「でもお前らどこ住んでんの?」

「私は出身大阪やねんけどいろいろあって今は東京に住んどる。」

「僕は生まれも育ちも北海道だね。」

「・・・・・気軽に会えなくね?」


そう話しているうちに、会議室の扉が開き飛騨隊長が何やら荷物を持って入ってくる。

そのあとに続くように、見た顔が・・・


「お!昨日ぶりだな3人とも!愁君!元気そうじゃないか!」

「う、うるせえおっさん!」

「なんだと!愁君・・・私の隊に入った後が楽しみだ・・・ニヤ」


目が笑っていない。

背中を撫でられたような悪寒がした。

そういえば生意気を聞いて殴られたことを思い出す。

だた、態度は何故か控えようとは思わなかった。

このやり取りが少し気に入っているのかもしれない。


「はい、皆さん。ここからが重要ですよ。

しっかり聞いてくださいね!」


会議室の正面に立ち、これから説明を始めようと声掛けをする飛騨隊長。

持ってきていたものに目を向けると、俺たちの人数分のアタッシュケースが用意されていた。

そして、飛騨隊長は持ってきていたアタッシュケースを皆に配るよう金剛隊長へと呼びかける。


「金剛さん。皆さんに配ってもらってもいですか?」

「わかりました。」


皆の座っていた机の上にそれぞれアタッシュケースを配る。

見た目はごく普通のアタッシュケースに見えるが、少し大きい。

さらに、鍵やナンバーロックがなく、代わりにスクリーンがついていた。


「さて、皆さんの目の前に配ったそのアタッシュケースの中身はこれから必ず身に着けていただくものになります。

肌身離さず着けていただくものもありますのでしっかり聞いてくださいね。

それでは早速、アタッシュケースのスクリーンに触れてください。」


飛騨隊長からの指示。

言われたとおりにアタッシュケース表面にあるスクリーンに触れる。

すると、スクリーンが起動したかのように作動する。

起動画面は近未来のような何故かかっこいい演出で、

演出が終わると、手のシルエットが浮かび上がる。


「この演出を作った方は防衛基地スター所属のエンジニアで、

どうもかなりゲームやSFが好きだったようです。

いろんな演出にこだわっているようで、そのうちのひとつですね。

それで、手のシルエットが出てきたかと思います。

皆さんそれぞれ上に手を置いてください。」


スクリーンに映っている手のシルエットに手を置く。

すると手をスキャンするかのように光り、収まるとアタッシュケースから、

「Authentication Completed」と音声が鳴る。

音声が鳴り、手を離すと、横向きに置いていたアタッシュケースがひとりでに開く。

開き方がかなり独特で、箱を開けるような要領で開くのかと思いきや、

アタッシュケース上部の中央に亀裂が入り、横にスライド。

左右に動いたかと思うと、今度は90度回転。

上部が縦向きになったまま開き、中身が露になる。


開いた上蓋の左側には自分の名前が表示されており、

左側にはカードが埋め込まれている。

下側は3つ、メガネケース、箱が2個。

全部で4アイテム中に入っていた。


「無事開きましたね。」

「?開かないこともあるんですか?」

「ま、まあ、初めのほうは少しひどかったこともありましたので・・・」

「これ、ふたがうまくスライドせずに途中で止まったりすることもあったんだ」

「欠陥品じゃねーか・・・」

「でもスターのエンジニアがこだわりにこだわって今の形になったんだが、まだ納得いっていないのか、いまだにいろいろ開発してるみたいだぞ。」

「でもこんなん今まで見たことないで!すごいな!」

「すべてが秘匿事項です。外部に漏れないよう、各国とも連携していますからね。

それでは早速説明に入ります。

まずメガネケースを取ってください。

開けるとメガネが入っていますので、みなさん一回かけてみてください。」


いわれて取り出したメガネは黒縁でウェリントンの形状。

どこにでもあるような普通のメガネだった。

畳んであったメガネのテンプルを開けてかける。

すると、目の前が突然真っ暗になり、文字が浮かぶ。

『音声認証「ジャスティス」と叫んでください』

