Peace2-1
-現実世界-
昼、ふらんが買い物をしていると、何人かに絡まれているのえるを見つける。
ふらん(あれ、のえるだ。話しかけたいけど…周りにいる人は友達?そうだったら悪いな。)
ふらんが通り過ぎようとすると
「よくそんな服で外出られるね!笑」
「ねー目立ちたいようにしか思えない(笑)」
ふらん(え…?もしかして友達じゃない?)
「その服、値段どれくらいするの?」
のえる「2、3万は基本するかな。」
「えー勿体ない!」
「他に使うところあるでしょ!笑」
ふらん「いい加減にしてください!」
大好きな服を着て、笑われたことが脳裏をよぎったふらんは、いつの間にかのえるを庇うよう周りを睨みつけていた。
「何この人?知り合い?」
「似たような派手な服着てるじゃん!この歳にもなって恥ずかしくないの?」
ふらん「…恥ずかしいのは、幾つになってもそうやって人を嘲笑う貴方達の方でしょ!行こうのえる!」
ふらんはのえるの腕を掴み、走ってその場を去る。
のえる「待ってふらん!」
ふらん「もう少しあの場所から離れないと!」
のえる「何で?」
ふらん「何でって…あの人達、いきなりのえるに話しかけて酷いこと言ってきたんでしょ?だったら追ってくるかも。」
のえる「ふらん、それは勘違いだから!」
ふらん「何が?」
のえる「あの人達、バイト先の知り合い!」
ふらん「…は!?」
ふらんが勢いよく足を止めたため、のえるはふらんにぶつかる。
のえる「痛っ…いきなり止まらないでよ。」
ふらん「ちょっと待って…あんなにのえるのこと悪く言う人達が知り合い?バイトでもないのに会う必要ある!?」
のえる「遊ぶ約束してただけ。」
ふらん「だから、遊ぶ必要ある!?」
のえる「仕方ないじゃん。このカードゲームやってるのあの人達しかいないんだから。」
ふらん「仕方なくないよ!ゲームはふらん達とやればいいじゃん!」
のえる「じゃあふらん、このゲームやってくれるの?揃えるの大変だけど。」
ふらん「それは難しい…けど、他に良識のある人探すとか!」
のえる「このカードゲームやってる人少ないんだよ。ネットで探せとでも言うつもり?」
ふらん「それはもっと信用できない!せめて服を揶揄ってこないバイト先にするとか…」
のえる「そんなところないよ。少なくとものえるは見たことない。1人は必ずああいう人がいる。」
ふらん「だからってあんなの…」
のえる「それに、あの人達はまだマシ。裏垢で陰口とか言わないで、直接言ってくるし。」
ふらん「裏垢!?」
のえるは携帯を取り出し、バイト先の人が投稿している内容をふらんに見せた。
ふらん「これ誹謗中傷じゃん⋯。それにのえるだってすぐ分かる。鍵垢ですらないのに、こんなのプライバシーの侵害だよ!」
のえる「最近の人はすぐネットに書き込みしたり、人が映りこんだ写真をモザイクなしで投稿する。もう腐りきってる世界に、個人情報を保護しようなんて言っても遅いよ。」
ふらん「何でのえるは怒らないの!?」
のえる「例え訴訟して運良く投稿が削除できても、ネットから消えたことにはならないし、第一疲れるし⋯。」
ふらん「皆そうやって諦めちゃうから、腐りきった世界になっちゃうんじゃないの!?」
のえる「じゃあふらんがどうにかできるの?」
ふらん「それは⋯でも、許されていい問題じゃない。」
相手を想うほど亀裂が入る。すれ違うふらんとのえるは、どう接するのが正しいか分からず、再び距離を置くこととなる。
-夜-
のえるは布団の中で天井を見上げていた。
のえる(ふらんみたいに、もっと人と関わろうと思ったけど、難しいな。のえるはずっと逃げてばかりなのかな。)
-のえるの幼少期-
のえるは母子家庭で、母のパソコンを見て暇をつぶす毎日だった。母は夜まで帰ってこず、家事も1人でこなしていた。
唯一母と一致した趣味が服だった。普段構ってくれない母も、会ったこともない父も大嫌いだったが、服を買いに行く時だけは、母はのえるを見てくれていた。
しかし、のえるは薄々気がついていた。母はのえるを人形としか思っていないのではないかと。その疑念が確信に変わったのは、母がモデルのオーディションを受けないかと話しかけてきた時のことだった。
