ミーヤの休日
「えっと……あった」
優孝様からお休みをもらって丁度良かった。花壇にお花を蒔きたかったので。中々やる時間がなくて困ってたんだよね。
「2つ……3つでいいかな」
蒔いてみて足りなかったらまた買いに来ればいいよね。
「か、花壇。コスモス一色になったら優孝様どんな反応するかな」
急いで戻らないと、終わったら他の事もしたいし。
「誰か!捕まえてください!」
誰か女の人の声。振り返ると。スーパーから1人の男がこっちに慌てて向かって来る。
「どけどけ!」
どうやら女の人から鞄を盗んだらしい。どうしてそんな愚かなことをするのかな?バカなのですか?
「お仕置きです」
このまま逃がすわけないので。
――シュッ。
男の足にトランプを刺して転倒させて鞄を奪い取りました。
「ざ、残念でした」
周りにいた人たちが男を取り押さえ、女の人に鞄を返すと何度も頭を下げて感謝されました。こんなの大したことじゃないのに。
「そ、それでは、私はこれで」
足止めをくらってしまいました。急ぎ戻らないと。
「ふぅ。ちょっと遅れてしまいました」
屋敷に戻ると敷地でカルネが愛車を洗車してる。お休みをもらったのに洗車?他にすることないのかな?
「まぁ。いいか。……準備は、出来てるからあとは、蒔くだけ」
平らに慣らし、溝を掘ったところに買ってきたコスモスの種をパラパラと蒔く。意外と量が多く、これならこの量で良さそうだ。
20分後。
「よし!終わった」
結構早く終わっちゃったけど満足満足。早く芽が出て花咲かないかな。……よし次だ。
屋敷にいる時は、基本的に自分のお部屋にいる筈。
――コンコン。
返事がないけどいるかな?
「し、失礼します」
扉をゆっくり開けてみると、窓際で椅子に座って真剣に本を読んでいる。いつも思うけどこの時だけ本当に、生きてるのか分からない。
「ゆ、優孝様」
声をかけてみるけど気がついてない。なので私は、こうします。
「優孝様」
後ろに回り込んで両目を手で隠してしまうのです。すると。
「ワッ!なんだミーヤか」
気がつくのです。
「ゆ、優孝様1つお願いがあるのです」
「ん?なんだ?」
「そ、その……お休みをもらったのでもしよろしければ、一緒にお昼ご飯作りませんか?」
「そうだな~。いいよ。何を作るんだ?」
ヤッタ!1回ぐらい一緒に作ってみたかったんだよね。
「あっ。えっと。オムライスなんかどうでしょうか?」
「オムライス!いいよ。一緒に作ろう」
そう言って優孝様は、本にしおりを挟み立ちあがると。
「ゆ、優孝様!?」
いきなり頭をなでなでしてくれたのです。もし、ミーヤが犬だったら嬉しさを抑えきれずに、尻尾をブンブン振ってしまいそうです。




