あれから6年後
「いらっしゃいませ。あ、神山さん」
「来てみました」
あの事故から6年後。皆がそれぞれの道に進み活動していた。
「内装良いね。この雰囲気私好きかも」
「良かった。こっちの席にどうぞ……こちらに載ってる猫ちゃん1匹選んで遊ぶことが出来るよ」
「わぁ~。どの子にしようかな……じゃあブックくん。それと紅茶で」
「はい、少々お待ちください」
神山海沙は高校大学を卒業後、写真家の道に進みさまざまな背景を撮っている。一番は山の写真。お店の中にいくつか海沙が撮ってた写真が壁に飾ってある。
「よいしょ、はいブックくんです」
「うわ~。大きいぃ。あは~。もふもふしてて温かいなぁ~」
「こちら、紅茶になります」
「ミーヤさん!美人のままだ!」
鹿野夏織は高校卒業後、動物系の専門学校経て実家近くで猫カフェをオープン。そこでミーヤと二人でお店を経営している。お店を出すにあたって華怜が資金援助してくれた。お店には数種類の猫たちが10匹ほどいる。何故夏織が猫カフェをやることにしたのは、なんだかやらないといけないと思ったのがきっかけだった。
「神山様もお綺麗になりましたよ」
「お世辞でもありがたいですぅ」
「ゆっくりしていってね」
「夏織ちゃ~ん。また来ました」
「明紀ちゃん!」
「海沙ちゃんだぁ~。久しぶりだね」
海沙の席の向かい側に座る明紀。
「水上さんはいつものでいい?」
「うん。お願い」
「明紀ちゃんはよく来るの?」
「週に3回?ぐらい」
「常連だね」
水上明紀は高校卒業後、作家デビューし、そのデビュー作で数十万部を売り上げ売れっ子作家になった。よく夏織のお店で次回の本の構想を練っている。猫に邪魔されながら。
「自分のお家のカフェあるのに何でここに?」
「だって猫好きだもん!お気に入りの子いるし」
「はい、シャロンくんっとコーヒー」
「キャー。シャロンくん今日もカッコいいよぉぉぉ」
明紀はこのお店にいるソマリのシャロンくんにメロメロである。
「鹿野さん。七条さんって来るんですか?」
「月に1回ぐらいかな」
七条華怜は高校大学卒業後、父親の仕事などに同行しあちこちの国など回って忙しく詳しいことは聞かされていない。
「そっかぁ。明紀ちゃんにも会えたし七条さんにも会ってみたいんだけどな」
「会いたいって想ってればそのうち会えるよ」
「そうだね」
「それより今日久しぶりに会ったんだから猫たちと遊ぼー!」
「おー!」




