第15話 行くよ、ステラ
「《ファイアー・ジャベリン-エクストララージ》!!」
―――ボッッ!!
マリティアは両腕を広げ、自らの中に生まれた『感情』の赴くままに『魔法名』を紡ぐ。
「《アクア・ジャベリン-エクストララージ》!!
《サンダー・ジャベリン-エクストララージ》!!
《アイス・ジャベリン-エクストララージ》!!
《ウィンド・ジャベリン-エクストララージ》!!』
―――ボッッ、ボッッ、ボッッ、ボッッ…………!!
先程と同じく様々な属性の『槍』が―――但し、今度はその一つ一つが10メートル大に達する程の巨大さを持つ『槍』が、マリティアの頭上へと生み出されていく。
「……………………」
ステラフィアとリィドはその場から全く動かず、ただその光景を静かに眺めていた。
そして、マリティアは―――
「リィド、ボクは―――」
燃えるようなその『感情』を瞳に宿しながら、叫ぶ。
「絶対に負けない!!」
それと同時に、彼女は両腕を突き出し―――
「《エレメンタル・ミーティア》!!!」
―――ボッッッッッッッ!!!!
生み出された巨大な『槍』の数々が、ステラフィアとリィドの元へ押し寄せる。
それは逃げ場などどこにも無い、圧倒的な『破壊』を伴う槍の『流星群』であった。
だが―――
「《ジャガーノートアクス》!」
ステラフィアと『一心同体』となったリィドは、その手に『戦斧』を握り締め―――
―――バッッッ!!!
自らその『流星群』へ向かって駆け出し―――
―――ザンッッッッ!!!
2人の身体など容易に飲み込んでしまうであろう巨大な『炎の槍』を―――
―――ザンッッ、ザンッッ、ザンッッ、ザンッッッ!!!
『水の槍』を、『雷の槍』を、『氷の槍』を、『風の槍』を―――
「おおおおおおおおおおおッッッッッ!!!」
ひたすらに―――斬り裂いていく。
その動きには一切の淀みも躊躇もない。
それはまさに『人馬一体』。
否―――『人魔一体』。
そして―――
「はぁッッ!!!」
『流星群』を抜けた2人は―――
「――――――っ」
マリティアの眼前にまで、迫る。
「これで―――終わりです!!」
リィドの声と共に、ステラフィアの握る『戦斧』が振り上げられる。
だが―――
「いいや―――まだだよ、リィド!!」
『戦斧』が振り下ろされるよりも先に―――
「《アダマンタイン・ドーム-フル・フォース》!」
―――ヴンッッッ……!!!
マリティアの周囲に―――最大出力の『防御層』が展開された。
「この最強の『防御層』は、決して破れない!!」
マリティアは笑みを浮かべ、確信に満ちた声をあげる。
その直後―――
「行くよ、ステラ」
少年が、ポツリと呟いた。




