Peace3-5
-現実世界-
りおうは外に出る元気がなく、みれいに『次に会う予定の日は用事があって行けない』と連絡をする。
しかしみれいは、学校を休んでいるりおうが心配になり、家までお邪魔した。
りおう「今日は用事があると言った気が…」
みれい「こんな昼間までパジャマ姿で用事って、ゲームとかですか?」
りおう「違いますけど…折角来たのなら上がっていきます?」
みれい「いいのですか!?お邪魔しまーす!」
りおう(呼んだの、リュリュですね…。)
りおうはリュリュに視線を送るも、リュリュはいつも通り窓辺で眠っていた。
みれい「今までは家でゆっくりなんてなかったので、こういうのもいいですね!」
みれいが部屋を見渡す。
みれい「一人暮らしの部屋って、こんなにおしゃれなんですね…!」
りおう「…親のおかげです。」
みれい「そうなんですか!でもりおうの親って、厳しい方なんじゃなかったでしたっけ?一人暮らしは許可してくれたのですね。」
りおう「はい。りおうの親はいつも、りおうの幸せを願っています。だから、社長になるためなら、何でもしてくれる。とても恵まれているし、幸せ…なんです。」
みれいには、りおうの声が震えて聞こえた。
みれい「…強迫のように言い聞かせる幸せって本当の幸せなのですか?」
りおう「…。」
みれい「りおうって心を殺して生きてますよね。」
りおう「…心を殺してる人に言われたくないです。」
りおうは親同士が仲良くないことから、恨みや憎しみは何も生まないと悟った。だからこそ、りおうはやりたいことができなくても、宝華家と神楽家の仲が悪くなっても、両親に怒りをぶつける気にすらなれなかった。
りおう(病気が治ったあの時から、幸せだと思っているのに⋯。傍からは心を殺しているように見えるのでしょうか⋯。)
みれい「じゃあ今だけは、言っていいということにしましょう。」
りおう「…はい?」
みれい「ここからは嘘禁止です。お互いの家のこと、家の方針をどう思ってるか、全部嘘なしで話しましょう。」
みれいとりおうはやっと、お互いの過去のこと、家のことについて知ることができた。
みれいの家は医者になることが人生の全てだったこと、小さい頃はあまり親と遊べなかったこと、途中で病気になったため美術の道に進んだこと、それを今も父親はよく思っていないこと。
りおうは病気がちだったこと、それ故に親に沢山迷惑をかけたと思っていること、花を育てたい為、社長を継ぎたくないこと、しかしその考えに罪悪感があること、できることなら穏便に家から離れたいこと、そしてりおうは先日親から伝えられたことをみれいに正直に話す。
りおう「といった感じで、多分りおうとみれいの法的伴侶制度は破綻すると思います。」
みれい「そんな…りおうの髪って地毛じゃないのですか!?!?」
りおう「大事なところはそこではないでしょう…。」
みれい「いや大事ですよ!みれいはりおうの地毛すら知らないんですよ!?仮期間とはいえ、相棒として有るまじきことです!そんなにみれいは信用されていないのですか!?」
りおう「別に地毛は信用問題で見せていない訳ではないので。」
みれい「でも、昔から染め続けてるって髪に悪いですよ!事情は分かりますが、りおうが消えそうなんて、一度も思ったことありません。寧ろ図太いです。ですのでみれいにだけでも地毛見せてください!」
りおう「最後の言葉が言いたかっただけじゃないですか…。話を戻しますよ。」
みれいはりおうの地毛を見たい気持ちを落ち着かせるため、紅茶を一気飲みした。
みれい「美術は社会から逃げた人が行き着くところ…ですか。みれいの場合間違ってないので反論できないところが厄介ですね!」
りおう「笑い事じゃないでしょう…。やっぱり、2人でも良い解決策が思いつきません。」
みれい「…みれいも今のりおうみたいに、ストレスでなかなか学校に行けなかった時期がありました。専門校の時と大学に入った時だったので、環境の変化もあるとは思うのですけど。最初は小さい頃から朝起きるの苦手ですし、沢山寝るしでそれが酷くなったのかなとしか思っていなくて、ストレスの怖さを見誤っていました。出席日数が危なくなってきた頃、ママや病院の先生、ゆらやふらん、ゆづきや学校の先生の協力もあって、少しずつ学校に行けるようになったのです。だから周りの協力って有難いなって思いますよ。」
りおう「みれいはどんなに人を信じられなくなっても、また誰かを信じようとできるのですね。到底真似ができない、凄い力だと思います。りおうはこれ以上、りおうの問題に巻き込みたくありません。」
みれい「じゃあ、りおうの家に行って直談判しましょう。勿論、ママにも同行してもらいます。」
りおう「本当に人の話聞いてませんよね…!」
みれい「聞いてますよ?それにりおうは勘違いをしてます。みれいだって信じる相手は選んでるつもりです。りおうのように誰かを巻き込んでいることを考えられない。だからみれいからしたら、りおうの方が凄いと思います。そんなりおうの力になりたいと思う理由は、もう十分な程ありますよ?」
りおう「…本当に…いいんですか?嫌な思いをさせてしまうかもしれないのに…。」
みれい「任せてください!まだ、りおうに一緒に死のうって言われてませんから!」
りおう「…頼りにしたくない発言ですね。」
みれい「一番信頼できると思ったのですけど。と言っても今回の件でりおうの助力になりたいのは、それが理由ではありません。りおうが困ってるから、それだけです。」
りおう(何故、そこまでしてくれるのでしょう…。)
みれいとりおうは宝華家に行く予定を立て、その日は解散となった。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




