新たな旅立ち
「あ、神山様に水上様」
「ミーヤさん。こんいちは」
「こんにちはで~す」
最近、ミーヤの習慣である優孝のお墓参り。今日は海沙と明紀に出会った。
「お二人で来られたんですか?」
訊ねると海沙が手を横に振る。
「違いますよ。たまたまです。私が先に来ててそのあとに水上さんが来たんです」
「もしかしたゆーちゃんが会わせてくれたのかなぁ?」
何の偶然が重なったのか三人が同じ日にやってきた。
「……川中君のお墓ってすごく綺麗に整理されてますよね」
「あ、私が毎日来てお掃除してますので」
「えっ!毎日来てるんですか!?」
凄く驚く海沙。それに少し笑ってしまうミーヤ。
「当然ですから。私は優孝様の専属メイドですよ?でも、今はメイドじゃなくなったんですけどね」
「そうなんですか?」
「確かにメイド服じゃない。私服ですね」
「メイドじゃなくなった今は、夏織さんのお傍にいます」
「へぇ~。そうだったんですか。最近鹿野さんはどうですか?」
「はい、よくお話しするようになりましたし、笑ったりするようになりました。が、まだ、記憶の方は……」
「そう簡単に戻ったりしませんよね。でも、元気なら良かった」
しばらく、優孝のお墓の前で談笑した後。三人で長めに手を合わせて合掌した。
「二人はこの後何かある?よかったら私の家、カフェやってるんだけどくつろいで行く?ゆーちゃんもきたんだけど」
「私行ってみたい!」
「すいません。私はすることがあるので、でも近いうち夏織さんと行きますね」
そのあと、一旦屋敷に戻ったミーヤ。すると、すぐにメイド長がやってきて手紙を渡された。
その手紙は、カルネからだった。
ミーヤへ。
この手紙を読んでるころ私はこの町から離れている頃です。
優孝様が亡くなったのは今でも自分のせいだと私は思っている。このまま屋敷に残ること町にいること、その資格はないと思ってる。
自分の大切な人がいなくなると、こんなにも胸が苦しくなるなんて思いもしなかった。それだけ優孝様の存在は、私にとって多きかった。
ミーヤを一人にするのは心配だけど……もう、大丈夫だよね?
事故直後、脳死になった優孝様に冷静な判断が出来なかった私を思いっきりビンタたしたんだから。
夏織様のこと守ってあげて。そして、あの方の心臓を……
いつ戻るか分からない。もう戻らないかもしれない。
でも、戻ってきたらきっと再会するところは……教えなくても分かるよね?
それじゃ、元気でね。 カルネ。




