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・・・・・・・

あれから1ヶ月が経とうとしていた6月7日の金曜日。

学校を休むことなく日々が過ぎ、寝るといつも()()()との特訓。

あの時以来、防衛隊のメンバーとは会っていない。

反省文も3ページ後半まで書き終え、提出を待つのみ。

以前は何気なく過ごしていた日々も、今は自分と向き合いながら過ごしていた。


学校の昼休み。

いつもと同じくパン、おにぎりを買い、屋上へ。

最近では能力を使いこなせるよう日常生活に少しづつ取り入れている。

人前で使うなとアイツがうるさいので人目につかない場所で練習していた。

少しづつ使い方を練習し、今では瞬間的に身体能力を上げれるほどになっている。

ただ、近寄り難いオーラを抑えることは未だしていないので、人は寄ってこない。


足にオーラを纏わせ、ジャンプ。

軽々といつものポジションへ。

もうハシゴは使わなくなった。


(よし。調整も上々。)

(『さすが。なんとか使えるようになったな。』)

(ああ。まだ出力は大きくねえがな。)

(『それだけ出来りゃ今は上等だぜ。さすがにセンスいいな相棒。』)

(まだ足んねえ。アイツら、もっとヤバかったろ?)

(『わかってる。ただ、抜けるぜ。俺を使いこなせりゃ何だってできる。

常にハングリーに・・・・だろ?』)

(・・・・・だっせ。)

(『おい!ふざけんな!』)

(ハハ。みっともねえ。)

(『んだとゴラア!』)


相変わらず昼休憩はコイツとの会話に花が咲く。

飯を食いながらだが、口を動かさない分会話がしやすい。

なんだかんだ、言ってる間に1ヶ月の付き合いだ。

一人でいる時、寝てる時、常に話かけてきやがるのでもう慣れた。

案外、心地いいと思う自分がいる。

そう思いながらも昼ごはんを食べ終わり、上空を見ながら寝転がっていると。


(・・・・なんだ?)


自分の上からキラッと光ったものが落ちてくる。

顔に向かって落ちてくるそれに気づき、日々の特訓の成果か顔を逸らして避けることに成功する。

そして、落ちてバウンドしたものを瞬時につかむ。

・・・・・既視感がある。

手に取ったそれは、アルミの板だった。

起き上がって板を眺める。


(・・・・・・・・・・・・・・)

(『・・・・・・・・・・・・・・』)


板に書いてあったそれに絶句する。


『いやん!来週の金曜日、公園に来ないと家に押しかけちゃうぞ!()()()()()より♡』


(・・・・・・・・・・・・・・)

(『・・・・・・・・・・・・・・』)

(・・・・・・・・・・・・・・)

(『・・・・・・・・・・・・・・』)

(・・・・・・・・・・・どうする?)

(『・・・・・・・・・・・拒否=人生の終わりだな・・・』)

(・・・・・・・・頼むから忘れんなよ・・・)

(『・・・・お前もな』)


と言いつつ、とりあえず一旦忘れることにした。

午後の授業に支障が出る気がしたのだ。


そうして学校が終わり、いつも通りに帰宅。

ごはんを終え、お風呂に入る前の洗面台。

自分の少し長い髪の毛を触りながら考える。


(どうすっかな・・・・・・・・)

(『まあ、いいんじゃねえの?』)

(ったくよ。てめえは髪そもその短えじゃねえか。)

(『スッキリするぜ、絶対。気持ちも切り替わるぞ』)

(・・・んなことわかってんだよ。)


いい機会だとは思う。

これからの自分を変えるために外側も変えないとな。

そう思いながらスマホで美容院を検索。

なるべくオーラを極限まで抑えるよう少し訓練もした。

準備満タンとはいかないが、極力話さず、オーラを抑え、要望を伝える。

そう思いながら予約が完了。

明日11時からだそうだ。

家から近いところなので余裕を持って公園で練習をしてから向かおう。

そう考えてお風呂に入り、寝る準備を終わらせ、ベットの上で目を閉じる。


・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・


シュウの意識の中。

いつもの訓練の後・


『明日、大丈夫か?』

「今だって練習してただろ?とりあえずやるしかねえよ」

『なんとか相手にサブイボが立つくらいにまで抑えることができたが、1時間、続くか?』

「やるしかねえ。実践、まだあんまりやってねえだろ?」

『・・・・・学校でやりゃいいのによ。』

「ふざけんな。あんな連中俺にはいらねえ。」

『恋愛漫画でも高校生が舞台なの結構多いだろ?モテたくねえのかよ』

「・・・・・・・・・・」

『まあ俺もお前だからわかっちゃいるが・・・・・・そりゃ避けられたくねえよな・・・』

「チッ・・・・わかってんだったらゆうなよ」

『徐々に抑えられるよう練習しようぜ。』

「ああ。」

『ただ、学校は絶好の練習スポットだ。お前だってわかってんだろ?

俺らオーラの反応がハッキリ感じられる奴らだぜ?

避けられる前に、避けられる原因をとりあえずなくせよ。』

「・・・・・・・・はぁ。ったくよ。どうなっても知らねえぞ」

『どーにもなんねえよ。任せとけ!

・・・・・・あの女の子、チャンスあるかも知れねえしな・・・・ボソ』

「は?お前今なんか言ったか?」

『なんでもねえよ!早く起きるぞ!もう朝だぜ。』


・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・


ぱっちり目がさめる。

時刻は8時30分。

思いの外特訓に集中していたようだ。

日差しが部屋の中を照らし、鳥の鳴き声が聞こえると優雅な週末が始まったと実感する。


起き上がり、洗面台へ。

今日は散髪の日。

この髪型も最後かと思うと少し名残惜しい。

そう思いながら顔を洗い、歯磨きをする。

いつも通りテレビを見ながら朝食を食べる。


朝、ニュース番組の最中、最近有名な歌手が登場している。

この後歌うらしいがあまり興味がないので、スマホで髪型を調べながらパンを食べる。


(せっかくならかっこいいのがいいよな。)


『ショートカット メンズ カッコいい』

安直な検索ワードを打ち込み、調べる。

画像検索で各画像をスクロールしながら悩む。

AIで自分の自撮りをして似合う髪型とか調べてもいいかも知れないが、

自撮りが嫌なのと、機械に勝手に決められるのが嫌なのだ。


テレビでは歌手が歌い始め、BGMとして聴きながら調べる。

フルで歌うようで、チラッとテレビを見ると、

自分とそう変わらなさそうな見た目の女の子が歌っている。

綺麗な衣装を見に纏い、人を惹きつける魅力がある。

視線を携帯へ戻し、髪型を見ていると。


()()()()()()!』


テレビから声がすると、自然と視線がテレビの方に向く。

ラストスパートのようだ。

この盛り上がり、なかなかに演出と歌声、演奏がマッチして引き寄せられる。

曲が終わるとテレビのスタジオから大歓声。

あまり興味なかったが、人気の理由がわかる気がする。


そんなことを思いながら出かける準備のために、片付けと着替えを終わらせて玄関へ。

靴を履き、忘れ物がないか確認した後。


「行ってくる。」

「行ってらっしゃい!」


玄関を開けて、心臓の鼓動が早くなるのを感じながらも、外へ足を踏み出した。

こんちゃん=3番隊隊長 金銅 元

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