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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
紡がれる白昼夢
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98/129

Peace2-2

-夜-

まだ泣いているちはるにせれんは問いかける。

せれん「良かったの?戻らなくて。」

ちはる「…。」

せれん「あいつらってせれんがいなくなってからも変わってないの?」

ちはる「…せれんがいた頃は、どんなパパとママだった…?」

せれん「あんまり覚えてないけど、仕事で忙しそうだった。放任主義ってやつ?そのくせ世間体は気にするから、よく怒られてた。」

ちはる「そうなんだ…。仕事で忙しそうなのは、一緒だよ。でも、ちはるの事ずっと見てた。小さい頃から習い事して、上の子みたくならないよう良い子でいなさいって言われて…良い子でいたら、ご褒美にゲーム買ってもらえた。」

せれん「え?じゃあずっとゲームしてた訳じゃないの?いろなんかゲームばっかだよ。」

ちはる「良い子だったら、ゲームしても良かったから。寧ろ、外で遊ぶなって言われてた。せれんみたいに誰かを殴らないように。」

せれん「何でせれんの話になるわけ?」

ちはる「知らないよ。でもいつも言われてた。だから思ったんだ。ちはるは、ただのせれんの身代わりなんだって。」

せれん「ちはるもちはるで、何でその思考回路に陥るの?」

ちはる「だって…きっと、せれんがちゃんとしてたら、ちはるは生まれてこなかったから…。」

せれん「まあ、だろうね。」

ちはるはまた泣き出した。

ララ「ちょっとせれん!泣かせてどうするラ!」

せれん「だーかーらー事実を言っただけじゃん。…でもさ、ちはるには猶予くれてたじゃん。せれんは一発アウトだったよ。」

ちはる「そりゃそうでしょ!ちはるとせれんじゃやってること違いすぎるもん!」

せれん「あ、でも幼稚園で人殴って何回も怒られてたけど、島流しにはされなかったから…それが猶予か。」

ちはる「結局何が言いたいの!?ちはるに帰ってほしいの!?」

せれん「せれんの一人時間が少なくなるという意味では帰ってほしいけど、ちはるは最後まであいつらよりゲームが大事そうだったから、何でかなって。」

ちはる「…だから、ちはるをちはるとして見てくれてたのは、ネッ友だけだったから。パパ達に学校ではなるべく人と関わるなって言われてたし、その割にちはるとも遊んでくれないし。」

せれん「今日ついてきてたじゃん。」

ちはる「そう。本当は大会になんて出してもらえなかった。でも頑張って頼んで、一緒に行くなら良いって。いろと待ち合わせしてることなんて言えないから、途中ではぐれたのに見つかったけど。」

せれん「そっか。じゃああれって、仲良し家族じゃなくて、監視されてただけなんだ。」

ちはる「だから…全部、せれんの所為…。せれんが昔…悪いことした所為で、ちはるが大変な目にあってるんじゃん。せれんがちゃんとしてたら、ちはるは生まれてこなくて良かったのに…。」

せれん「ふーん。ちはるも、生きていたくない側なんだ。」

ちはる「側…?そりゃ、せれんがちゃんとしてたら、パパとママもあんなんじゃなかったんだろうし…」

せれん「いやあんなんだよ。放任が過保護になっただけ。ちはるを殴ろうとしてたのが本性。せれんもよく殴られてた。」

ちはる「え…でも、ちはるは一度も殴られたことなんて…。」

せれん「へー。せれんみたいになるなって言ってるだけあって、ちはるのこと殴ってなかったんだ。まあ暴走した時は変わってないみたいだけど。」

ちはる「…ごめんなさい…せれんが悪いなんて言って…。」

せれん「本当だよ。せれんはせれんの為に生きてるだけなのに。偉いせれん。」

ちはる「…何この自己肯定感高すぎモンスター…。」

せれん「ちはるも、自分の為に生きればいいじゃん。やっと自由になれたんでしょ?ゲームはなくなったけど。」

ちはる「何で最後酷いこと言うのおお!?」

せれん「本当のこと言ってるだけ。まあ、叔父さんと叔母さんがあいつらに交渉するか、新しく買ってくれるでしょ。」


後日、せれんの言った通り、新しくゲームやパソコンを買い与えてくれた。

ちはる「叔父さん、叔母さん大好きいいいい!」

叔母「嬉しい!でもゲームのし過ぎで夜更かししちゃ駄目だよ?」

ちはる「はーい!」

叔父「賑やかになるねえ。」

せれん「朝からうるさい…。」


-夢の中-

ろわ「皆、申し訳ないんだけど、またうちに来てくれないかな?」

みれい「バイトじゃなくですか?」

ろわ「うん。今、丁度野菜の収穫時期なんだけど、師匠の体調が芳しくなくて…。」

フィフィ「師匠、大丈夫ですフィ…?」

ろわ「動けはするんだけど、大きな運動は駄目ってお医者様から言われてて…。今年はかなり野菜を収穫できそうだから、手伝ってくれたお詫びに、好きなだけ持ち帰ってくれていいから…」

