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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
咎める蜃気楼
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Peace6-5

さくね「ここまで雰囲気とオーラ以外、似ても似つかない双子は見たことがないよ!勿論、最上級の良い意味で!」

とあ「パーティでお二人がお互いの好きな衣装を纏っていても、気がつかなかったわ!」

さくね「やはり、君たち以上に適した人物はいない!」

のえるとふらんは顔を見合わせる。

のえる「引くどころか、火をつけちゃった…。」

ふらん「この2人、劇への拘りが強いし、新しく適任な人を見つけるまで絶対折れないよね…。」

のえる「どうする…?」

ふらんは咳払いをし、とあとさくねの方を向いた。

ふらん「劇に出る代わりに、条件があるんだけど、いい?」

のえる「ふらん!?」

とあ「…!何でも言って!」

ふらん「ありがとう。1つ目はメイクとか衣装は自分達でやりたいってこと。もう1つはあんまり参加できる時間がないってことなんだけど…どうかな?」

さくね「勿論だよ!それで出てくれるのなら大歓迎さ!」

のえる「ちょっと待って。」

ふらん「のえる?」

のえる「条件以前の問題なんだけど、出演料はもらえるの?ただ働きなわけじゃないよね?」

ふらん「相変わらずだね…。」

とあ「ええ、私達が入っている劇団が求めている人材だもの。相応の対価は支払うつもりよ。だから、お願いします。二人にしか頼めないの。」

さくね「僕からもお願いしたい。」

とあとさくねが頭を下げたため、ふらんは慌てていた。

ふらん「2人とも顔をあげて!ふらんはこんなことで上下関係ができるの嫌だから!いつも通り、友達として振る舞って!」

のえる「友達でもお金が絡んできたら上下が生まれるでしょ。」

ふらん「でもこれは利害の一致だから!お互いが納得いく形じゃないと、演劇が台無しになるどころか、2人と友達でいられなくなっちゃう…。」

とあ「とあも、ふらんとのえると友達でいたいわ。何か不満があればすぐに言ってね。」

さくね「2人には演劇の楽しさを伝えたいから、悲しい想いはさせないと約束するよ。」

のえる「分かった。ただ2人も、ちゃんと何かあったら言って。些細なことでも何でも。」

さくね「流石のえるくん…!貫禄があるね!」

のえる「それ褒めてる?」

さくね「当たり前だよ!ありがとう2人とも!」

とあ「本当に、ありがとう!」


逃避行の準備が終わり、学校に事情を説明した。

学生のうちは、親が学校へ訪れても会わせないようにしてくれるそうだ。現在は神楽家へ住所を移したが、それも親へは伝わらない。

退寮届を出し、無事教会へ引越しが済んだ。


-現実世界 教会-

お泊まり会を開き、のえるとふらんのこれまでのことや、ふらんの進路が決まったことを皆に話す。

ふらん「本当にお騒がせしました…!」

のえる「今も居候させてもらってるから、騒がせてるんだけどね。」

ゆら「2人がまた仲良くなって、本当に良かったです…!」

るか「これでまた、ゲームできるね。」

メメ「るかもそろそろ就活始まるメ。」

るか「じゃああんまりゲームできないか…。」

せれん「ええーそれは困るんだけど。就活よりゲームでしょ。」

ララ「せれんはまだこの先どうするか決めてないラ?」

せれん「この先?ゲームする。」

ララ「今もゲームしてるラ!そうじゃなくて、将来どうするかって意味ラ!」

せれん「考えたこともない。」

ヴェヴェ「それでどうやって生きていくつもりヴェ?」

せれん「分かんない。ゲームして創作して、それだけで充実してる。ろわにはプログラミングの講師とか、ゲーム作るとこに入ったらって言われてるけど。」

ふらん「ゲーム作る会社って凄く倍率高くない!?」

せれん「会社?そんなとこ興味ないよ。ろわが言ってるのは、フリーで集ったグループでゲーム作って、完成したら解散するような、個人間の仕事の話。せれんが会社でやっていけると思う?」

