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オリジン、解放

玄関を開けて、今日の1日が終了する。


・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・


などとなることはなく・・・

ベットに入り、目を閉じ、意識がなくなったあと。

昨日と同じく、意識の世界にて目覚める。


今回は体育館ではなく、公園。

始まりの公園。

まだ数日しか経っていないが、事件きっかけで人生が一変したこの場所。

昨日と昼頃に聞いた声で話しかけられる。


『おいおい!お楽しみみたいだったじゃねえの!』

「?なんだ?お前そんな見た目だったか?」

『なんだかんだシルエットだけじゃつまんねえだろ?

ちゃんと俺という人物を形にしたのさ。俺のイメージ通りだな。

かっこいいだろ?』


そういう彼は、この前現れたシルエット姿ではなく、紛れもなく人だった。

身長は俺と同じくらいの177cm。体格がよく、誰から見ても出来上がった細マッチョで、髪型は坊主で横を0ミリに刈り上げている坊主フェードというやつだ。

顔がキリッとしており、かなり似合っている。

しかもドヤ顔で示すあたり、少しムカつく。


『それはそうとまじ笑ったぜお前の頑固さには!』

「うるせえ、ほっとけ。」

『目的地逆だってのに頑なに別のホームで待ってんだからよ!

電車着いて乗って鎌倉行って、結果的にはよかったかもしれんがありゃ笑い話だな!』

「全部見てたのかよ。」

『見てたっていうか、俺はお前の一部だぜ?

思ってることとかも全部筒抜けだっての。』

「プライバシーとかねえのかよ。」

『お前が忘れてることとかも全部知ってるぜ。

昔可愛い子がいて、誰も近寄ってこねえからお前からずっとガン見してたこととかよお!』

「クッ・・・うるせえ!ぶっ飛ばすぞ!」

『ただ今日のサラって子は、ありゃ恋愛どうこうとかじゃねえな。

完全にお前を心配して手助けしてえって感じだな。』

「まあ、そんな感じはしたな」

『全部知られてたみてえだからな、初めに。

まあ、お前の能力たる俺を使いこなして、誰にも負けねえよになってくれよ?』

「ああ。負けてばっかじゃあ終われねえな」

『そうとくりゃ早速始めるか!ま、体で覚えろってな。』


あいつがそういうといきなり殴りかかってくる。

咄嗟に避けるも、早すぎて対処しきれない。

2撃目が横腹に命中し吹き飛ぶ。


『ステップその1。お前の能力たるオーラを体に纏え。

鎧にもなるし、何せ頑丈になる。

殴ったとしても拳に膜が張ったようになる。

なんせ拳が痛くねし硬えもんでも殴れるようになる。

まずは使いこなせよ。』

「・・・・クッソ。まずその出し方なんて知らねえよ。」

『おっと、そうだったな。どうしたもんか・・・まあいいか。

自分の内側から力が溢れ出るようなイメージを意識して、こう唱えろ。

『溢れろ』ってな。』

「おい、まあいいかってなんだ。不安なこと口にすんなよ。」

『まあなんとかなるって。気にすんな!はよやれ!』

「クソッ。どーなっても知らねえぞ」


そう言われてから目を閉じ、右手を胸の位置へ持ってくる。

なんとなく深呼吸をしてから、自分の内側へと意識を持っていき、先ほどの言葉を唱える。


「『溢れろ』」


突然体が呼応したかのように内側から意味不明なエネルギーが溢れる。

胸の位置から発生したそれはすぐに体全体に広がり、一気に体の外に溢れ出てくる。

オーラの色は灰色。少し不気味な色だが、

今いる空間全てを包み込むほどに大きくなる。


「グッ・・・・・」


体から力が吸い取られている気分になる。

溢れる力が止まらない。

とめどなく溢れてくる。


「・・・・やべえ・・・・・どうやって止めんだ・・・・」

『自分の周りに止めることを意識しろ!出しすぎるとぶっ倒れるぞ!!』

「・・・・・・・そ、そんなこと・・・・今更・・ゆうなよ・・」


体のどこにもそんな力は残っていない。

意識が薄れる。

そして、制御しきれず意識を手放してしまった。


『ったく。手間かけさせやがって・・・。

俺の体も維持しきれないようになっちまったじゃねえか・・・。

ま、これも経験だな。』


またあの薄いシルエットになってしまったあいつ。

やっぱり手がかかりそうだと再認識しながら、

誰も聞いていない意識の中で言葉を送る。

ちょっと外が大変かもなと思いながら・・・


◇ ◇ ◇


神奈川県。主人公を中心にオーラが溢れる。

その波動は一気に広がり、住民に悪寒を与えた。


(神奈川県のとある歩道)


「ヒィ!・・・な・・・・な・なんだ・・・一歩も動けない・・・・」

「い・・・いやぁ・・・・なにこれ・・・・・」


歩道を歩いていた男性、別の位置で歩いていた女性が突如動きを止める。

どこからかの波動に勝手に体が反応する。

方角は、本能で勝手に感知してしまう。

おそらくあっちの方だと・・・

理由がわからないからこそ、同時に恐怖してしまう。


(とある大道路)


「うぁ・・・・・や・・・やばい・・・」


トラックを運転していた男性。

急に体がこわばり、体に力が入らなくなる。

ハンドルの操作もできなくなり、ガードレールへ衝突。

他の車も同様に追突事故が起きる。

その範囲、およそ100km。

とめどなく広がったオーラ2秒で100kmに到達。


その間、範囲内にいた地球上の生物すべてが感じてしまう。

そのオーラに触れ、動きが鈍くなる。

一部、そのオーラに影響を受けなかった人物たちもいるが、シュウはそれを知らない。

シュウが意識を失ったタイミングでオーラが霧散し、解放される。


原因が不明であるがゆえに、ニュースになるも、原因などの説明はなく、状況の説明のみであった・・・。


原因を知る人物は、一人。シュウの中にいる、オリジン、そのものだけである。

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