表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/52

今の二人


――コンコン。病室の扉がノックされ、どうぞっと言うと入ってきたのは華怜だった。


「体の方はどうですか?」

「あ、はい、大丈夫です」

ミーヤが来ると思ったら違かったからちょっと焦る。

「……えっと確か七条さんですよね?」

一回しか会ってないから名前を間違ってないか恐る恐る確認する。

「えぇ。そうですわ。合ってますよ」

フゥーっと安心する。

「記憶を失うと人がガラッと変わってしまうのですね」

「すいません」

「別に謝らなくていいのよ。ただ、調子が狂うのです」

「ん?それはどういうことですか?」

「あなたと私はいつも会うたびによく言い合いしていたのよ?始まったらいつ終わるのか分からないぐらいにね」

「そ、そんなに私たちは仲が良くなかったんですか?」

「それはもうね。特にあなたと優孝が話をしてるとなんだか悔しくてね。すぐに間に割って入りたくなるほど」

「……い、今私と話をしてるとどうですか?機嫌が悪くなりますか?」

「いいえ、思いませんわ。だからこうして普通にあなたと話をしてると不思議ですわ」

フフッと少し微笑む華怜。

「七条さんと川中君はどんな関係だったんですか?」

「川中君ね……私と優孝は恋人同士だった関係よ」

「だった?別れてしまったんですか?」

「私は嫌だったんですけど私のためとか言ってね……ちょっと強引だったけど、また付き合ってくれること信じて別れることを承諾したんです」

悲しそうな顔をして窓の外を見る。

「ごめんなさい!私のせいで!」

「謝らないで。あなたを責めてないしあなたのせいだと思ってないわ」

「で、でも!」

シッーと夏織の唇を指で押さえ言葉を塞ぐ。

「多分ですけど次優孝が選ぶ人は、あなただと思うわ」

「それは何故ですか?」

「ん~。分からないけどそんな感じがするのです。……さて、私はそろそろ退席しますわ」

スタスタと扉の方へ歩いて行き、少し開けた時に振り向かず。

「……あなたの胸の中で動いている心臓。大切にしてね」



 病室を出るとそこにはミーヤが立っていた。

「華怜様」

シッーっと今度は自分の唇の前で指を立てウィンクして、何も言わずにその場を去って行った。その後ろ姿にミーヤは深く頭を下げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