るか「ろわ、よそよそしいよ。手伝うに決まってるじゃん。」

りおう「無論です。」

ふらん「学園祭も近いけど、ろわにはお世話になってるし、手伝うよ!」

のえる「野菜持って帰れるの助かる。今月のお金が浮くよ。」

レレ「のえる、相変わらず現金レ〜。」

ゆら「上手くできるか分かりませんが、手伝わせてください!」

みれい「そうです!野菜の収穫が終わったら、皆でご馳走作りませんか!?師匠さんに元気になってほしいですし!」

ミュミュ「そしたら売る分が無くなっちゃうミュ。」

メメ「そうメ。るかが全部食べちゃうメ。」

るか「そんなに食べないよ!ちゃんと我慢するよ!」

ろわ「大丈夫だよ。人手がほしくてゆうりさんも呼んでるくらい沢山あるから。」

ヴェヴェ「ヴェヴェ達にもちょっと分けるヴェ。」

シュシュ「ヴェヴェも現金シュ。」


-現実世界 神楽家-

師匠「皆さん、わざわざ神楽家まで来てくださってありがとうございます。私の体調が悪いばかりに…。」

みれい「任せてください!」

せれん「ほんじゃ頑張れー。」

りおう「せれんは手伝わないんですか?」

せれん「植物は全部手がかぶれる。あと暑いし外いたくない。」

ララ「ララは手伝いたいラ!」

せれん「ララはせれん以外触れられないんだから無理だよ。」

ララ「ラ…ここが夢の中だったら手伝えたのにラ…。」

シュシュ「ララ、見守るのも立派な守護精霊の仕事シュ!ララはいつも頑張ってるシュ!」

せれん「せれんと一緒にぐうたらしてるだけだけどね。」

ララ「それはせれんがぐうたらしてるからやる事がないラ!」

せれん以外の7人とゆうりは、師匠の指導の元、野菜の収穫を始める。

のえる「最早迷路なんだけど…。」

ふらん「いいね!野菜の迷路なんてあったら楽しそう!」

のえる「そういう意味じゃない…。」

ろわ「確かに、迷路とか作ったら、もっと植物に関心を持ってもらえるかな。」

りおう「観光地ですか。この島の観光名所となりそうですね。」

師匠「面白いことを考えますね。では来年の秋は、このミニカボチャでアーチやトレリスを作ってみましょうか。ハロウィンの装飾のようになりますよ。」

みれい「師匠さん、天才すぎます!島全体をテーマパークにできるじゃないですか!」

ゆうり「すごく時間がかかりそうだけど、そうなったらきっと素敵だろうね。良い物語が書けそうだよ。」

みれい「本当ですか!新作、絶対読みます!」

ゆうり「気が早いよー。」

ふらん「島全体がテーマパーク…のえるの大好きな大儲けってやつだね!」

のえる「そんなにがめつくないから!」

殆どの野菜の収穫が終わる頃、師匠は皆に雑草を集めさせる。

師匠「これらで、あちらの畝を覆っていただけますか?」


守護精霊の守護知識

ミュミュだミュ〜。皆、雑草は使えないからって捨ててないミュ?最初は野菜の生長を妨げるミュけど、野菜を育ててもくれるミュ。今回は雑草との共存の仕方を紹介するミュ〜。

刈り取った雑草で、まだ育ってない野菜の畝を覆うミュ。これをマルチングというミュ。雑草で覆うことで、土の温度を調整したり、雑草を生えにくくさせることもできるミュ。

よく見るのは黒いビニールマルチミュけど、あれは最後捨てなきゃいけないミュ。でも雑草は徐々に土に還って、良い土をつくるミュ。

雑草の種類によっても、土づくりの役割が違うミュから、色々調べてみるミュ〜。


ゆら「だからいつも、ろわが雑草を持ち帰っていたんですね!」

師匠「雑草も植物。共存する方法があるんです。」

ゆら「それなら、雑草というのは失礼でしょうか?周りに植わった植物…?」

るか「それじゃあどの植物か分からないけど…。」

師匠「言葉は伝達の為に必要なものです。そこまで気にしなくて良いのですよ。」

ゆら「はい…!」

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

守護精霊の守護知識で書いた園芸の知識は、諸説あると思いますので、参考程度に留めていただけたら幸いです。

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