Peace2-1
ちはる「は…?せれんって…」
ちはるは父親に腕を引っ張られながら、下を向いているせれんの方へ振り返る。
ちはる「でも…何でそれがゲームをしちゃいけないになるの!?」
母「あいつもゲームをしているからだよ!」
ちはる「違うよ!今日はいろについて来ただけだよきっと!」
父「そんなのどうだっていい!今日ここにいることが問題なんだよ!」
ろわとゆらがどうすべきかと立ち尽くす中、いろが声をあげた。
いろ「ゲーム中に、ピンチになったら救援要請しろって言ってたじゃん。それって、現実でも一緒じゃないの?」
未だ抗い続けているちはるは、いろの方を見る。
ちはる「た…た…っ」
父「早く行くよ!!!」
父親がちはるの腕を強く引っ張ったことで、ちはるは転んでしまう。
いろの携帯から通知音がなり、見るとちはるから「助けて」とメールが来ていた。
それを見てせれんは父親に突進の勢いで近づく。
父親は驚き、せれんを跳ね返した。
ろわ「警察の方ー。ここに学生に向かって暴行を加えてる人間がいまーす。」
父「ちがっ…」
周りの人々が騒然とし始める。
ちはるの両親や動揺しているうちに、受け身を取っていたせれんは父親の腕を手刀打ちし、ちはるを助けあげた。
ちはるはいろに飛びつき、5人でその場を離れた。大会に出場できる状況でもない為、一度島に戻る。
-電車-
ろわ「取り敢えずおじさんとおばさんに連絡したけど、この後どうする?」
ちはる「どうするって…?」
ゆら「ちはるさんが親元にいたいのか、もう会いたくないのかという事です。ちはるさんの想いで、状況は変わるので。」
ちはる「それ…ちはるが決めていいの?」
いろ「当たり前じゃん。他に誰が決めるの?」
ちはる「だって今までは…上の子みたいになるなって、大人しくしてろって言われたから、ずっとゲームしてて…。常に優等生でいれば、文句は言われなかったから…ゲームしたい以外分かんない…。」
せれん「あの親、もう何発か殴ってこようかな。」
ろわ「それせれんが捕まるよ。…今はちはるが、親とどうなりたいかが重要。多分すぐ、おじさんとおばさんのところにご両親が来るだろうし。」
ゆら「親御さんと会いたいですか…?」
ちはる「…会いたくないけど、帰らないとゲーム全部捨てられる!!!」
ちはるは泣きわめいた。
せれん「あいつらはちはるを、せれんみたいにならないよう育ててたんでしょ。なら尚更、家に帰っても捨てられるね。」
シュシュ「せれん!泣きっ面に蜂シュ!」
せれん「事実じゃん。」
せれんの言葉に、ちはるが少し冷静になった。
ちはる「…ゲームが…ゲームだけがちはるの居場所…。ゲームがなくなったらもう…。」
いろ「別になくなったって決まった訳じゃないじゃん!それに、ちはるよりせれんの方がゲーム上手いし。ちはるが引きこもりになっても、せれん程じゃないとゲームを仕事にしても生きていけないよ。」
ちはる「はあ!?そんなのやってみないと分かんないじゃん!ゲーム下手ないろにちはるの人生決められたくない!」
せれんが2人の頭を鷲掴む。
せれん「そんなんどうでもいいからさ、家に帰りたいか帰りたくないか早く決めてくれない?
もしゲーム機捨てられても、いろに借りればいいでしょ。」
ちはる「ほ、本当…?」
ろわ「寧ろ、早く決断しないと向こうに捨てる隙を与えちゃうよ。」
ちはる「…じゃあ、ここにいたい…。」
ゆらといろ、ろわはそれぞれ家へ帰り、ちはるはせれんの住む叔父さんと叔母さんの家へ連れて行った。
話を聞いた叔父と叔母はせれんとちはるの両親に連絡し、話し合うため家へと招いた。
-七海家-
玄関のチャイムが鳴る。叔母が出ている間にせれんは部屋に隠れ、ちはると叔父はリビングで叔母と両親が来るのを待っていた。
母「ちはるも、裏切るんだね。」
ちはる「え…?」
父「普通に育てたつもりだったのに、こっちを選ぶなんて、どうかしてるよ。」
叔父「なんて事いう!?せれんもちはるも、とても良い子達なのに!」
母「元はと言えば、あんた達が変わり者な所為で、うちに変わり者が生まれたんでしょ!謝罪してよ!」
叔母「だから、どうしてそんなに子どもを悪く言えるの!?せれんだって、した事は行き過ぎているけど、友達を助けた良い子じゃ…」
母「あんなの、ただの人殺しだよ。うちの子じゃない。」
皆の話し声はせれんの部屋まで聞こえていた。
せれん「やっぱり殴りに行っていいかな?」
ララ「ダメラ!状況が悪化するだけラ!」
せれん「でもせれんの評価は地の底なんだから、別に何してもよくね?」
ララ「そういう問題じゃないラ!」
リビングで両親が立ち上がった。
父「兎に角、ちはるにはもう一度チャンスをあげよう。だから家へ戻りなさい。」
ちはる「…そしたら、ゲーム捨てないでいてくれるの…?」
父「そんなものは捨てるに決まってる。ちはるは優等生なんだから、まだやり直しができる。」
ちはる「…嫌だ…。」
母「は?」
ちはる「…パパとママから聞かされてたせれんは、怖かった。でも…今は、パパとママの方が怖いよ…。」
母「もう一度言ってみなさい!」
母親がちはるに向かって手をあげる。
振り下ろされそうな手を、叔父が止めた。
叔父「結局、暴力でしか解決できないなら、せれんのことを言える立場じゃない。」
母「…っ!」
叔母「七海家は普通の人より丈夫だけど、その力は弱い人を守る為に使うものであって、弱い人を殴る為に使うものじゃない。」
父「元不良がよく言う。」
叔父「そうだね、だからこの島にいる。もし今の仕事を失いたくないなら、出ていくことだよ。」
父「…ちはる、ゲームは全部捨てるから。」
ちはる「…!…鬼!悪魔!どんなに良い子にしても、ちはるから全部奪うなんて…!」
両親は泣き叫ぶちはるを置いて、出ていった。
せれんは扉を開け、泣き叫ぶちはるの様子を幼かった頃の自分と重ねる。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




