Peace6-4
のえるはあの頃と同じように、ふらんの涙を拭った。
のえる「でも…そうだね。一緒にいたら、お互い欠けたものを見つけられるかもね。」
ふらん「…え?」
のえる「何で聞き返すの。ふらんが言ったんじゃん、家族になれるって。法律的には結婚以外、他人が家族になるなんて無理だけど。」
ふらん「…あはは…そうだね。ねえ、一緒にその映画見たい。」
のえる「さっき見たんだけど…いいよ、見よ。」
-夢の中で初めて集った次の日-
ヴェヴェ「レレから聞いたヴェ。ふらんは何故、のえると家族だってこと知ってるヴェ?のえるは双子は死んだと思ってるヴェ。」
ふらん「何でって…パパに教えてもらったから…。」
ヴェヴェ「じゃあ、何でのえるに言わないヴェ。ふらんが言わないならヴェヴェが言うヴェ。」
ふらん「それはやめて。今の関係を壊したくない…。」
ヴェヴェ「…言わないと、後悔するヴェ。悲惨な運命になるヴェ。」
のえる「何で…もっと早く言ってくれなかったの…。」
ふらん「だって、お母さんはふらんのこと嫌いなんだと思ってたから…。それにのえる警戒心強いし、ふらんが双子だって言っても事実確認して、今と同じ流れになるじゃん。」
のえる「それは…。でも、最初から4人に戻ってたら、執着し合わずに済んだかも…」
ふらん「ふらんは元々のえるとしか家族に戻れないって思ってたから無理だよ。のえるだってパパとお母さんが上手くやっていけそうにないって思ったでしょ?そしたら余計に2人で出ていくってなって、親に勘違いされて…今と同じじゃん。」
のえる「…なら、全部間違ってた。のえる達は、一緒にいていい存在じゃ…」
ふらんはのえるの頬を引っ張る。
ふらん「違う!それだけは、のえるに一番言って欲しくない!」
のえる「じゃあ…どうしたら…。」
ふらん「それはまだよく分からないけど、もう会わないっていう逃げ道以外の逃げ道が、あるはずだから!のえるはふらんのこと嫌いなの!?」
のえる「…!そんなわけない!」
ふらん「だからね、避けられて悲しかった!でも、ふらんもずっと言わなくてごめん。」
のえる「ううん、のえるも、ごめん…。自分勝手で…。」
ふらん「それは大丈夫!のえるもふらんも自分勝手だから!」
のえる「…。」
ふらん「つ、つまりさ、似たもの同士が一緒にいるんじゃないかな〜みたいな。」
のえる「それは…そうだね。」
ふらん「兎に角、ずっと言えなくてごめん。」
のえる「ううん、言ってくれてありがとう。でも、これからは隠し事なしだから。もう何も隠してないよね?」
ふらん「うん!」
しばらく沈黙が続いた後、ふらんが口を開いた。
ふらん「ねえのえる、一緒に逃げよ。」
のえる「は?何言ってるの。」
ふらん「パパとお母さんから逃げる。もし6人と守護精霊達が良いよって言ってくれたら、あの教会に住も。」
のえる「だから、のえる達はもう子どもじゃない。そんな身勝手なことしちゃ駄目なんだよ…。」
ふらん「何で?ふらんはふらんでのえるはのえるでしょ?悪いこともしてないのに、それだけじゃ駄目なの?」
のえる「でも、皆に迷惑かけて良い理由にはならないよ。まだギリギリ未成年だから、親の了承がないと一人暮らしもできない。その時点で親から逃げることなんて不可能だし…。」
ふらん「そこは子どもって理由で家が借りられないのおかしくない?」
のえる「おかしくても、それが社会じゃん…。」
ふらん「おかしいものはおかしいよ。やっぱり、まずは皆に聞いてみよ。」
のえる「他人だったら、こんなに苦労しなかったのかな…。」
ふらん「でも他人同士が寄り添いあって家族になるんじゃん。血が繋がってたって他人になれるし、繋がってなくたって家族になれるんだよ。第一、ふらん達が知りたいのは家族愛。親子愛は知ることができなかったけど、双子愛なら知れる。」
のえる「欠けてるものを探すって話?」
ふらん「うん!」
ふらんはのえるを引っ張る。
のえる「ちょっとふらん!?」
