遊園地 5
ジャンケン大会の結果。優孝と一緒に観覧車に乗れる権利を得たミーヤ。観覧車の所まで全員で移動し、優孝とミーヤが列に並ぶ。あと少しで順番が回ってくる時に優孝は、後ろを振り返るとニコニコしながら、だけど目が笑っていない華怜がカルネに両腕を掴まれて羽交い絞めをされている。どうやらこちらに来ようとしているみたいだった。優孝は、それを見なかったことにした。
ゴンドラに乗り込んで優孝が座ると、凄く自然にその隣に座るミーヤ。
「と、隣でいいですか?」
座ってから聞いてきた。
「あぁ。いいよ」
ゆっくりと時間をかけて上昇して行く。最初は、沈黙だったが優孝から話をかけた。
「……俺、昔から気になってたことがあるんだけど」
「な、なんでしょうか」
「カルネとミーヤってメイドの他に何かしたい仕事とかないの?」
「……じ、実はあるんです」
「へぇ~。何がしたいの?」
「ミ、ミーヤは、具体的なのは、まだですけど。そ、そのぉ~。動物に係わるみたいなのがしてみたです」
「意外だな。ミーヤの事だから清掃活動とか何かを綺麗にする感じだと思ってたけど」
予想外のミーヤのやりたいことを聞いた優孝。すると、ミーヤは、優孝の前に座り向かい合い、真っ直ぐ目を見る。
「実は、清掃活動してるとよく野良猫とかに会うんです。それで会うたびに頭をなでなでしているうちに猫が好きになりました。もちろん他の動物も好きですよ」
「ミーヤに猫って結構合いそうだな。肩とかに乗せてみたらいいかも」
「ゆ、優孝様は、どんな仕事がしてみたいんですか?」
「おっ!聞いてきたな」
「い、いえ!聞いたミーヤがいけなかったです。わ、忘れてください!」
そんなやり取りをしていると丁度ゴンドラが一番上に到達した。優孝は、窓の外の景色を見ながら。
「……そうだな。好きな人と同じ仕事がしてみたいかな。楽しそうだし」
まるで独り言のように遠くを見ながら言った。
「ミ、ミーヤも聞いてみたいことがあるんですけど」
「ん?なんだ。今なら何でもいいぞ」
恐る恐る優孝に聞いてみた。
「優孝様の初恋の人は、華怜様ですか?」
それを聞くと優孝は、目を閉じてクスッと笑ってまた窓の外を見る。
「……いや、違う。他の人だよ。もう、全然会えてないけど」
「どこに住んでるか分からないのですか?」
「あぁ。……また、会ってみたいけどね」




