Peace2-4
-夢の中-
目が覚めると、枯れかけた多肉植物が教会の端に置いてあった。
ふらんは多肉植物を持って教会の中にいるろわに謝りに行く。
ふらん「ろわ!どうしよう…ごめんなさい、ふらんがちゃんと見てなかったから…。」
ろわが多肉植物を受け取り、様子を見る。
ろわ「水やりのしすぎで根腐れしてるのかも。」
ふらん「そんな…先週までは元気だったはずなのに…。ちゃんと見れてなかったのかも…本当にごめん…。」
ろわ「大丈夫、最近雨が続いてたのが影響してるから。兎に角、枯れている部分の葉は根元から取って。それと、枯れてなくて取れた葉はこっちにちょうだい。」
ふらん「う、うん。」
守護精霊の守護知識
守護精霊の守護知識の時間メ。今回はメメが挿し木の方法を教えるメ。
と言っても取れた多肉植物の葉は、土の上に仰向けに置いておくだけメ。これを葉挿しというメ。
でもアロマティカスのような多肉質のハーブの挿し木はやり方が違うメ。こっちを説明するメ。
まず三節目で茎を切るメ。
土に埋める下の葉を減らして、四葉くらいにするメ。
そしたら成長点を取るメ。
四葉のうち、葉2枚の先端をカットするメ。こうすることで、吸収する水と蒸散する水を同じにすることができるメ。
土に挿して水をあげたら、完成メ!
多肉植物は日当たりと風通しの良い場所で育てるメ!直射日光は葉焼けしちゃうメから避けるメ!
ろわは取れた葉を仰向けの状態で土に並べた。
ろわ「こうしておくと、また根が出て多肉植物が増えるから。どうする?また持って帰る?」
ふらんは首を横に振る。
ふらん「昨日、夢を見たんだ。植物が全部枯れちゃう夢。それを見なかったら、多肉植物の存在を忘れかけてたかもしれない…。ごめん、ろわは命を育てるって、こんなにも責任が重いことをずっとやってたのに…それなのに、ふらんは就活に向き合いたくないくらいで…。」
ろわ「誰にでも、向き不向きはあるから。ふらんやのえるには、レレやヴェヴェのような自由な存在が合ってるってことだよ。」
レレ「レ?」
ろわ「ねえ、レレは毎日ふらんに、世話をしてもらってるの?」
レレ「そんな事ないレ〜。レレはふらんに会いたい時に会いに行くし、レレもヴェヴェも普段は鳥として、自分でご飯探してるレ!」
ふらん「そうだったの!?てっきり精霊だからご飯食べないんだと思ってた…。」
シュシュ「シュシュみたいに現実に別の姿を持っていない精霊は食べないシュ。多分フィフィとララもご飯食べてないシュ。」
ふらん「そっか。フィフィはぬいぐるみで、シュシュとララは…何なんだ?」
ろわ「シュシュとララは、この教会じゃない限り、私とせれん以外には見えないらしい。」
ふらん「へ〜。さっきろわが言っていたように、精霊との距離感が、植物との距離感に反映されてるのかな。」
ろわ「どうなんだろうね。でも、ふらんやのえるは、鳥みたいな自由さを感じるよ。」
ふらん「そっか…。ふらん、動物も育てたことないし、レレも世話をしてるって感じじゃないし、でもそれで良かったのかもしれない。ふらんは、植物育てるの…向いてないから…でも!ちゃんと教会の集まりには参加するし、その時だけでも精一杯花を育てるから!…折角、園芸を教えてくれたのに、ごめんね。」
ろわ「謝らないで。こちらこそありがとう。植物に真剣になってくれて。ふらんのおかげで、のえるも参加してくれてるし。」
ふらん「のえるは、何だかんだふらんがいなくても参加すると思うよ。ああ見えて世話焼きだし!」
-現実世界 寮-
ふらん、のえる、るか、せれんは定期的に寮に集まり、ゲームを進めている。
るか「ふらん、全然ゲーム参加しないけど、何かあったの?」
のえる「あー最近園芸を頑張ろうとしてたんだけど、上手くいかなかったみたいで。」
るか「ふらん、お菓子。元気出して。」
ふらん「ありがとう…。このお菓子みたいに、無機質でいてくれたら…。」
せれん「なんかポエム始まったけど。」
せれんが携帯を取り出し、陰気なオーラを放つふらんを撮影する。
のえる「ふらんを勝手に撮らないで!今すぐ消して!」
2人が揉めてる中、るかはお菓子を見ながらふらんの言葉に疑問に持つ。
るか「お菓子は愛でるというより食べるものだと思ってるんだけど。」
ふらん「そうなんだよ!それくらい短絡的であってほしいんだよ!」
るか「?」
ふらん「ふらん、ずっとアニメとか、ゲームとか裁縫とか、自分のペースでできることしかやってこなかった。レレは自分で生きていけるし。でも植物みたいに、頑張って育てなきゃって思うと、自分のペースじゃ駄目だから…。なのに結局、自分のことにしか目が向かなくて、植物を枯らしちゃって…こんなに自分勝手なんだと、自分への怒りが止まらなくて…!」
せれん「大丈夫、ここにいる全員、自分中心的だから。」
のえる「のえるとふらんをせれんと一緒にしないで。」
るか「いや、るかも一緒にされたくないんだけど。」
せれん「そういうところが自分中心的だって言ってるんじゃん。まあ、無機質なゲームが好きな時点で、生き物を育てられるはずないんだけどね。」
るか「偏見やめよう。…でも一理ある…のかな。自分のペースを乱されたくない人にとって、生き物に対しては嫌でも、相手のペースに合わせなきゃいけないもんね。るかはメメと生活できてるけど。」
のえる「そう言われればそうかも…。教会の集まりとかじゃない限り、自主的にできるかと言われたら、のえるはできない。」
ふらん「なるほど!つまりふらんは、無機質を愛でるしかないってわけだね!」
ふらんは一瞬笑顔になったが、また段々と顔が曇り始める。その様子にせれんはため息が漏れた。
せれん「はあ…。まずさ、植物って何で人間の力を借りないと育たないわけ?元々は自生してたんだから、そのまま自力でどうにかしてほしいよ。」
るか「ろわとりおうが話してたけど、元々この島に生息していた植物や、繁殖力の高い植物は自生してどうにかなるらしいよ。つまり、他国から持ってきた植物だったり、一年草は人の手が加わってるみたいだから無理なのかもって。」
のえる「結局人の所為なんだねー。それじゃあ楽に生きたいのか、難しく生きたいのか分からないよ。」
せれん「自分の思い通りにしたいのが人間でしょ。後始末もできないくせに、後世に余計なものを残してさ。誰が苦労すると思ってるんだか。」
るか「そういうせれんは、園芸に参加してないじゃん。」
せれん「別にせれんは植物がどうなろうと興味ないし。枯れても枯れなくてもそんなの植物の勝手じゃん。」
ふらん「確かに!」
せれん「え?」
ふらん「ありがとう、3人とも。ふらん、植物を弱く見すぎてたのかもしれない。ふらん達が世話をしなきゃ駄目なんだって。でもそんなことない。植物も自由にさせていたら、自分で生きていけるんだよね!勿論それじゃいけない花もあるけど、それも含めて、植物な訳だし!」
のえる「う、うん。ふらんが元気になったのなら良かった。」
せれん「じゃあゲームしよー。」
るか「その前にお菓子食べよー。」
この日も4人は寮の門限近くまでゲームをした。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。
守護精霊の守護知識で書いた園芸の知識は、諸説あると思いますので、参考程度に留めていただけたら幸いです。




