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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
〜眠れる祝福〜
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Peace3-1

-夢の中-

ろわ「今日は大学からの依頼なんだけど、日射しが強い教室に、緑のカーテンを作りたいらしい。」

りおう「それは、園芸サークルでやればいいのでは?」

ろわ「学園全体に取り入れたいんだって。だけど今、園芸サークルの人に後の世話を任せられないか聞いてるみたい。」

ふらん「そう言えば、ろわは園芸サークルに入ってないの?」

ろわ「街を見回るから早く帰りたいし、農学科は他に世話してる場所があるから。」


守護精霊の守護知識

今回は教会からララが、緑のカーテンの作り方を紹介するラ!緑のカーテンといえば、アサガオやゴーヤが有名ラけど、7人と7精霊の皆はクレマチスで緑のカーテンを作るみたいラ。

まずは、横長のプランターを用意するラ。プランターへの苗の植え方は、鉢植えと同じ感じラ。小さいプランターだと必要ないラけど、野菜を育てる時や、大きなプランターを使う時は、土を入れる前に、軽石を入れることをおすすめするラ。根腐れを防いでくれるラ。

クレマチスは根元が日陰になるように、プランターは蔓を絡ませるネットの後ろに置くラ。

支柱の手前には、他の花を植えると華やかになるラ!

今回は学校だから、ネットタイプを使うラ。プランターに支柱を固定して、天井に固定している支柱にネットを吊り下げるラ。これで一通り完成ラ!

クレマチスは多年草だから、来年も楽しめるラ!


特に日光が当たる校舎の一面だけ、プランターを置き、ネットを張った。

るか「ここだけでいいの?」

ろわ「まずは試してみて、上手くいったら他の校舎にも作るらしいよ。それに一気に設置したら、私達も園芸サークルの人達も大変だし。」

リュリュ「ここだけでも広いリュ⋯。」

りおう「大学はもっと広いので、お試しならこのくらいがいいですね。」

ゆら「それに、ここの花達が無事に咲くかを見てからの方が安心ですし⋯!」


-現実世界 大学-

みれいは日記に書いてあった緑のカーテンを見るため、園芸サークルへ見学にきていた。

緑のカーテンは園芸サークルの人が世話をしてくれていた。クレマチスの蔓が偏らないように、ネットの左右に蔓を誘因してくれている。

サークル活動は終わりかかっていたようで、ゆづきは木陰で絵を描いていた。

みれい「スケッチブック、新しくしたんですか?」

ゆづき「うん。園芸サークルで育てた花を描いてたんだけど、気づいたら他の花も描くようになってて。」

みれい「流石ゆづきです!みれいも隣で描いていいですか?」

ゆづき「勿論!でも、宝華さんに用があって来たんじゃないの?」

みれい「りおうに?何でです?」

ゆづき「え、だって好きだって言ってたから…」

みれい(そう言えばそんなこと言いました…!)

みれい「今日は緑のカーテンが見たくて来たんです。」

ゆづき「そうだったんだ。」

みれいはゆづきの隣に座り、ゆづきの絵を見させてもらう。

ゆづき「…描かないの?」

みれい「描きたいのですけど、いつ見てもゆづきの絵っていいなって…。」

ゆづき「⋯!嬉しいけど、いきなりどうしたの?⋯見てても面白いことないよ?」

ゆづきは照れながらそう言った。

みれい「でも実際、みれいが現実世界も描こうって思えるようになったのは、ゆづきのおかげですし。」

ゆづき「最初のみれいは、今よりも抽象的な絵ばかり描いてたもんね。」

みれい「はい。心と向き合えればなんでも良かったんです。だけど芸術学部に入った以上、それだけでは単位はもらえないし、右も左も分からなかったみれいに、ゆづきが話しかけてくれました。」


-回想 みれいとゆづきの出会い-

ゆづきは専門校でも美術を選択していたため、大学での空気感は特に変わらなかった。

ある程度知り合いもいて、絵を描いては提出する日々。そんな中に、明らかに初めて美術の世界へ来た雰囲気の人がいた。

普通は皆、先生のスタンスに合わせて作品を作るが、その人、みれいは先生が求めているものを理解できていないのか、または理解しているのに故意に沿わないのか、不思議な作品ばかり提出していた。それを面白いと思う人と、毛嫌いする人がいた。

ゆづきはこの時、SNSにあげていたイラストに「〇〇の真似だ」、「〇〇と絵柄が似ている」といったコメントが多くついていて、自分を絵を嫌いになりかけていた。そこでふと、みれいに絵を見せたくなった。

ゆづき「あの…花城さん。」

みれい「はい?」

ゆづき(やっぱり、不思議な絵を描く人だな…基礎をあまり知らないみたいだけど、だからこそ自由な絵…。)

みれい「…どうしたのですか?」

ゆづき「あ、のね、花城さんの絵、凄いなって思って…それでなんだけど、ちょっと質問してもいいかな?」

みれい「ありす…さんでしたっけ?」

ゆづき「有栖川ゆづきです。」

みれい「有栖川さん。何でしょう?」

みれいは筆を止めた。

ゆづき「ありがとう。最近、自分の絵がどう見えてるのか気になって…こういう絵を描いてるんだけど、どう思う?」

みれいはゆづきに渡されたスケッチブックを開く。

みれい「…綺麗。」

ゆづき「ほ、本当に?なんか、見たことある絵だとか、ありきたりだとか、そういう感じしない?」

みれい「何でそんなに自分の絵を下げて見てるのですか?親しみやすい絵、という意味では悪く言えばありきたりになってしまうのかもしれませんが、それも曲解してます。」

ゆづき「そっか…。ちょっと自信なくしすぎてたかも。」

みれい「みれいも質問、していいですか?」

ゆづき「うん!何?」

みれい「有栖川さんは、どのくらいの頻度で絵を描いていますか?」

ゆづき「頻度?毎日…かな。」

みれい「毎日!?」

ゆづき「う…うん。教室にいる殆どの人が、毎日絵を書いてると思うよ。」

みれい「やっぱり…そのくらい描かないといけないのでしょうか…。」

ゆづき「どうしたの…?」

みれい「先生に言われたのです。基礎がなってないから、もっと対象を見て絵を描けって。でも、みれいが描きたいのは花瓶じゃないです。」

ゆづき「なるほど…。だけど、現実を見れば見るほど、インスピレーションにも繋がってくるし、基礎的な考えが身についたら、描きたかったものも描けるようになって楽しいよ!」

みれい「そうなんですか…!じゃあ、デッサンとかもちゃんとやってみようと思います。ありがとうございます。有栖川さん。」

ゆづき「こちらこそありがとう!」


2人は緑のカーテンを眺めながら、思い出に耽っていた。

みれい「ゆづきのおかげで、みれいは現実逃避の為の絵が、現実と向き合う為の絵に変わりました。」

ゆづき「ゆづきも、みれいの絵にはいつも驚かされてるし、凄く好きだよ。だから、また持ち込み頑張って!」

みれい「はい!みれいもゆづきの絵大好きなので、イラストレーターになれるよう、応援してます!」

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

守護精霊の守護知識で書いた園芸の知識は、諸説あると思いますので、参考程度に留めていただけたら幸いです。

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