Peace5-1
-現実世界 数週間後-
のえる「どうやったら2人ともバイトに全落ちするの…?」
半個室のカフェでのえるの声が響く。
りおうとみれいは興味の幅を広げ、なるべく多くのバイトの面接を受けたが、どれも受からなかった。
のえるの要望でお茶を奢る代わりに、バイト面接のアドバイスをもらうこととなった。
りおう「その理由がピンと来ないので、のえるとふらんに相談にのってもらおうと思いまして。」
みれい「ずばり、何がいけないのだと思いますか!?」
のえる「折角おごってもらうんだし、ちゃんと応えたいんだけど、面接自体を再現してもらわないとアドバイスできないんだよね…。」
ふらん「でも一つ言えるとしたら…みれいの志望動機、ちょっと何言ってるか分からないかも。」
みれい「どれです?」
ふらん「例えばカフェの面接の時、『装飾の勉強をしたいから』って書いてあるけど、接客業だしもう少しお客さんのことを考えた特技を活かす自己アピールの方がいいかなって。」
のえる「志望動機って言っても、結局はどう会社に貢献できる人材なのかが重要だからね。」
りおう「ですが、りおうはそこで活かせる特技などありません。よくバイト経験者歓迎、という求人を見かけますが、一度もバイトしたことありませんし。」
のえる「未経験者歓迎なら、特技なんて多少盛っても大丈夫だって。自信もって行かないと受からないよ?」
みれい「自信は持っていきましたよ!『りおうと一緒に働かせてほしい』って!」
ふらん「それって、友達とも募集歓迎ってバイト?」
みれい「何ですかそれ?」
のえる「ちょっとー!それだとりおうが受かる可能性あっても一緒に落ちちゃうじゃん!何なら2人一緒じゃないとやる気ないのかって思われちゃうでしょ!」
みれい「はい!りおうと一緒じゃないとやる気出ません!」
ふらん「それじゃあ向こうにとってはデメリットが生じるから、受からないかも…。」
みれい「そうなのですか!?りおうごめんなさい…足引っ張ってしまいました。」
りおう「最初からそんな予感はしてました。」
のえる「そう言えば気になったんだけど、まさか2人とも、今の服装で面接行ってないよね?」
みれい「この服は着て行ってませんよ?」
のえる「そうじゃなくて、みれいはそういう白くてフリフリした服、りおうはクラシカルな服で行ってないかって意味。」
りおう「…重要な場所に行く時は、フォーマルな服で行くのではないんですか?」
のえる「そんなんで受かる訳ないでしょおお!確かに清潔感は最優先だけど、バイトは寧ろ質素な感じで行かないと、お金を必要としてるように見えないじゃん!」
みれい「でものえるだって、いつもフリフリの服着てるじゃないですか。」
のえる「バイトで着てる訳ないでしょ。指定された地味な服でしか行かないよ!」
みれい「そ、想像がつきません…まずそんな服持ってないですし…。」
ふらん「のえるとふらんはバイト用の服何着か用意してるって感じだよ。」
りおう「そうなんですね…。何故面接に受からないのか、痛感しました…。」
頭を抱えるりおうに、のえるとふらんは顔を見合わせる。
のえる「神楽家にバイトしに行くじゃ駄目なの?」
みれい「一理ありますが、りおうは…」
ふらん「家で色々あったんだもんね…。」
りおう「…それに、まさか神楽家からお金を頂いてることが親にバレたら…」
のえる「でも今、夢で作業してる分ももらってるじゃん。」
りおう「日記によると、りおうは受け取っていません。」
3人「えー!?」
のえる「勿体ない!あんなに頑張ってるのに!」
みれい「でも本来の目的は贖罪の為ですし。みれいもお金もらうの申し訳なくなってきました…。」
りおう「ろわや師匠さんが良いと言っているのですから、それは気にすることはありません。りおうはボランティアということにしてもらっています。」
のえる「いやいや、りおうとろわが一番頑張ってるのにボランティアで済まされないでしょ。お金の切れ目は縁の切れ目なんだから、そこはちゃんとしないと困る。」
ふらん「でも、元は贖罪の為なんだから、お金問題はそれぞれが決めても良いんじゃないかな?強要するものじゃないし、せれんみたいに園芸しないって選択肢も一応あるんだから、逆があってもいいと思う。」
りおう「それに夢の中ですからりおうが働いたという証拠は残りません。ですが、万が一現実で神楽家を行き来しているところを見られたら…。」
みれい「もしりおうが家を追い出されても、みれいの家に来れば良いだけの話です。それにりおうは貯金しているのですから、反抗しても困ることはないのでは?」
りおう「貯金も、まだリュリュと長期間住めるほど貯まっていません。バイトはもっと早くから始めたかったのですが、体調面でできることが少なくて…いざ始めようと面接に行ったらこの有様で、不甲斐ないです…。」
ふらん「じゃあ尚更、神楽家に相談したらどうかな?師匠も優しい人だったし、りおうに合った働き方、探してくれるかも。」
のえる「のえるもそう思う。例え神楽家で働かなくても、他に植物のために働けるバイト、知ってるかもしれないし。」
みれい「人手不足ってろわもよく言ってましたもんね。そうと決まればまずは、ろわに連絡してみます!」
りおう「2人とも、アドバイスありがとうございます。みれい、りおうもろわに連絡してみます。」
みれいとりおうは約束通りのえるとふらんにお茶代を奢って解散した。
-休日-
みれいとりおうは神楽家を訪れた。
しかし、みれいだけが園芸の体験をし、りおうは見学という形をとった。
みれい「今日はよろしくお願いします。」
ろわ「こちらこそよろしく。りおうは本当に見学でいいの?」
りおう「はい。やはり神楽家からお金を頂くことはできません。」
ろわ「夢の中でも受け取ってくれないもんね。師匠も心配してたし、体験終わったら相談に行こ。」
りおう「ありがとう…ございます。」
みれい「それで今日は、何をするのですか?」
ろわ「その前に園芸の基本。」
そういうと、ろわは業務用の冷蔵庫を紹介した。
みれい「すごいです!テーマパークやお祭りでしか見た事ありません!」
ろわ「夢の中と違ってまだ暑いから、水分補給はこまめにして。あと塩分の入った飴とか塩昆布、梅もおすすめ。体調悪くなったら遠慮なく言って。」
みれい「至れり尽くせりです。ありがとうございます!」
守護精霊の守護知識
今日は夢の中ではなく、神楽家からシュシュがお送りするシュ。
紹介するのは剪定方法の一つ、切り戻しシュ。
開花時期が長い植物は、梅雨入り前と夏が終わる頃どちらもやるのがおすすめシュ。生長しすぎた部分を切ってコンパクトにしたり、風通しを良くするためにお手入れするシュ。
花も切るから心が痛むかもしれないシュが、元気な枝や茎に栄養が行く為と思って頑張るシュ。
因みに、切り戻しをすると2、3週間、それ以上開花しないシュから、開花時期が短い植物は切り戻しの必要がないシュ。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。
守護精霊の守護知識で書いた園芸の知識は、諸説あると思いますので、参考程度に留めていただけたら幸いです。




