商店街へ
電車に乗り、行きつけのゲームセンターに向かう。
電車から降り、改札口を通過。
学校での苛立ちを抱えながら歩き進める。
商店街のエリアに入ると、そこは改装などもされておらず、昭和当時のまま。
雰囲気に味があり、気に入ってここには定期的にくる。
お察しの通り治安は良くない。
たまに強盗事件も起きたりするし、なんせガラの悪い連中がウロウロしている。
世間のハズレものの集まりだ。
俺もハズレものが故にここに来てしまう。
ここにいれば、周りは皆俺と同じような奴らだと思い、安心するのだろう。
もちろん家族には言っていない。
心配はされたくないし、家族に当たるわけにもいかない。
発散する時はここがちょうどいいのだ。
歩き進めること数分。
目的のゲームセンターへと到着。
いつも限度額は500円と決めている。
以前、夢中になりすぎてお金を全て使い切り、
感情の行き場をなくして喧嘩ばかりしていたので自分で決めた。
いつも遊ぶのはレーシングゲームか格闘ゲーム。
色々やってみたが、これが一番自分にとって集中できるし他のことを忘れられる。
早速中に入りいつものゲーム台を確認。
空いている。
今日は格闘ゲームだなと思い、席の前に荷物を置き、椅子に座る。
ボタンをポチポチ、レバーの動きを確認した後、早速100円を入れる。
すぐにゲームが始まる。
メニューから対戦を選びキャラクター選択に入る。
(よし。この時間が来た。今日はこいつだな。)
キャラクターを選び、バトルを開始。
慣れた手つきでどんどん倒していく。
ラウンドを取られる敵もいたが、最終的には全部勝利。
よしと思いながらゲームに集中する。
1プレイが終わり、あったまってきたと思うと全国対戦へ。
かなり集中しないと負けるような敵ばかりなので気合いをいれる。
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
かれこれ2時間ほどプレイし、500円が尽きた。
負けた時は、その時のプレイを思い返しながら目を閉じて自分の世界に入るので、
自ずと滞在時間が伸びてしまう。
関係のないことに集中できたおかげか、かなりスッキリして気分がいい。
荷物を持って立ち上がり、その場を後にしようと歩き出す。
外に出て空を見上げると、外は暗くお腹も減ってきた。
外が暗くなってくるとこの場所の雰囲気も一気に変わる。
関わっても碌なことがさなそうな連中が外を歩いている。
(気も晴れたし、とりあえず帰るか。)
駅の方面へと歩き出す。
数分歩いた先で・・・・
「ちょ、ちょっと!なんですか!」
「こんなとこを女子高生が歩いてちゃ危ないよ?俺が守ってあげるって!」
「い、いや・・いいです。」
「え!?いいの!?やった!じゃあこっちきてよ!」
「ち、違います!やめてください!」
「チッ。つべこべ言わず早く着いてこいよ!」
見覚えのある制服を着た女子高生がチャラチャラした男に絡まれている。
突然腕を掴まれてどこかへ連れて行こうとする気だ。
みてしまったものは仕方がない。
(チッ。気分いい時に変なもん見せんなよ。)
絡まれている女子高生の元へ向かい、男の腕を掴む。
「なんだてめえ!」
腕を掴まれた男が腕を掴まれたことに反応し、振り向きながら怒鳴る。
俺はそんな男の目を何も言わずに睨みつけた。
「グッ・・・・ま、まさか・・・・お前・・・」
圧をかけながらずっと睨め返す。
「・・・ク・・・クソッ・・・ゆ、許してくれ・・・」
そういった後、腕を掴んでいた手を離し、男を解放する。
男はその瞬間にその場から走って立ち去った。
シュウは男がさっていったのを最後まで見続け、視線から消えると女の子へ目を写す。
大事ないか確認した後、何も言わずその場から立ち去る。
何事もなかったかのように駅の方面へと歩き進める。
何事もなかったかのように・・・・?
(ちょっと待て。あれって同じクラスの皐月っていう女子じゃなかったか・・・?
ま、まあいい、とりあえず何事もなかったようにしよう。関わっても避けられるだけだしな。)
そう思いながら駅へ歩き進める。
が、少し離れた所からあとをつけてくる雰囲気がある。
ちょっと今まで体験したことがないことすぎるので、気づかないふりをしながら歩き続ける。
駅へ到着、改札口を通り、駅のホームで待つ。
当然彼女も少し離れた場所にいる。
とりあえず意識を逸らそうとイヤホンをつけ、音楽を流す。
電車が到着し、乗り込む。
この電車は夜あまり人が乗っていないので座席に座れる。
空いていた座席の一番端に座り、携帯を片手に最寄り駅まで乗る。
これまた当然彼女も乗っていた。
彼女は座らずにドアの前で立って乗っている。
しかも途中、着く駅で降りようともしない。
(どーゆうことだ?)
しばらくすると目的地の最寄りえきへ到着。
立ち上がり、降りる。
なんと彼女も降りる。
改札口へ向かい、改札口を通り過ぎると彼女も改札口を通り過ぎる。
(・・・・・・・・ドキドキ・・)
ちょっとよくわからないドキドキ感が体を駆け巡る。
もう怖いものなど大抵は大丈夫と思っていたが、この子の行動は全く読めない。
どうしていいか分からず、とりあえず歩き進める。
すると途中で。
「あ!あの!!」
呼ばれた。
自分だとなんとなくわかっていたので振り返る。
そこにはこっちを見るなり目が合うと俯くカナタの姿が。
「さ、さっきは・・・ありがとう。う、嬉しかった。」
「・・・・・・・・・」
???
どう反応すればいいか分からずかたまり、黙る。
「今回も、助けてくれて・・・」
「・・・・・・?」
「やっぱり粟生屋くんはそんなに悪い人じゃないと思う!
ちょ、ちょっと近寄り難いし、怖いけど・・・・・」
「うっ・・・・・・」
痛いところを突かれる。
なりたくてそんな雰囲気を撒き散らしているわけではない。
ただ、同級生の真剣な顔で女の子にそんなことを言われるとどうしていいか分からなくなる。
「ご、ごめん!つけるようなことして!
どういったらいいかわかんなかったんだ・・・。
で、でも、ありがと!何か困ったことがあったら言ってね!それじゃ!!」
それだけいって立ち去る。
多分駅の方へ向かったのだろう。
夜遅くに大丈夫かと少し心配になり、駅まで大丈夫か少しあとをつけ見守る。
無事改札口に入ったことを確認すると、家に向かって歩き出す。
(な、なんだったんだ・・・・ドキドキ)
(『ハッ!相棒!お前モテてんじゃねえか!』)
(うるせえ!いきなり喋りかけてくんな!)
(『ここで喋らずしていつ喋るってんだ!誰もいねえし絶好のタイミングだろ!?
ちょっとお前の口から聞かせろよ!』)
(黙れ!お前がいうとろくなことになんねえ気がする。)
(『連れねえこと言うなよ相棒!ちょっとだけ!な!ちょっとだけ!』)
帰り道、脳内が少しうるさかったのはご愛嬌と言うことで。
家に帰り、気分も晴れたところで寝る準備を終え、ベッドに入り、
いつものあいつとの訓練をする。
翌日学校に行くと、彼女もすでに教室におり、目が合うとお互い目を逸らしてしまう。
そんな日々が続き、週末。
土曜日へと駒を進めた。