黒い画面に日本語で白く書いていた。

とりあえず画面に従うしかないと思い叫ぶ。


「「「ジャスティス!!」」」


3人同じタイミングだったようで、

叫ぶと反応したのか文字が出てくる。


『ププ・・ジョークです。いい叫び声でしたよ。Good Job!!』

「「「・・・・・・・・・・」」」

「フフ・・・・・」

「ハッハッハ!!!」

『ようこそ、しっかり使いこなしてくださいね。byスター所属エンジニア』


文字が消えると、視界が開ける。

クリアに映る視界の中、右下にメッセージが表示された。

『もしメガネのデザイン変えたい場合はスター所属エンジニアまで直接来てくださいね。』

スマートグラスのような機能が搭載されているようだ。


「みなさんお気づきかと思いますが、それはメガネであって普通のメガネではありません。

防衛隊間で重要な情報共有を行うことができたり、隊員同士のメッセージのやり取りなどができます。

ほかにも機能は様々ありますが、使いこなしてください。

使い方もすべてメガネに情報が載っています。

宮城さんは普段のメガネをそちらにしてもいいかもしれませんよ。

度数の調整なども自動でレンズ側がやってくれますから。

あと、音声でAIに相談することもできますので気軽に使ってください。

ちなみに、本人以外のほかの人がかけても伊達メガネにしかなりませんのでご安心を。」

「ちょっと性能よすぎひん?」

「すげえな、これ。」

「僕手放せないかも・・・これ。」

「どんどん行きますよ。次に真ん中の箱を開けてください。」


真ん中の黒い箱を取り出し、開ける。

すると、真ん中に銀色の極小のボタン電池のようなものがある。


「そちらは極小の通信装置です。

非常に小さいので落とさないでくださいね。

一度つけると装置がなければ取れない仕組みになっていますが、半年に一度交換します。

着ける場所は耳たぶですね。

これも色を同化できますし、ファッションアイテムとしてカモフラージュさせることもできます。

みなさんつけてください。テストもしますので。」


極小の通話機をとり、箱の開けた上部が気の利いたことに、鏡になっていたので、

自分の着けたい部分に装着する。

愁と哲は耳たぶ。

朔はヘリックスに・・・。


「新田さん・・・私の話聞いていましたか?」

「え、だって耳たぶに着けたら普通のピアス開けられへんやん!」

「・・・まあいいでしょう。同じような方、意外といますので。」

「やった!ありがとう!飛騨隊長さん!」

「それでは3つ目です。箱を開けてください。」


一番右側の黒い箱を取り出し、開ける。

すると、どこかで見たことのあるものが入っていた。

そう、金剛隊長がズボンに着けていたキーチェーンに付いていた、

爪楊枝のような長細い金属の多角形の棒だった。


「これこそ、NO.1スター所属のエンジニアとNO.2トネリコ所属、

魔道具開発を行っているルグ兵装局がタッグを組み、開発した多機能装置。

これ一つでできることが多いです。

ホログラムによる変装や衣服の着替え。

通信機やメガネと接続していますので、

この装置を通して通話や画面操作を行うことができるのです。

あとは1人1機支給される小型艦の鍵となりますのでなくさないように。」

「ん?」

「え?」

「ここまで送ってきた小型艦。

あちらの小型艦は私専用機となりますが、

皆さんも同じ小型艦を自分用として持ってもらいます。」

「いいんですか!?」

「ええ。防衛隊のみな、専用の小型艦持っていますよ。

何かあった際には、いつでもそちらに乗って防衛基地まで来れるように。

通勤、と言っては何ですが小型艦がないとこれませんよ。宇宙ですから。

あと、他の防衛基地にもこの小型艦で行けます。

他の基地でも何かあったらこれで目的地まで向かってください。」

「普段の移動とかにも使っていいのでしょうか!?」

「そうですね・・・・普段使いしている人もいなくはないですが、

ばれてはいけませんよ?人のいない場所などで使用してください。

先ほどの棒、「ケイン」と呼びますが、そちらで小型艦を呼べば、自分の上空に現れるはずです。

あとは皆さんご存じのように、搭乗するだけで乗れます。

