Peace6-3
ある日、父と普段行かないショッピングモールで買い物をしていると、写真で見た母にそっくりな人物を見つけた。
ふらん「…おかあ…さん?」
母らしき人物の傍には、ふらんと同い年くらいの子どもがいた。その子はとても可愛らしい服を着ていて、ふらんは直感で双子であるのえるだろうと確信した。
ふらん「お母さん!のえる!」
父「ふらん!?どこへ行くの!?」
父は離されかけたふらんの手を握る。
ふらん「パパ!お母さんとのえるがいたよ!」
父「え…どこに…ってふらん、何でお母さんがいるって分かるの?ふらんに写真見せたことあったっけ?」
ふらん「パパの部屋から見つけた!ねえ、早くしないと見失っちゃう!」
ふらんはもう一度母とのえるがいた方向を見るも、すでに2人はいなくなっていた。
ふらん「あれ…どこ…」
父「…きっと見間違いだよ。」
ふらん「そんな事ないよ!お母さん、写真と一緒だったもん!」
ふらん(それにのえるって子、魔法戦士みたいで可愛かった!お父さんにも内緒でアニメ見てるから、言えないけど…。)
父「それより買い物終わらせて、早く帰ろ。」
ふらん「パパは、家族に会いたいって思わないの…?」
パパ「…もう家族じゃないし、無理だよ。」
ふらん「…分かった!じゃあふらん、のえると結婚する!」
パパ「…え!?!?!?」
ふらん「そしたら、皆で家族に戻れるよ!」
パパ「ははは…そうだね、面白い冗談だね。」
ふらん「冗談じゃないよ!」
パパ「兎に角、もし見つけても話しかけちゃ駄目だよ?」
ふらん「何で!?!?」
パパ「何でも。分かった?」
ふらん「はーい…。」
-数週間後-
ふらんはあれから時々ショッピングモールへ遊びに行っていた。
すると、遊び場で暇そうにしているのえるを見つける。
ふらん(パパには話しかけちゃダメって言われたけど、少しだけなら…)
ふらんはのえるの元へ駆け寄った。
ふらん「ねえ!のえるだよね!?」
のえる「…誰?」
ふらん(そっか、のえるもふらんの写真持ってないから、知らないんだ…。)
のえる「で、誰?」
ふらん「あ、えっと…」
ふらん(名前教えたら、のえると会ったことバレちゃうかも…。そしたらもう会えなくなっちゃう…!)
ふらん「それより、のえる…だよね?」
のえる「うん。何で知ってるの?」
ふらん「何でって…のえるって双子いなかった…?」
ふらんは少しずつ、本当に自分との双子なのかを探ろうとした。
のえる「双子?のえるの双子は、もう死んじゃっていないよ。」
ふらん「…え?」
ふらん(何で…ふらん、死んでないよ…?もしかして、人違い…?)
のえる「…何で、泣いてるの?」
ふらん「え…あ、本当だ…何でだろ…」
のえるはティッシュを取り出す。
のえる「はい。」
ふらん「ありがとう…。…その服、可愛いね。」
のえる「…!うん、お母さんが選んでくれたから。」
ふらん「お母さんと仲良いの?」
のえる「…いつもはのえるに構ってくれないけど…服を買う時だけは、のえるを見てくれるよ。」
ふらん「そうなんだ…。」
ふらん(やっぱり人違いかな…。ふらんのお母さんはきっと、のえるを大事にしてるし。でも…)
ふらん「その服似合ってる!可愛い!」
のえる「ありがとう!」
のえるが初めて笑った。
ふらん「ねえ、今何してるの?」
のえる「お母さんの買い物の付き添い。待っててって言われたけど、暇で…」
ふらん「じゃあ一緒に遊ぼ!」
のえる「うん!」
ふらんはのえると遊ぶのに夢中で、帰る時間が遅くなってしまった。
父「ふらん!」
ふらん「パパ!?何で…」
父「探したんだよ!早く家に帰ろ!」
ふらん「うん…のえる、またね!」
のえる「うん、ばいばい。」
父「のえる?…!!!」
父はのえるを見て固まっていた。
ふらん「パパ?」
父「何…で…」
ふらん「?」
父「早く帰ろう。」
父はのえるとふらんを引き離すかのように、足早にその場を去る。
ふらん「パパ、歩くの早いよ…。」
父「ごめん…。それよりふらん、あの子とは遊んじゃ駄目だって言ったよね?」
ふらん「違うよ!確かにあの子の名前はのえるだけど、ふらんの双子じゃないんだって。あの子の双子は、もう死んじゃったんだってさ。」
父「あの子は…のえるだよ。」
ふらん「うん、のえるはのえるだけど…」
父「あの子は…僕の…子どもで…ふらんの双子のきょうだいだよ…。」
ふらん「え…でも…ふらん、死んでないよ…。」
父「あの人は…お母さんは、きっとそういう事にしたかったんだよ…。」
ふらん「何で…」
ふらん(お母さんにとってふらんって、もしかして、いらない存在?だから隠してる?)
