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ドキッ!

家に到着し、寝る準備を終え、部屋に入る。

反省文用の原稿用紙をテーブルの上に置き、今日はいいかと思いながら早速布団に潜る。

今日の出来事を思い出しながら、眠りに入った。


・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・


『おい。この時間がまだ残ってるぜ。』

「・・・・・・」

『なんだよ、その顔は。』

「・・・・・・・・・』

『ちょっ!!悪かたって!殴ろうとすんなよ!』

「チッ。どーだかな」


あいつの姿が見えたと思うと、一発衝動的に拳を振りかぶろうとした。

謝ってきたので、これからの態度次第で気を改めてやると思いながら会話を続ける。


『とりあえず全力を経験しとかねえとオーラの出しかたもわからねえだろ?

今の所の限界だって見えたんだ、いいじゃねえか。』

「俺は出しかたなんてわかってねえぞ。」

『要は感覚だって。こんな感じで出てきたな〜とか意識してやればできるはずだ!

それでできなきゃどーしようもねえな。

お前は俺に負けたままで終わりだ。

ざーこざーこ!!!』

「ムカッ・・・・」


薄っぺらい煽りをするやつ。

それに乗ってしまい切れるシュウ。

この前の感覚を思い出しながら、体の中心から溢れるものを引っ張り出す。

怒りとあいつへ一発入れないと気が済まない勢いにまかせ、その場の感覚が功を奏した。

体からオーラが漏れ出した。

あいつの顔しかみていないので気づかなかったが、即座に殴りかかる。

一発思いっきり右拳を握り込み、力を込め、振りかぶる。

その際に、無意識ながらオーラが右手に集まり、拳を纏う。


『ハッ、んなへなちょこパンチ、効くわkドギャッ・・ブホッ!!』


これでもかと言うほどに、綺麗に左頬へ決まる。

今まではその場で後ろに倒れるか、のけ反るかだったが、

今回のパンチは違った。

2メートルほどあいつが飛んでいったのだ。


「え?」

(ズザァー!)

『いっっっって!!!なんだよ!できてんじゃねえか!!』

「ほぉ、なるほどな。」


自分の拳を見つめながら、さっきの感覚を忘れないよう考える。

あいつが立ち上がり、こちらに戻ってくる。


『そうゆう感覚だ。忘れんなよ?

あとは応用で色々できるがまずは体全体に纏うところからだな。

それができりゃ、普通の状態より体の基礎値が上がったと思え。

纏った状態だと人より早く走れるし、筋力も上がる。

目に集中すりゃ遠くも見えるようになる。

便利すぎて周り嫉妬するぜ?

