Peace4-2
りおうは夜、一人暮らしの家へ帰ろうとすると、母親が声をかけてきた。
りおう母「あの家、誰がお金を払っていると思ってるの?」
りおう「…!すみません、すぐに出ていきます。」
りおう母「それでどこへ行こうと?まさか花城さんの家に居候するつもり?」
りおう「それは…考えていません。」
りおう母「考えてから発言しろといつも言っているのに。…あの子と今後も関わる気?」
りおう「はい。みれいは母上から好ましく思われていないと分かっていても、りおうの為とここまで来てくれました。」
りおう母「そう。じゃあ一度だけチャンスを与えます。大学にいる間は一人暮らしの家も私が払い続けるし、あの子といることを見逃す。でも大学を卒業したら潔く諦めて、社長を継ぐこと。いい?」
母はまだりおうが社長を継ぐ気があると期待しているのだろうと考えた。
りおう「(きっと研究方面に進むことを伝えたら、全力で阻止してきて、最悪の場合周りを巻き込む手段を選びかねない。卒業までは言うことを聞こう⋯。)⋯分かりました。」
淡白な返事をし、りおうはリュリュの待つ家へと帰った。
-夢の中-
りおう「それで、大学を卒業するまでは一人暮らしをさせてもらえて、みれいとも関わって良いそうです。」
みれい「良かったです!!まだ全部が解決した訳じゃないですけど、前よりずっと良い兆しですね!」
りおう「あとは本格的にお金を貯めないといけませんね。支援だけでは限界がありますし、バイトをしないと…。」
みれい「それならみれいもバイトしたいです!自立するためにも、まずはバイトで今自分がどのくらい何もできないのか思い知りたいので。」
りおう「…言いたいことは分かりますが、それではお金を稼げないでしょう…。」
みれい「まあそれは後々考えるとして、今日は約束のデッサンの日です!」
りおう「りおうは参加しませんけどね。それより、皆誘えたんですか?」
みれい「りおう以外全員許諾済みです!」
りおう「せれんとろわも!?」
みれい「はい!」
-回想 夢の中-
ろわ「モデル?」
みれい「ここの教会とか精霊たち、ろわ達もデッサンして、創作の参考にしたいのです。」
ろわ「⋯そういうのはりおうに頼んだら?」
みれい「りおう?なんでですか?」
ろわ「なんでって⋯(両片想いじゃないのかな⋯)りおうとは現実でも仲良いんじゃないの?」
みれい「法的伴侶制度の相棒だから、仲良いって思ってくれてるのです?」
ろわ「うん。だからりおうをデッサンしたら?」
みれい「りおうはモデルになりたくないと、断られました。」
ろわ「拒否済みだったか。うーん⋯他の人もモデルならいいよ。」
みれい「本当ですか!これでりおう以外全員に許可取れました!」
ろわ「え?せれんOKしたの?」
みれい「はい!今度一緒にゲームする代わりに。」
ろわ「案外ちゃっかりしてるね。」
みれい「なんのことですか? 」
みれいはわざとらしく微笑む。
6人と8精霊が自由に花飾りを作る中、みれいはデッサンを始める。
りおう「皆動いてますけど。」
みれい「流石に長い間止まっててもらうのは申し訳ないので、配置から移動しなければという条件で呑んでくれました。」
りおう「みれいは絵を描くの好きなんですね。」
みれい「そうなのですか!?」
りおう「え?そうじゃないんですか?」
みれい「まあ、好きというか嫌いというか好きというか…」
りおう「何で芸術学部に行ってるんですか…。」
みれい「それは…絵を嫌いになりたくないからですかね。」
りおう「…?」
みれい「みれいは、勉強を大好きという気持ちが消された時からずっと、好きなものが嫌いになることが怖いのです。絵も同じです。世間は絵を上手とか下手とか、良いとか悪いとか、そういう評価をする。だから、その評価から離れる術を探してるんです。」
りおう「それで持ち込みでも絵柄を変えないんですか?今のままじゃ入れないって言われてるのに。」
みれい「…もしかして入りたくないのかもしれない…?分かんなくなってきました。
だけど、何かに合わせて絵を嫌いになるくらいなら、それでいいのかもしれません…。分かりませんね。自分でも何をしたいのか分からないです。」
りおう「すみません、踏み込みすぎました。」
みれい「いいえ。りおうのそういう、土足で踏み込んで気づかせてくれるの、ありがたいです。」
りおう「皮肉ですか?」
みれいは少し笑ってデッサンの続きを描いた。
日記以外ここで描いたものは持ち帰れない為、色を塗ってから教会に飾ることとなった。
ミュミュ「デッサンじゃなかったミュ?」
みれい「筆がのってしまいまして、普通に絵を描いていました。」
ゆら「フィフィが可愛く描かれてて良かったです…!」
ふらん「みれい、こんなに現実に寄せた絵も描けたんだね!」
せれん「せれんの電子ピアノまで描いてある。」
みれい「最初デッサンでしたからね!」
リュリュ「これだったら出版社に持ち込んでもマシな結果になりそうリュ。」
みれい「え!?そんなに普段の絵と違いますか!?」
りおう「少なくとも持ち込み用に見せてもらった絵よりは断然受け入れられやすいですね。」
みれい「そんな…それじゃあみれいの個性が消えます!却下!」
ゆら「でもこの絵、みれいが描いたってすぐ分かりますよ。」
ろわ「ここが夢の中っていうのも関係してるかもだけど、幻想的で綺麗。」
るか「独特さは消えてないから、もう少し分かりやすくしないと難しそうだけど、絵柄で分かるよね。」
みれい「そんなに分かりますか?みれいは自分が描いた絵がどう見えているのか、分かりません。」
のえる「自分の思ってる以上に、自分って出るものだよ。少なくとも、身近な人の作品はすぐ分かる。」
ふらん「ふらんもそう思うな!自分の好きを貫いていたら、勝手に形になってるし!」
みれい「確かに皆のこと、見ればすぐ分かります。見た目もそうですけど性格も。頑張りすぎなくて、いいのですね。」
ミュミュ「猫みたいにのんびりが一番ミュ。」
レレ「鳥みたいにのんびりレ〜。」
メメ「犬ものんびりしてるメ。」
ヴェヴェ「犬も猫も騒がしいヴェ。鳥が一番ヴェ。」
メメ/ミュミュ「喧嘩売ってるメ/ミュ?」
その光景はだいぶ慣れたものだったが、考えればぬいぐるみに犬、猫、鳥、そして謎のララとシュシュ達が守護精霊なことの不思議さを忘れてはいけない、この夢の中を創作に活かすとみれいは決意した。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




