Peace2-2
-夜-
まだ泣いているちはるにせれんは問いかける。
せれん「良かったの?戻らなくて。」
ちはる「…。」
せれん「あいつらってせれんがいなくなってからも変わってないの?」
ちはる「…せれんがいた頃は、どんなパパとママだった…?」
せれん「あんまり覚えてないけど、仕事で忙しそうだった。放任主義ってやつ?そのくせ世間体は気にするから、よく怒られてた。」
ちはる「そうなんだ…。仕事で忙しそうなのは、一緒だよ。でも、ちはるの事ずっと見てた。小さい頃から習い事して、上の子みたくならないよう良い子でいなさいって言われて…良い子でいたら、ご褒美にゲーム買ってもらえた。」
せれん「え?じゃあずっとゲームしてた訳じゃないの?いろなんかゲームばっかだよ。」
ちはる「良い子だったら、ゲームしても良かったから。寧ろ、外で遊ぶなって言われてた。せれんみたいに誰かを殴らないように。」
せれん「何でせれんの話になるわけ?」
ちはる「知らないよ。でもいつも言われてた。だから思ったんだ。ちはるは、ただのせれんの身代わりなんだって。」
せれん「ちはるもちはるで、何でその思考回路に陥るの?」
ちはる「だって…きっと、せれんがちゃんとしてたら、ちはるは生まれてこなかったから…。」
せれん「まあ、だろうね。」
ちはるはまた泣き出した。
ララ「ちょっとせれん!泣かせてどうするラ!」
せれん「だーかーらー事実を言っただけじゃん。…でもさ、ちはるには猶予くれてたじゃん。せれんは一発アウトだったよ。」
ちはる「そりゃそうでしょ!ちはるとせれんじゃやってること違いすぎるもん!」
せれん「あ、でも幼稚園で人殴って何回も怒られてたけど、島流しにはされなかったから…それが猶予か。」
ちはる「結局何が言いたいの!?ちはるに帰ってほしいの!?」
せれん「せれんの一人時間が少なくなるという意味では帰ってほしいけど、ちはるは最後まであいつらよりゲームが大事そうだったから、何でかなって。」
ちはる「…だから、ちはるをちはるとして見てくれてたのは、ネッ友だけだったから。パパ達に学校ではなるべく人と関わるなって言われてたし、その割にちはるとも遊んでくれないし。」
せれん「今日ついてきてたじゃん。」
ちはる「そう。本当は大会になんて出してもらえなかった。でも頑張って頼んで、一緒に行くなら良いって。いろと待ち合わせしてることなんて言えないから、途中ではぐれたのに見つかったけど。」
せれん「そっか。じゃああれって、仲良し家族じゃなくて、監視されてただけなんだ。」
ちはる「だから…全部、せれんの所為…。せれんが昔…悪いことした所為で、ちはるが大変な目にあってるんじゃん。せれんがちゃんとしてたら、ちはるは生まれてこなくて良かったのに…。」
せれん「ふーん。ちはるも、生きていたくない側なんだ。」
ちはる「側…?そりゃ、せれんがちゃんとしてたら、パパとママもあんなんじゃなかったんだろうし…」
せれん「いやあんなんだよ。放任が過保護になっただけ。ちはるを殴ろうとしてたのが本性。せれんもよく殴られてた。」
ちはる「え…でも、ちはるは一度も殴られたことなんて…。」
せれん「へー。せれんみたいになるなって言ってるだけあって、ちはるのこと殴ってなかったんだ。まあ暴走した時は変わってないみたいだけど。」
ちはる「…ごめんなさい…せれんが悪いなんて言って…。」
せれん「本当だよ。せれんはせれんの為に生きてるだけなのに。偉いせれん。」
ちはる「…何この自己肯定感高すぎモンスター…。」
せれん「ちはるも、自分の為に生きればいいじゃん。やっと自由になれたんでしょ?ゲームはなくなったけど。」
ちはる「何で最後酷いこと言うのおお!?」
せれん「本当のこと言ってるだけ。まあ、叔父さんと叔母さんがあいつらに交渉するか、新しく買ってくれるでしょ。」
後日、せれんの言った通り、新しくゲームやパソコンを買い与えてくれた。
ちはる「叔父さん、叔母さん大好きいいいい!」
叔母「嬉しい!でもゲームのし過ぎで夜更かししちゃ駄目だよ?」
ちはる「はーい!」
叔父「賑やかになるねえ。」
せれん「朝からうるさい…。」
-夢の中-
ろわ「皆、申し訳ないんだけど、またうちに来てくれないかな?」
みれい「バイトじゃなくですか?」