ふらん「へへ、例えのえるがまたふらんのこと嫌いになっても、ふらんがのえるのこと嫌いになっても、絶対離れてあげない〜!」
-現実世界 教会-
ふらん「それで相談なんだけど…成人して家が借りられるまで、ここに住んでもいいかな…?」
のえる「家賃いくらか分からないけど、払うから!」
シュシュ「ここに値段なんてないシュ。好きに使うシュ。」
ろわ「シュシュがいいなら、私からは言うことないよ。ここに管理費とかそういうのあるのか分からないけど。」
シュシュ「そんなものないシュ。」
せれん「せれんもここに住みたい。創作捗る。」
ララ「でもインターネットに繋ぐゲームできないラ。」
みれい「いっそシェアハウスしてみたいですよね〜!」
ミュミュ「ミュミュは家がいいミュ。」
りおう「シェアハウスなんてしたら、2人の邪魔になってしまいますよ。」
のえる「いやいや、のえる達だって借りる側なんだから、皆に許諾してもらわないと使えないよ。」
ヴェヴェ「気にすることないヴェ。のえるが快適に過ごせるなら、幾らでもここにいていいヴェ。」
るか「なんかその台詞、物語で見たことある。」
ゆら「甘い話には裏があるっていう教訓ですね…。」
ヴェヴェ「裏なんてないヴェ!」
こうして、ふらんとのえるは教会に居候することが決まった。
親に気づかれないように逃避行の準備をする。
引越しの準備が進んだ頃、ふらんとのえるはとあとさくねにお茶に誘われた。
とあ「2人とも最近忙しそうだったけど、来てくれてありがとう。」
ふらん「バタバタしてて、全然遊べなかったもんね…。それで、用事って何?」
さくね「よくぞ聞いてくれた!クリスマス・イヴにうちの劇団で演劇をするのだけど、良ければ2人には、主役の双子を演じてほしいんだ!」
のえるとふらんは咳き込む。
のえる「何でのえるとふらん…!?とあとさくねでいいじゃん!」
とあ「皆にもそう言われたんだけど…本物の双子が演じるより、お二人の方が適任だと思ったの。」
ふらん「本物…?」
さくね「ずっと隠していて申し訳ない。僕ととあは双子なんだ。」
のえる/ふらん「…えええ!?」
2人は双子故に比べられるのが嫌で、違う服、違う話し方、違う個性にするため研究を重ね、今の個性に落ち着いたそう。
しかし、別々に道を歩んでいたはずなのに、服や舞台が好きなのは一緒で、大学では偶然2人とも芸術学部に入ってしまったらしい。それからは、ビジネスパートナーとしてお互いの個性を活かしあおうと、一緒にいることが多くなったそうだ。
さくね「因みに『波澄』という苗字は芸名で、本当はとあと同じ香椎なんだ。」
ふらん「そうだったんだ…!創造プロデュース科の人とはあんまり授業被らないから知らなかった!」
さくね「それで演劇の話なんだけど、本物の双子がやるよりも雰囲気の似ている他人がやった方が、映えると思ってね。それに今回は朗読者が別にいて、2人は台詞を話さないで、存在してくれるだけでいいんだ!どうかな?」
のえる「…いやいや、のえるとふらんは顔似てる訳じゃないし無理だよ。」
とあ「だからこそよ。学園祭後のパーティでのダンス、とても感動したの。パッと見ただけでは似ていないけれど、雰囲気や纏っているオーラが似ている。まるで長い年月を共にした伴侶のように。」
のえる「それ結局双子じゃないじゃん…。」
さくね「いや、顔のパーツごとを見ると、とても似ているんだよ。それが雰囲気に直結するのかもね。」
ふらんが小声でのえるに話す。
ふらん「どうしよう。これ以上はぐらかしても埒があかないよ!」
のえる「そうだね…バシッと双子だって言って断ろう。」
ふらんとのえるは再びとあとさくねを見る。
ふらん「えっと…あんまり大事にしないでほしいんだけど…ふらんとのえるも双子なんだ。」
とあ/さくね「…ええええ!?」
のえる「だから、2人の言うコンセプトとは合わないと思う…」
さくね「素晴らしい!」
のえる/ふらん「…え?」
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