俺もいるからな!!』

「最後のは余計だな。」

『なんだとてめえ!俺拗ねるぞ!』

「フフ、、あはははははは!」


久しぶりに大声で笑う。

その姿にあいつが少し驚いていた。


「お前といると、飽きなさそうだな。」

『ハッ、明日からもっとしごいてやるから覚悟しろ、相棒。』


・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・


翌朝。

いつもより清々しい。

早く能力に慣れたくて仕方がなくなっている。

颯爽とリビングへ向かい、歯磨き、顔洗いを済ませ、リビングへ戻る。


「あらシュウ。今日元気そうね?」

「まあな。」

「なんかいいことでもあったの?」

「いや、なんでもねえよ母さん」

「!?兄貴!まさか女!?」

「ちげえよばか!何言ってんだ!」

「な〜んだ、つまんない。」

「俺にできるわけねえだろ。」

「シュウ。できないと思えばそれ以降前に進むことができなくなるぞ。

どんなことに関しても、とりあえずやってみればいいさ。

俺は母さんに一目惚れして掻っ攫ってしまったからな!」

「え!そうなの!?そういえばそんな話聞いたことなかった!」

「マサ!変なこと言わないでよ。」

「え!いいじゃないか!ちょっとドキドキしてきたぞ?」

「あ!もう時間だ!私いってくるね先!」

「「いってらっしゃい!」」

「兄貴、女だったら私に言ってね、面白いから。」

「そん時が来たらな。」


そう言ってカエデが学校へ向かい、家を出ていく。

俺もそれの後に続くように準備を終え、玄関を出て学校へ向かう。


学校に到着し、いつも通りに授業を聞き流し、

昨日のあいつとの修練を思い出す。

言葉に出さなくてもできることを知った俺は授業中も休み時間も関係なく、

慣れるよう少しずつ練習をしていた。

教室内にいる皆、シュウが少しオーラを体から外に出すたびに、

原因不明の悪寒が毎回していたのだが、本人は知らない。


6限目までの授業が終わり、机の上を片している最中。

不思議なことに、こちらへ近寄ってくる人の気配がした。

気のせいだろうと顔も上げず机の上、机の中を綺麗にしていると。


「・・・・あ、あの!・・あ・粟生屋君!す、少し、聞きたいことがあるんだけど・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・」


動きが止まる。

学校にん入学して以来、話しかけてくるやつなんていなかった。

唯一、入学早々俺の悪名を広げやがったやつならいたが、

それ以降、誰一人として話しかけてくれやつなどいなかったのだ。

しかもそれが学校内でもモテると言われている、

長い髪の毛をいつも団子にしている皐月 佳那多(さつき かなた)だった。

突然の女子からの声掛けに不覚にもドキッとしてしまい、

読んでいる恋愛系の漫画を少し想像してしまう。


(やべえ。なんだ?なんかしたか・・・?(ドキドキ))


顔には出さぬよう、相手の顔を見ずに黙々と帰る準備を進める。


「こ、この前の女の子・・・・って、知り合い・・?」


聞かれた内容にドキッとする。

一番触れてほしくない内容だ。

防衛隊のことは一切喋ることができない。

彼女との関係は何も言うことができないのだ。

せっかくのチャンスだったのに触れてほしくない話題だったので落胆。

ドキドキが嘘のようになくなり、いつもの俺が表に出る。


「チッ・・・・・」


何もいえない自分に腹が立ち、つい舌打ちが出る。

舌打ちと同時にカバンを持って立ち上がり、彼女とのすれ違いざまに


「ただの知り合いだ・・・」


言葉を言い残し、その場を後にする。

教室から出ていつもの帰宅コースへ帰ろうと思ったが、

今日はそんな気分にもなれず、不甲斐ないやるせなさから家とは逆方向の電車に乗り、

行きつけのゲームセンターへと向かう。


◇ ◇ ◇


シュウが去った後・・・


「ちょっとカナ!いきなりどうしたの!?

あんなよくわかんない怖いやつに話しかけたりして!」

「い、いや・・ちょっと気になっちゃって・・」

「色々噂たってるじゃん!この前学校来てなかった時だって、悪いことしてたんじゃないかって噂だよ?」


そう言ってカナタへ話しかけるのは、同級生の里見 玲(さとみ れい)

この学校は思いの外、男女含めて綺麗な顔立ちをしている人が多く、レイはスポーツマンっぽく、ショートカットの女の子である。


「皐月さん!大丈夫?」

「別に何もされてないから大丈夫だよ!」

「そ、そうか・・・よかった。」


少し心配事を口にするのは一ノ瀬 湊(いちのせ みなと)

学校内でも誰とでも分け隔てなく話すヤサメンであった。

が、しかしシュウには近寄りがたい雰囲気があり、一度も喋ったことがなかったのだ。

カナタの麗しさに少し目を惹かれていることは、本人は気付かないふりをしてる。


「でも、なんだかいつもと雰囲気が違ったような気がして・・・」

「ほんと?裏では女の子のこといじめてるんだよきっと!」

「そうかな・・・・」

「気にしないで!僕が少し聞いてみるよ!」

「い、いや大丈夫!自分で聞くから!ありがとう一ノ瀬君!」

「そ、そう?・・・な、なら大丈夫かな・・・!」

「え!?カナタまた近寄るの!?・・・・わかった!私も横にいてあげるからその時言ってね!」

「う、うん!わかった!ありがとう!」


シュウのいない教室でザワザワとそんな会話が繰り広げられる。

当事者のカナタと周りの二人が話していたが、

同じ教室の周りも今回の件についてわちゃわちゃ話しているようだった。

その時にはもう、シュウは電車に乗っていたので全く知らない。

ドキドキ・・・

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