父「兎に角、もうあの子と会うのはやめなさい。」
ふらん「だから何で!?ふらんはのえると結婚して、それで…」
父「いい加減にしなさい!」
ふらん「…!」
ふらんは父の手を振り払い、ショッピングモールへと戻る。
父「ふらん…!」
ふらん(のえるに、ふらんは双子だって、死んでなんかないって言わなきゃ!でも、そしたら…のえるもお母さんみたいに、ふらんのこといらないってなる…?)
ふらんはのえるといた遊び場に戻ってきたが、もうのえるの姿は見当たらなかった。
ふらんが泣いているところに、父が声をかける。
父「ふらんごめん…。帰ろう…。」
ふらん「嫌だ…家族に…戻るんだもん…!」
父「…ふらん、双子で結婚はできないんだよ…。」
ふらん「…え?」
父「ごめんね、でも家族には戻れないんだ。このこと、おばあちゃんに言っちゃ駄目だよ。」
ふらん「何で…?」
父「おばあちゃんは、お母さんのこと嫌いだから。」
ふらん(ふらんは…家族がなんなのか、知りたいだけなのに…。誰も、家族に戻りたくないんだ。)
その後もふらんは何度も家出をして、のえるに会いに行こうとするので、父はふらんを病院に通わせ、のえるを忘れられるよう娯楽を買い与えた。ふらんをなるべく他の人と関わらせる為、大学に進学した際、のえるがいるとも知らずに、ふらんを寮に入れた。
-寮-
のえるとふらんが寮で出会い、暫く経ったある日、のえるが珍しく家族愛の映画を見ていた。
ふらん「のえるが感動系見るの珍しいね。」
のえる「結構前に話題になった映画。一度見てみたくて。」
ふらん「その時見なかったの?」
のえる「流行りにのりたくないじゃん。」
ふらん「のえるらしい…。」
のえる「でも凄く良かった。のえるは家族とかよく分からないし。」
ふらん「…それは、ふらんもそうかも。」
のえる「え?ふらんも?」
ふらん「うん。ふらん、お母さんいないし。」
ふらん(のえる、会えない間にふらんのことお母さんから聞いたかな…。)
のえる「そうなんだ。のえるはお父さんがいない。あと双子も。でも死んじゃったんだって。のえるの方が生まれるの早くて、一緒にいた子は死んじゃったんだってさ。だからお母さんとお父さんの仲が悪くなったらしい。」
ふらん「そう…なん…だ…。」
ふらん(ふらんと双子なこと知らないんだ…何で、少し安心してるんだろ…。パパは必死にのえるのこと忘れさせようとしてたけど、無理に決まってるじゃん。パパはおばあちゃんの言いなりだもん。ふらんを仕方なく育ててたのも知ってる。のえるが唯一の救いで…)
ふらん「ふらんとのえるさ…きっと家族になれるよ…。」
のえる「何言って…何で泣いてるの?」
ふらん(本当に何言ってるんだろう…。お母さんがふらんのこと嫌いなら、それならのえるに気づかれちゃいけないのに…。このままの関係でのえると一緒にいられたら、お互い家族が何か分かる…?)
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