みれい「人のことは言えませんが…思えませんね!」

せれん「でしょ?」

ミュミュ「先が思いやられるミュ…。」

みれい「ですがふらんも頑張ってましたし、みれいも持ち込み、頑張らないとですね!」

ミュミュ「みれいはこのまま持ち込みを続けるミュ?」

みれい「はい!ですが、折角メディア関連のことを学校で沢山学べたので、時々在宅ワークで何かできないか、調べてますよ!園芸も続けられてますし、そっち方面も良いですよね〜!」

りおう「りおうは早く研究がしたいです。本当は留学ができたらいいんですけどね。」

リュリュ「支援を受けてても、りおうならきっと留学できるリュ!」

のえる「留学で外出れるんだ。その手もあるけど、お金がないな…。」

りおう「のえるも島外に興味があるんですか?」

のえる「興味というか、親から逃げるっていうのが大きいかな。島の中だと、いつか出くわすかもしれない。」

リュリュ「のえるもふらんも大変リュ…。」

るか「やっぱり、豊かになっても困ってる子どもは多いんだね。資格取って、早く児童福祉関係の仕事したいな。」

メメ「るかも島外に行くメ?」

るか「いや、まずは島の中からどうにかしないと。外から支援が必要な子も来るんだし。」

フィフィ「ゆらは、この島にいたいですフィ?」

ゆら「いたいと言いますか…ゆらは社会でうまくやっていける自信がないので、この島でさえ心配です。小さい頃は親の雑貨屋を継ごうとも考えていたんですけど、手先が器用じゃないですし…。やっぱりゆらも、できる事なら支援が必要な子どもに歩み寄る仕事がしたいです!」

ろわ「皆、それぞれ夢があるんだね。」

ふらん「ろわは?園芸を続けるの?」

ろわ「私は…考えたことなかった。」

りおう「せれんは兎も角、ろわは意外です。てっきり神楽家に不満がないものだと。」

ろわ「神楽家に不満はないよ。ただ、考える必要がなかったというか…」

シュシュ「ろわ…。」

せれん「話終わった?皆でゲームするんじゃなかったの?」

ララ「せれんはすぐ空気を壊すラ。」

せれん「だって皆で新しく発売したゲームするって約束したじゃん。あの課金カード、そのゲーム代に消えたんだけど。」

ヴェヴェ「まさかあのせれんが、皆の為にゲーム買うとは思わなかったヴェ。」

せれん「8人もいたら、普段できないゲームやりたいでしょ。」

シュシュ「シュシュ達もいるシュ!8精霊忘れるなシュ!」

せれん「流石に16個もコントローラーないよ。」


夜も更け、寮でのお泊まり会と同じように、またのえるとふらんだけが起きていた。違うことは8精霊も寝てしまったことと、ここが寮ではなく教会なことだ。

ふらん「またふらん達が最後まで起きちゃったね〜。」

のえる「ヴェヴェとレレも寝ちゃったけどね。

勿忘草、植えられて良かった。」

ふらん「ねえ、勿忘草の花言葉、知ってる?『私を忘れないで』なんだよ!のえるってばあ!」

ふらんはのえるに抱きつこうとするも、止められる。

のえる「花言葉とか知って植えてる訳ないじゃん。そんな事言うなら他のとこに他の花植えよ。」

ふらん「ごめんってえ!ちょっと調べたら運命的な出会いがあって、のえるに話さなきゃって思っただけだよ!」

のえる「別に話さなくていい!」

ふらん「それより、今日は満月だよ!綺麗だね!」

のえる「話の変え方…。」

ふらん「のえる、これからも一緒だよ!」

のえる「はいはい。のえるもふらんと…これからも一緒にいたい。」

ふらん「!!」

ふらんは勢いよくのえるを抱きしめる。

ふらん「ふらんもだよ!のえる!」

のえる/ふらん(本当に、ふらん/のえるには敵わないな…。)

だから逃げよう、一緒に。

きっとまた、悩むこともあるだろう。でも悩みなんて、生きている間消えるものではないから。その度に立ち止まって、考えて、また一緒に逃げよう。

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