ろわ「うん。今、丁度野菜の収穫時期なんだけど、師匠の体調が芳しくなくて…。」
フィフィ「師匠、大丈夫ですフィ…?」
ろわ「動けはするんだけど、大きな運動は駄目ってお医者様から言われてて…。今年はかなり野菜を収穫できそうだから、手伝ってくれたお詫びに、好きなだけ持ち帰ってくれていいから…」
るか「ろわ、よそよそしいよ。手伝うに決まってるじゃん。」
りおう「無論です。」
ふらん「学園祭も近いけど、ろわにはお世話になってるし、手伝うよ!」
のえる「野菜持って帰れるの助かる。今月のお金が浮くよ。」
レレ「のえる、相変わらず現金レ〜。」
ゆら「上手くできるか分かりませんが、手伝わせてください!」
みれい「そうです!野菜の収穫が終わったら、皆でご馳走作りませんか!?師匠さんに元気になってほしいですし!」
ミュミュ「そしたら売る分が無くなっちゃうミュ。」
メメ「そうメ。るかが全部食べちゃうメ。」
るか「そんなに食べないよ!ちゃんと我慢するよ!」
ろわ「大丈夫だよ。人手がほしくてゆうりさんも呼んでるくらい沢山あるから。」
ヴェヴェ「ヴェヴェ達にもちょっと分けるヴェ。」
シュシュ「ヴェヴェも現金シュ。」
-現実世界 神楽家-
師匠「皆さん、わざわざ神楽家まで来てくださってありがとうございます。私の体調が悪いばかりに…。」
みれい「任せてください!」
せれん「ほんじゃ頑張れー。」
りおう「せれんは手伝わないんですか?」
せれん「植物は全部手がかぶれる。あと暑いし外いたくない。」
ララ「ララは手伝いたいラ!」
せれん「ララはせれん以外触れられないんだから無理だよ。」
ララ「ラ…ここが夢の中だったら手伝えたのにラ…。」
シュシュ「ララ、見守るのも立派な守護精霊の仕事シュ!ララはいつも頑張ってるシュ!」
せれん「せれんと一緒にぐうたらしてるだけだけどね。」
ララ「それはせれんがぐうたらしてるからやる事がないラ!」
せれん以外の7人とゆうりは、師匠の指導の元、野菜の収穫を始める。
のえる「最早迷路なんだけど…。」
ふらん「いいね!野菜の迷路なんてあったら楽しそう!」
のえる「そういう意味じゃない…。」
ろわ「確かに、迷路とか作ったら、もっと植物に関心を持ってもらえるかな。」
りおう「観光地ですか。この島の観光名所となりそうですね。」
師匠「面白いことを考えますね。では来年の秋は、このミニカボチャでアーチやトレリスを作ってみましょうか。ハロウィンの装飾のようになりますよ。」
みれい「師匠さん、天才すぎます!島全体をテーマパークにできるじゃないですか!」
ゆうり「すごく時間がかかりそうだけど、そうなったらきっと素敵だろうね。良い物語が書けそうだよ。」
みれい「本当ですか!新作、絶対読みます!」
ゆうり「気が早いよー。」
ふらん「島全体がテーマパーク…のえるの大好きな大儲けってやつだね!」
のえる「そんなにがめつくないから!」
殆どの野菜の収穫が終わる頃、師匠は皆に雑草を集めさせる。
師匠「これらで、あちらの畝を覆っていただけますか?」
守護精霊の守護知識
ミュミュだミュ〜。皆、雑草は使えないからって捨ててないミュ?最初は野菜の生長を妨げるミュけど、野菜を育ててもくれるミュ。今回は雑草との共存の仕方を紹介するミュ〜。
刈り取った雑草で、まだ育ってない野菜の畝を覆うミュ。これをマルチングというミュ。雑草で覆うことで、土の温度を調整したり、雑草を生えにくくさせることもできるミュ。
よく見るのは黒いビニールマルチミュけど、あれは最後捨てなきゃいけないミュ。でも雑草は徐々に土に還って、良い土をつくるミュ。
雑草の種類によっても、土づくりの役割が違うミュから、色々調べてみるミュ〜。
ゆら「だからいつも、ろわが雑草を持ち帰っていたんですね!」
師匠「雑草も植物。共存する方法があるんです。」
ゆら「それなら、雑草というのは失礼でしょうか?周りに植わった植物…?」
るか「それじゃあどの植物か分からないけど…。」
師匠「言葉は伝達の為に必要なものです。そこまで気にしなくて良いのですよ。」
ゆら「はい…!」
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。
守護精霊の守護知識で書いた園芸の知識は、諸説あると思いますので、参考程度に留めていただけたら幸いです。




