顔合わせ
防衛隊に入る覚悟を決め、金剛隊長へ入隊を願い出たあと、
今日は遅いのでと、明日改めて詳細について話そうと言われた。
家まで送ろうかと言われたが断り、自分の足で帰る。
なんとも言えない余韻に浸りながら家まで帰る。
明日、何を話すのか今はわからないが、覚悟を決めた以上、
自分を見てくれた人の役に立つため早く布団に入り、目を瞑る。
意外にもすんなり意識が落ち、意識の中で目覚めたのは学校のグラウンド。
あいつがサッカーボールをゴールに蹴り込み、遊んでいた。
『きたな、相棒。見させてもらったぜ、お前の覚悟。』
「どう言うかなんてわかってたんだろ?」
『まあな。けど、今までのお前を知ってると大したもんだ。』)
『チッ、なんだよ、上から目線で言いやがって。』
そう言いながらあいつからパスを受け、互いにボールを送り合う。
『思いの外すんなり行ったな。』
「・・・そうだな。」
『なんだ?嬉しくねえのか?』
「・・・まだ実感ねえわ。」
『まあ、そりゃそうか。明日朝10時集合だよな?』)
「らしいな。」
『それじゃあ、今日はしっかりできること確認してやるよ。』
「ああ、頼むわ。」
『へへ、まかせろ。』
そういうとボールが突然消える。
場所は変わらずグラウンドで見るようだ。
『それじゃ、まずオーラを纏ってくれ』
「ああ。」
目を閉じ、意識を集中させる。
手を胸の前に当て、奥にある力を感じ取りながら、引っ張り出すような感覚でオーラを出す。
少しすると、胸から体全体にかけ、オーラが広がってくる。
まだイマイチなのか、所々オーラが疎でまとまりがない。
波が大きい部分と小さい部分が分かれている。
『よし、さすがだな。もう全身に纏えるようになってきたか。』
「まだまだだな。ダメなことはわかってる・・・この状態をあまりキープできねえ。」
『それだけわかってら上々だ。それじゃあ今日は俺じゃなく、こいつで戦ってもらおうか。』
いつもはあいつが模擬戦やら使い方を説明してくれるが今日は違うようだ。
何カッコつけてんのか知らないが指パッチンをして合図をする。
そういうと空?から何かが降ってきた。
それは着陸するや否や、そいつが腕で砂埃を振り払い、その姿を表す。
「お、お前・・・・・」
そこに立っていたのは見覚えのある機械味のある生物。
人間と同じように二つの足で立っていた始まりの敵。
俺を殺そうと腕を突き刺した奴。
『安心しろ相棒。ここはお前の中の俺の世界だ。
見たものをそのまま作り上げてるだけ。
練習相手にいいと思ってコツコツ頑張ったんだぜ?
ほめろ!そして讃えろ!』
「は!?黙れ!どーしろってんだ!」
『当分こういつが練習相手だ!
あの一瞬の出来事でしか見てねえがなんとなくで俺が動かす!
