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模擬戦

『溢れろ』


自分の内側。

オリジンに命令するかのように言葉を投げる。

それに応えるかのように、内側から体に溢れ出てくるオーラ。

出力の操作。

使い方。

あいつとの練習で学んだ。

それを今、生かすのみ。


(『さあ!いくぜい相棒!ショータイムだ!』)


この前のようなヘマはしない。

体にオーラを圧縮、溢れ出るエネルギーを自分の周りにとどめ、体全体に纏う。

いつも違い、オーラの密度が濃い。

それに相当する力が得られるのだ。


(『今のところだと、持って3分だ!そのあとは俺がぶっ倒れねえように調整してやる!』)

(りょーかい。頼んだぞ)

「俺は持って3分だ!そのあとは頼んだ!」


そう言って超人的に上昇した身体能力は、想像を遥かに超え、

全力の踏み出しであっという間にロボットの懐まで到達する。

まずは一発、避けられない胴体の部分にストレート。


「オラァ!」


胴体に見事クリティカルヒット。

壁まで飛んでいく。

だが一筋縄ではいかないようで、壁に激突する前に、

背面部分に搭載されていたジェットで難を逃れる。

やはりロボットは空にも飛べるようで、空中で体勢を立て直し、そのまま空に浮いている。


「クソッ!」

「シュウ!少し下がって!」

「!?」


脳と耳が冴えているのか、咄嗟の言葉にも反応でき、咄嗟に下がる。

すると、テツが何やら槍のようなものを持ち、飛んでいるロボットめがけて投げる。

あまり力もなさそうで、そこまで投げれるのかと不安になったものの、そんな心配はないようだ。


『オーバーライド!』


飛んでいった槍が言葉に呼応するように変形する。

訓練用の槍、金属で作られていた武器だったが、

言葉を唱えると、槍から枝分かれするように槍が伸びていく。

1本の槍の攻撃範囲を裕に超えるほどの槍が逃げ道を無くすかのようにロボットへ迫る。


しかし、ロボットも簡単にはいかないようで、

避けるのが無理だと思っていた隙間を裕にすり抜けながらテツへと向かっていく。

他の準備などしていなかったテツはその場で固まってしまった。

サクが自分の出番だと感じ取り、言葉にする。


「こっちを・・・『見ろ!!』」


全員の視線がサクに集まってしまう。

動き出したロボットは何もしないままテツに衝突。


「ぐぁ!!」


攻撃を逃れるも、衝突は避けられなかった。

テツもサクに視線を惹きつけられ、体のコントロールを失う。

咄嗟にまずいと思ったシュウは全力でロボットを蹴り飛ばそうとするも、

視線が固定されており、うまくヒットしなかった。


「チッ!まずい!・・・いつになったら戻るんだ!!!」

「んな言われてもわからんねん!!!」

「なんだとてめえ!!」

「危ないおもたしこっちに寄せて、攻撃してもらお思ってたんや!」

「ッ!あとはこっちでやるから怪我すんなよ!」


視点操作が戻った。

それと同時に一気に終わらそうとするシュウ。

思いの外時間がないので次を全力に。


(サポート頼んだぞ!)

(『あいよ!!』)


体全体にオーラを纏い、足元により濃くオーラを圧縮。

そして踏み出す。

先ほどの初めの一撃より濃密に圧縮し、そのままロボットの急接近。

ワンステップで到達し、足の力をそのまま利用して顔目掛けて振り抜く。

爆発的な力を足に圧縮しており、触れた瞬間オーラが蹴り飛ばした方向へも放たれる。

突風のように放たれたオーラは壁をすり抜け、操縦者の心をも掌握する。

オーラに当てられた操縦者は怯み、ロボットも蹴り飛ばされるまま壁に衝突。

衝撃を吸収する壁なのか、激突のダメージは全くなさそうだが、

先ほどの回避行動をしない。


「テツ!今だ!!」

「わ、わかった!!」


持っていたもう一つの槍をロボットに向かって投げる。


『オーバーライド!』


先ほどとは違い、槍が瞬く間に分裂して雨のようにロボットへ降り注ぐ。

攻撃かと思いきや、壁に当たるとモチのように壁に引っ付く。

ロボットに当たると飲み込むかのように降り注ぎ、動きを封じ込めた。

そこでアナウンスから言葉が発せられる。


『そこまで!ここで模擬戦を終了とする!

互いに学こともあっただろうが精進するように。

ロボット操作は水島だな。

彼らにフィードバックを書いて提出してやれ。

以上!お疲れ様。』


「お、終わった〜・・・・。」

「・・・・・・・・・・・」

「もう無理・・・死ぬかおもたわ・・・・」

「パチパチパチ。すごいですね3人とも。

初めての模擬戦でここまでできる人はいませんよ。

特にお二人。粟生屋さんと宮城さん。

粟生屋さんはやはり、今までの経験が生きているようですね。」

「?」

「喧嘩、強いんですよね?」

「うっせえ。」

「は!?お前ヤンキーやったんか!?」

「え、怖」

「ちげえよ!喧嘩売られたから買ってただけだっての!」

「ハハハ。あと新田さん。あまり気にしないでください。

この模擬戦では、咄嗟にどう言った判断ができるか、

自分の能力をどれだけ理解し、使いこなせているかを見るためです。

少しの時間でしたが、ある程度はわかりました。

意外と性格も出ますからね。突然の模擬戦って。

そして思い悩まないでください。

これから模索して、使い方を理解できれば化けるはずですよ。」

「そんなフォローせんでええよ隊長さん。そんな気にしてへんし。」

「気にしろよ。」

「なんやて!?」

「僕も同感だ。」

「二人して私をなんやとおもてるんや!」

「エセアイドル」

「同じく。」

「ムカッ!!ほんまにお前ら覚えとけよ!今日家帰さんからな!!!」


(フフ。いい同期を持ったものですね。

ただ、ここ最近侵略者の動向が変ですからね。

頻度も徐々に増えているのも気になります。

より一層教育を急がなければ・・・。)


3人を見守る飛騨隊長。

この先、不安要素を心に秘め、今後について考える。

時間は午後13時。

まだまだ説明することが多いいなとも思いながら3人に話す。


「これからお昼を食べて、今の防衛隊の現状や、今後について話します。

美味しいものでも食べましょうか!」

「「「はい!!」」」

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