久々の我が家
家に入り靴を脱ぐ。
4日前まで家に出入りしていたのに少し久しぶりに感じる。
呼吸をすると、ひさびさなのか家の匂いがする。
「シュウ、ご飯は?」
「食った」
「そう。ならお風呂に入ってらっしゃい。」
「ああ。」
皆それぞれリビングに戻り、俺は早速風呂に入る準備をする。
自分の部屋へ戻り、寝巻きをとる。
部屋はあまり綺麗にしている方ではないが、母さんが綺麗にしてくれていたのか、
机の上、ベット周りにものが少ない。
ふと気がつき、焦る。
タンスの中、下着を入れていた場所に隠していたエロ本。
この前の長期休み、夜に一人で出掛けていた時に拾ったやつだ。
触られたらわかるように角度を少し傾けて閉まっていたのだ。
急いでタンスの引き出しを開け、中を見ると記憶にある形のまま残っていた。
安心した。
こんなもの見られたらと思うとゾッとする。
何もなかったかのように下着を元に戻し、必要な服を持って洗面所へ。
中に入って扉の鍵を閉める。
(ガラガラガラ・・・ガチャ)
服を脱ぎ、洗濯かごへ。
全部脱ぎ終わった後、鏡に写っている自分を見る。
(やっぱり、夢じゃなかったんだよな・・・)
上半身には拳大ほどの大きな跡。
一生傷みたいに残っている。
傷の部分を触っても痛くはない。
(あの短時間で治ったのすげえな。)
そして風呂のドアを開け、シャワーを済まし、湯船に浸かる。
「はぁ〜」
全身の疲れが抜けるようだ。
気にかけてくれたのか、温泉の元で湯船はゆずの香りがする。
10分ほど入り、湯船から出るとそのまま洗面所へ。
体を拭き、ドライヤーで髪を乾かす。
(やっぱちょっと髪長えのめんどくせえな)
そんなことも思いながら、髪を乾かし5分。
全て終わりリビングへ。
「お先。」
「お!終わったか。シュウ、甘いの買ってきてるぞ。冷蔵庫に入ってるから食べていいぞ」
「お、さんきゅ。」
冷蔵庫を開けるとプリンがあった。
実は甘いのが好きなシュウは心の中でガッツポーズをする。
しかも、特に好きな家の近所にあるケーキ屋のプリンである。
手に取り、スプーンとプリンを左手に持ち椅子へ座る。
蓋を開け、食べ始めると。
「シュウ、あの事故大丈夫だったか?」
「・・・・・・・?」
「ほら、公園での墜落事故。」
「・・・・・・あぁ。大丈夫。」
一瞬何を言われているのかわからなかったが、あの公園での出来事、そういう風になってたのかと理解する。
「中学からボロボロになって帰ってくることはあったけど、流石に救急搬送されたって聞いた時は肝冷やしたぞ。」
「3日眠ってたって。」
「兄貴3日も寝てたの!?大丈夫?怪我治ってないんじゃ・・・」
「よくわかんねえが治ってた。傷は残ってるけどな。」
「え!ちょっと見せて!」
妹の楓はそう言って近づき、見せろと服を引っ張ってくる。
テーブルを挟んで正面に座っていた父親も、皿洗いをしていた母親も気になっているようだ。
だが、
「なんで脱がなきゃいけねえんだ。見せねえぞ。」
「え〜ケチ。男なんだから見られても減るもんじゃないでしょ。」
「うっせえ。」
「まあまあ、今は帰ってきてくれただけよかったじゃないの。」
「ま〜そうだね。安心した。ちょっと兄貴柔らかくなってるし。」
「男ってのは、気付かぬうちに成長してるものよ!」
父さんがそういうと、俺は立ち上がりプリンのゴミを捨てる。
「俺もう寝るわ。」
「ぐっすりね。そういえば明日学校どうする?」
「・・・・・・・・・・・・学校にはなんて?」
「事件のことは知ってるみたいだから大丈夫だとは思うけど、周りの生徒には体調不良って言ってもらってるみたいよ。」
「・・・・まあ行くわ。」
「そ。しんどくなったら言ってね。」
「また明日兄貴。」
「「おやすみ、シュウ」」
「おやすみ」
そう言って自分の部屋へ戻る。
部屋の時計を見ると時刻は22時12分。
今から寝るにはちょうどいい時間だ。
何もやることがない時はいつも早く寝ている。
ベットに入り、布団を被る。
そこから寝るまでに時間もかからずスッと眠りに入った。
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
『おい』
『おい、こっちだ』
『こっちを見ろ』
「・・・・・・・・・なんだ?」
『やっと気づきやがって・・・』
そこは真っ暗な何もない真っ白な空間。
空間の端が見えないくらい広い。
そして、しゃべるかけてくるやつ。
見ると、淡い光が人のシルエットをしていた。
『やっと喋れるぜ。長えよ、まじ。』
「誰だ、てめえ」
『早速かよ。まあいい、俺はお前のオリジン。色々教えてやるから覚悟しろ。』