スペック高めだから・・・・死ぬなよ?』
「チッ・・・・てめえ、覚えてろよ・・・」
それからというもの、10戦ほど戦うも全て負け。
オーラの全身纏いなどずっと続くはずもなく、切れては纏っての繰り返し。
全身厳しい時は、部分的に纏って戦うも全て攻撃当たらず。
オーラを溢れさせて全力で戦うことは禁止されているので使わない。
またあの事故みたいな事がないように基礎から教え込まれている。
それにしても全く勝てなかった。
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
そして目覚めて翌朝。
布団から起き上がり時計を確認すると、8時30分。
まだ時間があると思いながらも準備を始めようとする。
ただ、模擬戦の記憶しっかり残ってるので少しばかりムカっとする。
「クソッ、あいつ調子乗りやがって。」
そんな愚痴を吐きながら服を着替える。
特に何も言われていないので普段着に着替え、歯を磨き、顔洗いを終わらせ、リビングへ。
「おはよ、シュウ」
「おはよ」
「おはよう」
「カエデは?」
「もう出かけたよ?映画見に行くんだって。」
「早いな。」
キッチンへご飯を探しに冷蔵庫を開ける。
卵が10個パック新しいのがあったので、目玉焼きにすることに。
ご飯も昨日の残りが炊飯器に残っていたのでご飯に乗せて食べようと考える。
我が家では朝、昼セルフサービスなので自分で用意する。
「今日、俺帰るの遅くなる。」
「あらそう?気をつけてね。ご飯はどうする?」
「また連絡する。」
「早めに教えてね。」
卵を2個用意。
小さいフライパンに油を敷き、卵を割り入れる。
白身が白くなってきたら水を入れ、蓋をして少し。
黄身も幕が張ってきたところで蓋を開け、フライ返しで目玉焼きをご飯の上に。
醤油をかけ、卵かけご飯のように混ぜたら完成。
地味に好きな組み合わせである。
食べて洗い物も終え、部屋に戻りとりあえず持ち物を整理する。
筆箱だけあればいいかと思い、リュックに入れ準備完了。
あっという間に9時40分になっていた。
「もう行くわ。」
「はーい、「行ってらっしゃい」」
玄関で靴を履き、扉を開けていつもの公園に。
そこまで時間も掛からないが少し早めに出た。
公園に着くと、誰もおらずベンチにリュックを置き、座る。
携帯を開けた時間は9時50分。少し早かったようだ。
そう思い、スマホを手に取り何しようか悩んでいたところ。
「何見てるんだ?」
「うお!?」
「ハッハッハッハ!見事に驚いたなシュウ君!」
「びっくりさせんなよ!」
「時間より少し早くきれくれたんだな!関心関心。
今日は真面目な話ばかりで退屈だろうがまあしっかり聞いておいてくれ。
君にとって嬉しいニュースもあるからな!」
「お・・おう。」
「ここにいても仕方がないので、早速小型艦に乗ってくれ!
”アマテラス”へ向かうぞ!そこで話してやる!」
そう言って隊長は小型艦へ飛び乗り、いつもの片足を乗せられる台を下ろしてくれる。
だが、ジャンプ力が能力によって上がったシュウは必要ないかのように、
足にオーラを溜めてジャンプで小型艦へと入る。
「ほ〜、やるね。」
「フンッ」
褒められて内心嬉しいようだ。
そして前回と同じ席に座り、隊長が目的地を設定する。
「シュウ君!ちゃんとベルト閉めたか?」
「んな早く忘れねえよ。」
「よし、それじゃあ行くか!」
小型艦が高度を上げて進んでいく。
窓から見える景色はいつ見ても圧巻だ。
地面から徐々に離れていく目線。
あっという間に関東全体が見渡せる位置まで上昇。
そして高度は100kmまで上昇したと思うと横移動を始め、防衛基地へと近づく。
近づくと基地のゲートが開き、そのまあ中へ入っていく。
基地の中へと小型艦が進み、停止。
するとゲートが徐々に閉じていき、完全に閉まるとアナウンスが聞こえる。
『金剛隊長専用小型艦を確認。重力制御、作動いたします。
NO.301搭乗口、接続確認。ドア、開きます。』
基地内のアナウンス(オペレーター)が各種操作を行い、ドアが開く。
「さあ、シュウ君。こっちだ。」