母「折角綺麗な顔なんだから、絶対受かるって!」
のえる「えー…別にモデルとか興味ないかな。」
母「でもモデルになったら色んな服着させてもらえるよ。それにのえるが芸能界で活躍したら、私も早く帰ってこられるようになるし!」
やはりこの人は自分のことしか考えていない。偶然好きな服が一緒だったから平穏に過ごせていただけで、もしのえるが違う服を好きだったら、その意見は聞いてもらえなかったのだと察した。
のえる「そんな簡単になれるものじゃないよ。それにのえる、大学で学びたいものあるから。…お母さん…大学生になったら寮に入ってもいい?」
母「いいけど自分でお金だしてよー。」
母は会話に興味をなくしたようで、携帯をいじっていた。
母とこれ以上関わりたくないのえるは、洗っている皿を握りしめ、決意を固めた。
大学まで義務教育で、通常は大学生になると自主性を重んじられ、バイトができるようになる。親子間で問題のある子ども等は支援で寮に入れるが、のえるはそうでないために専門校からお金を貯める必要があった。そこで、社会経験を推奨する、バイトのできる専門校に入り、寮に入るためのお金を貯め、服は母と出かける時になるべく買っていた。
専門校は指定の制服があったものの、アレンジが自由だった。のえるは人一倍拘っていたので、周りからは好奇の目で見られ、友達ができなかった。その目を気にしないようにと、逃げるように身の回りを自分の好きな物で固めていった。
-夢の中-
ヴェヴェ「のえるとふらん、また喧嘩したヴェ。」
レレ「よく喧嘩するレ…。レレ達は一度も喧嘩したことないレ〜。」
ヴェヴェ「それは真の片割れだからヴェ。」
レレとヴェヴェは喧嘩をしない為、何故ふらんとのえるがよく喧嘩をするのか疑問に思いながら、2人の様子を見ていた。
ろわ「ふらん、この苗のえる達にも配ってくれない?」
ふらん「分かったー!」
ふらんは喧嘩していたことを忘れているのかと思うほど、自然にのえるへと苗を運びに行った。
ヴェヴェ「あの2人は喧嘩を隠すのが特技ヴェ?」
レレ「誰もふらんとのえるの異変に気づけないレ…。こうなったら、レレ達が2人を仲直りさせるレ〜!」
ヴェヴェ「ヴェヴェはこのままでもいいと思うヴェ。喧嘩する程度の仲ってことヴェ。」
レレ「でも、喧嘩するほど仲がいいとも言うレ!」
ヴェヴェ「それにも限度があるヴェ。きっと夢の中で集えなければ、あの2人はとっくに疎遠になってるヴェ。」
レレ「なら尚更、レレ達の役目はふらんとのえるの仲を取り持つことレ!ヴェヴェお願いレ!協力してほしいレ!」
ヴェヴェ「ヴェ…仕方ないヴェ。でもどうやって仲直りさせるヴェ?」
レレ「ありがとうレ!レレに考えがあるレ〜!」
レレはのえるとふらんが2人きりになれば、もっとお互いのことを話し、知ることができて仲が良くなるのではないかと考えた。
休憩時間、レレはふらんを山の奥まで行かせることにした。
レレ「ふらん〜山の中に良い場所があったレ〜!」
ふらん「本当!?気分転換に良いかも〜。」
レレ「一緒に行くレ〜!」
山の奥深くまで進むレレを、ふらんは必死に追いかける。
ふらん「レレ早いよー…。」
レレ「もうちょっと上レ〜。この辺りだった気がするレけど…。(ごめんレ、ふらん!テキトーに歩いてるからレレもここがどこだか分からないレ!)」
ふらん「一度戻らない?このままじゃ帰れなくなっちゃう。」
レレ「夢の中だからちゃんと現実に戻るレ!」
ふらん「でもこの後も園芸の手伝いしなきゃなんだけど…。」
レレ「レ…あ!ココドコレ!?帰り方がワカラナクナッチャッタレ〜!」
ふらん「えー!?どうしよう…兎に角降りなきゃ!」
レレ「山で無闇に動くと危ないレ!ふらんはここで待つレ!レレが空から帰り道を探してくるレ〜!」
ふらん「レレ!大丈夫かな…。でも動いたらレレとも合流できなくなっちゃうし…。」
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




