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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
〜眠れる祝福〜
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Peace4-4

-神楽家 当日-

7人が神楽家を訪れると、玄関先でろわと師匠が待っていた。

ゆら「は、初めまして!双葉ゆらです!きょ、今日はわざわざお忙しい中…」

せれん「ゆら緊張しすぎ。師匠はゆらのこと食べたりしないよ。」

ゆら「そんな事思ってませんよ!?」

師匠「賑やかな方達ですね。ろわがいつもお世話になっております。神楽りんねと申します。今日はよろしくお願いいたします。」

ゆら、るか、のえる、ふらん、みれい「よろしくお願いいたします…!」

りおう「…お久しぶりです。その、親が多大なご迷惑を…」

師匠「いいんですよ、りおう。貴方は何も悪くありませんし、私が不躾なことを言ってしまっただけですから。」

みれい「そういえば、宝華家と神楽家の間に何があったのか、聞いた事ありませんでした。」

のえる「みれい、誰だって話したくないこともあるんだよ。」

みれい「すみません…。」

師匠「良いのですよ。皆さんこんな辺鄙なところまで来てお疲れでしょう。りおうが良ければ、少し年寄りの話でも聞きながら休憩してください。それから園芸を始めましょう。」


神楽家は宝華家の分家にあたる。神楽家は宝華家に植物を提供し続けてきたが、花をプリザーブドフラワー等の装飾として扱いたい宝華家と、自然の摂理に反するようなことはしたくない神楽家とで揉め、険悪になっていた。

宝華家は神楽家との縁を一方的に切り、りおうはろわとも仲良くするなと言われてしまった。


みれい「りおうが行きたがらない理由がやっと分かりました。親に見つかってしまったら億劫ですもんね。」

るか「親が親戚と仲悪いと大変だよね。何故かこっちも巻き込まれるし。」

ゆら「るかの家も、そうでしたよね…。」

りおう「やはり、ここにいるべきでは…」

ろわ「師匠が歓迎してるんだから大丈夫。園芸するよ。」

師匠「ろわの言う通りです。折角来られたのですから、聞きたいことがあったら仰ってください。私で良ければお答えします。」

ゆら/るか/のえる/ふらん/みれい/りおう「よろしくお願いします!」


庭に出て、師匠の指導の元に園芸を教わる。

せれんは夢の中と同じように園芸を手伝わず、近くの木陰でゲームをしていた。

ゆら「それで、植物をすぐ枯らしてしまって…毎回、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。もしかしたら、枯らしすぎて植物に呪われてしまうのではないかと…。」

るか「そんなに思い悩んでたんだ。」

師匠「植物は、そのようなことでゆらさんを呪ったりしませんよ。それに、私達は植物に生きていきやすい環境を提供しているだけ。そこから育つかどうかは、植物次第です。」

ふらん「あ、あの、ふらんも一度、ろわから貸してもらった多肉植物を枯らしかけてしまったことがあって…。皆に励ましてもらって罪悪感には駆られなくなったんですけど…。

植物って元々自分の力で繁殖し続けていましたよね?どうして、育てないといけない植物が存在するんですか?」

師匠「どうして…なのでしょうね。

現在、科学の発達により、本来なら今も存在していたはずの植物が、人間の手によって滅ぼされました。ですが皮肉なことに、今人の手が加えられていなければ、絶滅していた花も確かにあるように感じます。この島も大分、緑が少なくなってしまいました。

ですから私はせめて、自分の手が届く範囲だけでも、植物を育て、共存していたい…というのは、答えになっていますかね。」

ふらん「…それならやっぱり、ふらんは師匠さんやろわの大切な植物を枯らしかけてしまいました。ごめんなさい。」

師匠「いいのですよ、ふらんさん。植物をただ守ることを、私は共存とは思いません。確かに、命を育てるということは、それ相応の責任が伴います。ですがそれ以上に、植物と自分との生活の相性、どんな植物となら自分は生活できるのか。人間関係と同じように、植物にも種類だけでなく、個々での相性があります。ですから無理に育てようとせず、ゆっくり観察するところからで良いのですよ。」

ふらん「…はい!ありがとうございます!」

せれん「じゃあせれんは植物と関われそうにないから、引きこもってゲームしてよー。」

ろわ「せれん、少しは一緒に… 。」

のえる「まあでも、せれんが植物と共存してるの、想像つかないかも。ほっといて全部枯らしてそう。」

せれん「そうそう、それだったらせれんが育てない方がいいじゃん?植物にとっては迷惑でしかないんだからさ。」

ゆら「やっぱり、植物を育てるにも向き不向きがありますよね…。ゆらが育てて枯らした花も、ちゃんとした人が育てていれば…。」

るか「うーん、ゆらのそういうネガティブなところが、花にも影響してるんじゃない?」

ゆら「え?」

るか「やっぱり育て親と、その親に育てられた子どもって少なからず似るんじゃないかな。残酷だと思う部分もあるけど、るかは花を育てて、なんか自分を見てるみたいだと思った。」

ゆら「自分を…?」

るか「うん。不思議なんだけど、落ち込んでる時に育てた花って、どこか元気なくて、楽しい気持ちで育てた花って、生き生きとしてる…気がする。現にるかが夢の中で、ただ深夜テンションの状態で育てた花って、生き生きと育ってるのに皆の花より先に枯れることが多いから。」


そんな話をしていると、玄関の方から人の声が聞こえた。

???「こんにちはー!先生、いますか?」

師匠「少し待っていてくださいね。」

しばらくして、師匠と誰かが戻ってくる。

みれい「ゆうり先生!?」

ろわ「みれい、知り合いなの?」

みれい「はい!」

ゆうり「みれい!この前ぶりだね!それに宝華さんも!」

師匠「この方は私の教え子で、天王寺ゆうりさんと言います。」

ゆうり「初めまして、天王寺ゆうりです。いきなりおしかけて、ごめんね。」

ろわ「いきなりなのはいつもでしょ。」

りおう「ろわも知り合いなんですか?」

ろわ「うん。時々今みたいにいきなり来る。」

ゆうり「まあまあ。ろわもせれんも、小さい頃から面倒見てあげてるでしょ?」

せれん「面倒見られた覚えない。」

ふらん「4人も知ってる人がいるなんて、もしかしてゆうり先生って顔広い!?」

ろわ「確かに師匠程ではないけど、色んなことやってる。」

師匠「そろそろ、休憩にしましょうか。今、飲み物を用意しますね。」

ゆうり「何言ってるんですか!そんなこと私がやるので先生は休んでいてください!ろわ、せれん、手伝って!」

せれん「今自分でやるって言ったじゃん。」

ろわ「昔からこき使われてるんだから今更だよ⋯。皆はリビングで休んでて。」

そう言って、ろわとせれんはゆうりの方へとついていく。

るか「あのせれんを従えるなんて、一体何者なんだろう⋯。」

のえる「弱みでも握られてるんじゃない?」

ゆら「と、兎に角、お言葉に甘えて休憩させてもらいましょう。」

家へと戻る中、りおうはみれいが不貞腐れていることに気がつく。

りおう「⋯?」

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

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