そのまま隊長についていく。
搭乗室に入り、あらためて外を見ると日本は遠く、地球規模で見える。
これが普通になるのかと思いながら通路を進む。
「これから会議室に向かう。
そこで色々手続きをするので今日はその説明だ。」
「わかった。」
「あ、そうだ。ちなみに言っておくが防衛隊に入ったからといって学校に行かなくて良くなるわけではないからな。
サラだって高校に通っているし、ヤマトも大学生だ。
学生の間は学校に通いながら我々の一員となってもらう。
しっかり勉強して、卒業してきてくれ。」
「そ、そうか・・・」
(てっきり学校辞めるもんかと思ってたぜ・・・)
「学生には学生でしかできない事がある。後悔のないようにな。
恋人のひとりでも作ったらどうだ?」
「ばっ!!んないらねえよ!」
「ハッハッハ!そんな反応してくれると安心だな。
どうやら少し君の威圧感もマシになっているようだし。」
「・・・・・・・・」
「大丈夫だ。ここの1〜4番隊までは”オリジン”を持った人しかいない。
わからないことあればいろんな人に聞くといい。無碍に扱う人なんていないよ。」
「・・・・・わかった。」
「訓練もあるからな!自分の力も試すといいよ。」
そう話しながら通路を進み、会議室と書いた部屋に到着する。
扉を開け、中に入ると見知らぬ顔の人たちがいた。
「おお!ハジメ!その子が例の。」
「そうです。粟生屋 愁君。3番隊に入る予定ですよ。」
「ハハ。そうか。」
金剛隊長と話した女性はこちらを向き、手を差し伸べる。
「私の名前は、奄美 花奈。ここアマテラス防衛基地所属、2番隊隊長だ。
よろしく。シュウ!」
「よ、よろしく。」
そう言って手を握り返す。
すると・・・・おもいっきり握られた。
「い・・・イデデデデデデデデ!!!」
「ハハ!甘いな!!!これくらいで根を上げてどうする!」
「ムカ・・・クソッ!なんだと・・・・!」
ゴリラのような腕力かと思うほどに力強い。
こちらも負けていられない。
オーラを手に集め、力強く返す。
「お・・・・やるねえ坊や。」
「グッ・・・・」
「そこ!ストップ。奄美さん。こんなことしてどうするんですか。」
「男なんだから腕力必要だろ?」
「あなたが強すぎるんですよ。
申し遅れました。私は飛騨 誠。1番隊隊長です。
よろしく。粟生屋さん。」
「お、お願いします・・・」
「そして彼が4番隊隊長の美豆 圭人さん。そして彼が5番隊隊長の小林 博己さんです。」
「よろしくお願いします。」
「以後よろしく。」
集まっていたメンバー全て防衛隊の隊長たちであった。
圧巻の雰囲気と強者のオーラを皆纏っており、気圧されているシュウ。
(これがここのトップたちか・・・)
そしてもう一人、紹介されていない男がいたのに気づく。
その目線に気づいたのか、金剛隊長が紹介を促す。
「飛騨さん。彼のことは・・・」
「おっと、そうでしたね。
粟生屋さん、紹介しましょう。
彼は君と同期の宮城 哲さん。
今回から防衛隊に入隊することになった一人です。」
「・・・・・・・」
そう言って紹介されたミヤギは椅子に座ってパソコンを触っていた。
自分のことを紹介されると、何事も発することなくこちらを見るなり、何もせずパソコンへと視線を戻す。
パソコンの画面を見ると、何をしているのか全くわからない。
パソコンなんて学校の授業でしか触った事がないので理解不能である。
「シュウ君。実は、あと一人同期がいるんだが・・・・・」
「ですが彼女、お手洗いみたいですよ。ですよね?奄美さん。」
「ああ、場所は教えたしわかるはずだよ。
・・・・・迷ってないよね・・?」
そうすると会議室のドアが開き、女の子が入ってくる。
「すみません!お手洗いに行っていました。」
そう言って入ってきた女の子を見たシュウは少し驚く。
ミヤギは関心がないようだが、入ったきた人物を見ると、
土曜日の朝、ニュース番組で歌っていた現在人気急上昇中の歌手。その人であった。
ついに防衛隊隊長たちとシュウが対面!
そして同時期に入るメンバーがシュウを合わせ3人。
どうなるんでしょうね・・・ワクワク