よほどのことがない限り運転の必要はありませんので問題ございません。」

「よし!」


まさかあの小型艦がもらえるなんて思わず、興奮する。

ステルス機能、車ではなく空中を移動する小型艦。

男のロマンが詰まっているではないか。

愁は内心かなりうれしいようだ。

ちらっと哲を見ると、目が輝いていた。

確かに機械系はかなり好きそうな雰囲気はしていたのでうれしいのだろう。

朔は移動手段として喜んでいる。

あの性格。ばれないか少し心配になる。


「最後に、開いた右側に埋め込まれているカードですね。

君たちの専用カードになります。

どこでも使えるよう特殊なICチップが内蔵されています。

世界の交通機関や支払いなど可能で、支払うものによってはこちらの経費精算もできるようになっています。

また、君たちの給料もそちらに登録されている口座に入るようになっていますので、

楽しみにしていてください。

地球を救うのです。

それなりに遊べる額が毎月入ってきますよ。

ただ、あまり羽目を外しすぎないように。

お金は人を変えます。

人を見る目が変わり、自分が大きくなったように感じるでしょう。

その分浪費が増え、生活が変わり、大事な人ですら失うきっかけにもなりかねません。

私は、君たちの中にいる大切な人のために考えられる人になってほしい。

お金で買う幸福はどこか空っぽなものです。

今使っているものを少しいいものに変える。

それだけで意外と幸福になれるものですよ。」


言葉に重みがあったのか、考えさせられたからなのか、

3人とも真剣に話に耳を傾けていた。

それほどまでに重要な話なのだと感じた。

お金があるからと言って油断しないようにしようと思う。

何かあればあいつにも相談していいかもしれない。


「以上です。皆さん真剣に聞いてくださりありがとうございます。

それでは『緊急連絡!緊急連絡!防衛基地スター上空より敵正反応!適正規模は「ヘクト」!敵単独です!』

『こちらスター基地。今回は我々で対処する。映像を共有するので情報収集を頼んだ。』


突然耳に装着した通信装置から声が聞こえた。

情報を伝えるオペレーターからスター基地と通信をしているようだ。

侵略者が攻めてきたらしい。

しかも単独。


「皆さん聞こえましたか?

侵略者が攻めてきた場合、このように通信装置から声がします。

召集されることもありますのでしっかり聞いていてください。

召集されない場合でも、先ほどのメガネをかけてもらえれば、

情報共有、戦闘時の状況などが実際の映像で見れます。

少しでも気づいたことがあればメッセージを飛ばしてください。

小さな情報でも命を救う場合がありますので。」

「これって訓練ですか?」

「いえ、間違いなく今現在起こっていることです。

実際に侵略者が攻めてきました。

せっかくこの場にいますので、メガネをかけてみてみましょう。

何かあれば召集の連絡などあるとおもいますが、今回の規模は「ヘクト」。

単独規模です。単独は正直かなり事例が少ない。

危ない場合もありますので、その場合は私たちも向かうことになります。

その際は名前を呼ばれますので、指示に従って動いてください。」

「「「わかりました!」」」


◇ ◇ ◇


そして視点は切り替わり、スター基地、防衛隊隊員へ。


「スター、俺たちの出番だぜ」

「ああ、たぎるな。見せつけようぜ兄弟たち。」

「私も久々に暴れるわ。相手は単独でしょ?余裕よ。」

「油断するなよダナ。死ぬことは許さんぞ。」

「わかっているわよスター。コリンがいるもの。」

「任せとけ。確実に。慎重に挑むぞ。」


アメリカ上空。

防衛基地NO.1。

スター所属の隊員たち。

彼らは数少ない精鋭。

それぞれに二つ名がつけられている。

今回立ち向かうのは、基地の名前にもなっている「スター」。

「ブライト」「ガーディアン」「セブン」の4人。

それぞれがアマテラス隊長クラスの実力を持ち、

アメコミのヒーローを彷彿とさせるものたち。

立ち向かえ!戦士たち!


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