そんなに経たないうちに
授業が終わり、昼休み。
いつも通り売店で昼を調達し終えたところで屋上へ。
誰もおらず、唯一の癒しの場所に帰ってきたと実感する。
しかも顔を撫でる空気は涼しく心地いい。
目を閉じ、リラックスする。
ささっとご飯を食べ終わり、寝転がる。
硬いコンクリートの地面だが両腕を組み、枕がわりにする。
涼しい風を感じながら、空を見上げながら和む。
(涼しい・・・)
今日、あいつはお留守のようだ。
うるせえ奴が減ったと思うと、今日はゆっくりできそうだと思う。
目を開き、太陽を直視しないよう別の方向の空を眺めていると、
「・・・・いっった。なんだ?」
空から四角いアルミの板のようなものが落ちてきて、頭に当たる。
どうやってこんなとこまで投げたんだ?と逆に投げたやつを褒めたくなるが、
そんなことしたこともないので、その気持ちを引っ込める。
逆に俺目掛けて投げたのか?と思い始めると腹が立ってくる。
(フッ。いい度胸じゃねえか・・・!)
探して歩けねえようにしてやる、とそんなことする気もないのに考える。
幸いなことに、今いる場所は学校で一番高い場所にいるので、上から下を見下ろし、犯人を探す。
周りを見ると、グラウンドで遊んでいるやつ、ベンチで喋りながらご飯を食べるやつ、
何を理由にかわからんがじゃんけんをしているやつなど見かけるも、投げたようなやつはいなかった。
グラウンドで運動をしている奴もいるが、割と距離があるし、
有名メジャーリーガでも届かんだろと思う距離にいる。
探すのを諦めて、スマホほどの大きさのアルミの板に目を向けると文字が書いてあった。
『優雅じゃないか!!放課後、公園で待つ。未来の隊長より』
すぐ確信した。
あいつだと。
(俺の顔に当てるなんてな・・・いいじゃねえか。行ってやる。)
ちょうどチャイムがなり、昼休みの終わりを告げる。
残り2限を終えるのを心待ちにしながら、どうしてやろうと頭の中で考えながら授業に参加する。
◇ ◇ ◇
小型艦底に四角い扉があり、そこを開けてメッセージプレートを落とした。
まっすぐ落ちていく姿を見守りながら、頭に激突するのを確認する。
「ナイスショット!私の腕もまだまだ訛っていないな。」
無事、彼にメッセージカードを届けられたことを確認して安堵する。
(無事来るといいが・・・)
少し不安を抱えながらその場を後にする。
隊長はこう見えても多忙なのだ。
日本が誇る宇宙からの防衛戦。
3番隊の隊長、日本や地球を陰ながら守っている精鋭隊の一人。
国の上層部とのつながりは愚か、世界各国の重役との繋がりもある。
その中、シュウに何かと構っているのは彼の優しさから来るものだけではない。
そこには今後の彼の成長、期待も感じており、
あの突っぱねた態度だけが彼の本質ではないと感じているからなのだ。
それについては、当の本人と彼をよく知る人間、そして君たち。
さあ、これからどうなることやら。
金剛隊長も思うところである。
◇ ◇ ◇
そして6限目のチャイムがなり、ついにこの時間が来た。
(やっとかよ。ついに来たぜ。)
心なしかワクワクしているのが感じる。
その感情がどこから来るのか、本人はわかっていない。
机の上を片付け、教科書、ノートを仕舞い即座に教室から出ていく。
その足取りはいつもより軽く、軽快に駅へと進み電車を待つ。
今日は運が良く、電車がいつもよりもいいタイミングできた。
すぐ乗り込み、最寄り駅まで。
電車の中で考えることは、やっぱりどうすればあいつに勝てるか、その1つだけであった。
何度もシミュレーションを行い、たどり着いたのは不意打ち。
やはり虚を突くことこそ一番の戦法である。
先手必勝というやつだ。
ずるいなんてことはない。
今までの喧嘩なんて正々堂々するやつなんかいなかった。
俺の姿を見つけ次第突っ掛かり、複数人で囲まれることなんてしょっちゅうあった。
やはりあのような輩は怖いもの知らずで、誰ふりかまわず突っ込んでいくのだろう。
初めはボコされたものの、途中から負け知らずになった。
その時を思い出し、戦略を練る。
そう考えていると電車が到着。
改札口から出て家の方面へ向かう。
そうして途中、別の方向へ向かい公園へ。
足取りが早かったのか、いつもより早く歩くことができ、公園に到着する。
中に入り、あいつを探す。
周りを見ても見当たらない。
ベンチに座っているのかと見るがいなかった。
「チッ。なんだよ。いねえじゃねか。」
落胆したその時。
「(ゴスッ!)油断体的。」
「いっって!」
後ろから不意に思いチョップを脳天から喰らう。
頭に手を被せ、後ろを振り向くとあいつがいた。
「シュウ君、2日ぶりだな。元気だったか?」
「クソッ。」
「はっはっは。その感じは元気そうだな。思いの外早い再会だ。
期待していたわけではないが、嬉しいよ。」
「おれは嬉しくねえな。」
「甘いぞ!早速後ろを取られるなんて武士の恥だ!」
「知らねえよ。武士じゃねえし。」
「まあいい、早速だが聞きたいことがあったんだ。
ここで話すのもなんだ。小型艦に乗ってくれ。」
そういうと隊長のすぐ上に小型艦がやってくる。
もっとも、ステルス機能はONのままなので見えはしないが。
「さあ、乗ってくれ。」
隊長が周りを見渡してから小型艦底のドアを開ける。
開けると片足乗せられそうな台が即座に降りてきて、そこに足を乗せ、一緒に降りてきた棒に捕まる。
すると館内に上がっていき、中に入ることができた。
シュウが上がったことを確認すると隊長はジャンプして扉から入る。
(マジかよ。この高さジャンプでいけんのか。)
地面に近いたと言っても約2、5メートル〜3メートルはある高さだ。
何事もなかったかのように入り、扉を閉める。
「ん?どうした?」
「い、いや、なんでも。」
「ニヤリ・・・」
「なんだよ、気持ち悪い。」
「いや、なんでもないよ。私には余裕だがな。」
「腹たつないちいち。」
「ハハハ。いずれ出来るようになる。
まあ、話は置いておいて、聞きたかったことがある。
椅子に座ってこれを見てくれ。」
椅子に座り、少し待つと、空中に地球が出てくる。
出てきたと思うと、ズームしていき、日本列島が大きく出てくる。
さらに拡大し、ここ、神奈川県が映し出される。
複数の地点から棒が伸び、それぞれ画像が映し出される。
その画像は・・・事故現場だった。
「単刀直入に聞く。シュウ君。何があった。」




