食堂
食堂。
本当に宇宙空間なのか?と思うほどに充実した食堂だ。
場所は中層。
入ると、お昼の時間なのか賑わっていた。
学校の食堂のように、食堂のおばちゃんがせっせと料理を作っている。
「さてみなさん、ここの食堂は選び放題です。
各スクリーンに出ているメニューから選べます。
食べたいものが決まればカウンターで注文すればすぐ出てきますよ。
ちなみに、タダです。お財布の心配はありません。」
「「!?」」
「なんやて!」
「休みの日でも、ここへ食べに来る人いますよ。
私もたまに利用します。美味しいですからね。」
「これから割と何回もきていいんですか!?」
「構いません。会話の場にもなりますからね。
いつも誰かしらいると思いますよ。」
「やっったああ!」
朔がかなり嬉しそうだった。
心の底から喜んでいるのがわかる。
目が輝いていた。
俺はスクリーンを見て、どれにしようかと悩む。
色々見てみようかと思い、重ねてあったトレーを取り、近くに寄る。
スクリーンには『とんかつ、カレー、唐揚げ、ラーメン、海鮮丼、豚しゃぶサラダ、ビーガン向けメニュー』等かなり種類が多い。
厨房もかなり大きいようだが、5人のおばちゃんたちが調理をしていた。
じっとスクリーンを見つめながら悩んでいると。
「おい、後輩。・・・久しぶり。」
後ろから指でツンツンされ、振り向く。
すると3番隊の澪がそこに。
相変わらずの綺麗な白髪の女性だ。
「ひ、久しぶり・・・です。」
「・・・・・なんか変わった?」
「そ、そうか?」
「ん。・・・ちょっと丸くなった気がする。」
「あ・・・・ど、どうも。」
「・・・・・・・・魔王・・・」
「え?」
「・・・・・不言の魔王?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
何故か聞き覚えのある二つ名を言う澪。
何故知っている?と少し焦り、変な冷や汗が体から出てくる。
なんとも言えない感情に、表情が引き攣る。
どうすればいい・・・・?
「何話してんの?そこ。」
「ん。新人?」
「そ、そうです!めっちゃきれいな髪ですね!」
「フッ・・・・・ほめろ。そして讃えろ。」
「え、なんか生意気やない?この子。」
「めっ。私が先輩。年上。」
「うそやん・・・年下にしか見えへんねんけど・・・」
「敬え。」
「ハハ・・・・・・・・」
朔のコミュ力をしても対応に困るようだ。
そして哲はメニューを選んでおり、全く興味を示していない。
マイペースだなと思った。
「頑張れ後輩たち。私はご飯を食べる。」
ささっとカウンターで海鮮丼の大盛りを頼み、トレーに乗せる澪。
去り際に言葉をのこす。
「挫けるな。楽しめ。」
タッタッタっと可愛い足音が聞こえそうな足取りでかなり大盛りの海鮮丼を持っていく姿を見送る。
「な、なあ。知ってんの?あのこ。」
「まあな。3番隊の一人のはずだ。」
「そ、そうなんや。なかなか個性的やな・・・・。」
そうこうしているうちに、時間も時間なので早々にメニューから昼ごはんを選ぶ。
おばちゃんからご飯を受け取り、ヒダ隊長が座っているテーブルを見つけ、座る。
皆、選び終わっているようだ。
「さて、それじゃあ「「「いただきます!」」」」
飛騨隊長はカレー、俺は唐揚げ定食、朔はラーメン、哲は海鮮丼。
皆それぞれで選ぶものが違うようだ。
唐揚げはサクサクして味が染みており、うまい。
唐揚げ、ご飯、唐揚げ、ご飯と交互に何回もお箸が進む。
「ここでなんですが、みなさんに少し話しておきましょう。」
3人とも不思議な顔をして、飛騨隊長を見つめる。
「あ、ご飯食べながらで結構ですよ。
みなさんにお伝えしようと思うのは、世界にある防衛隊基地についてです。
名前だけでもお伝えしたほうがいいかと思いまして。」
「確か8つあるんでしたよね?」
「よくおぼえていましたね宮城さん。
昨日お伝えしましたのが防衛基地NO.6「バビロン」。
遺跡が発見された中央アフリカ共和国上空にある防衛基地ですね。
モグモグ
それではNO.1はどこにあると思いますか?粟生屋さん。」
「・・・・・・・北極?」
「・・・・・・・ハズレ!」
「チッ、溜めんなよ。期待するじゃねえか・・・。」
「正解はアメリカです。
宇宙関連の企業など、かなり力を入れて取り組んでいますからね。
一番初めに基地が完成しましたのでNO.1ということです。」
「名前とかあるんですか?」
「モグモグ・・・・ゴックン。
ありますよ。防衛基地NO.1『スター』。
ちなみにNO.2は『トネリコ』。デンマーク上空ですね。
NO.3はアルタイ山脈の中心より上空、『ベルーハ』。
NO.4はオーストラリア上空、『サーペント』。
NO.5はここ、『アマテラス』。
NO.6は先ほどの『バビロン』。
NO.7はボリビア上空、『ハナク』。
NO.8は極寒の地。南極中心より上空にある『コキュートス』。
今話しました全8の拠点から、侵略者の侵入を防ぎ、今まで守ってきました。」
「飛騨さん。基地の名前、神話っぽい名前多くないですか?」
「さすが博識ですね、宮城さん。
名前に関しては、基地創設時に基地を任された、総司令だった人間が決めてました。
日本に関しては守護神であるアマテラス。
アメリカは天を指す星。
NO.2.4.8は神話から。
NO.3は大陸中央に聳える山の名称から。
NO.6は幻の空中庭園の名称でも知られている、バビロン。
NO.7はケチュア語で空を意味するハナク。
もちろんそれぞれの所属する隊員も”オリジン”覚醒者ですよ。
そのうち会うことになると思いますよ。」
そう話しているうちに、ご飯を平らげる。
昼休憩の時間もあっという間に過ぎてしまった。
「さて、それではトレーを持って返却口に返してから、会議室に向かいますか。
午後は、みなさんが使用する防衛隊の防護服や、支給品などについてですね。
持って帰っていただく必要があるものもありますので、そちらの紹介もしていきますよ。
しっかり、午後もついてきてくださいね?




