Peace2-3
-昼 待ち合わせ-
みれいとりおうはミュミュとリュリュを連れ、ゆうり先生のいる動物病院へと向かった。
ミュミュは籠の中から顔を出し、試しにリュリュに話しかけてみる。
ミュミュ「リュリュー…って、聞こえるミュ?」
リュリュ「リュ?ミュミュもこっちの世界で記憶があるリュ?」
あの後もみれいとりおうは夢の中の出来事を忘れるため、各々日記をつけている。
ミュミュとリュリュは、みれいとりおうとは話せないが、夢の中の事は覚えており、猫同士なので会話ができるようだった。
みれい「ミュミュ、人見知りならぬ猫見知りなのに、リュリュには話しかけてます。何を言っているのかは分かりませんが。」
りおう「もしかすると、夢の中での出来事を話しているのでしょうか。」
みれい「未だにミュミュと話せてるなんて信じられません。結局現実では思い出せないですし。」
りおう「りおうも不思議でなりませんが、世の中そんな事だらけだと諦めた方が早いですよ。」
みれい「諦めるの早すぎますよ!だからといって手の打ちどころもないですが…。りおうはリュリュと現実でも話したいと思わないのですか?」
りおう「夢の中だけでもリュリュと話せているという事実だけで幸せです。」
-動物病院-
みれい「じゃじゃーん!改めましてこのお方が、ミュミュと出会わせてくれた恩人であり、みれいが尊敬する『迷える天使』の作者さんなのです!」
ミュミュ「何でみれいが自慢げなんだミュ?」
リュリュ「りおうはこんなテンションの上がり方しないから分かんないリュ。」
ゆうり「あ、この前みれいと一緒に来てくれたよね!改めまして、天王寺ゆうりです。」
りおう「…宝華りおうです。この間はありがとうございました。」
ゆうり「いえいえ。役に立てたなら良かったです。」
りおう「…。」
りおうは首を傾け、ゆうりを見ながら考え込んでいる。
ゆうり「もしかして、りおうさんがみれいの言ってた法的伴侶制度の相棒?」
みれい「そうですよ!その事もあって一度連れてきたかったのです!」
りおう「本当に口が軽いですね…。あまり言うことでもないでしょう。」
みれい「ゆうり先生には本当にお世話になってるのですよ!みれいが美術方面へ進むって決めた時も、全力でサポートしてくれましたし!」
りおう「ですが、りおうまで法的伴侶制度を利用していることが筒抜けになるじゃないですか。」
みれい「ご、ごめんなさい…会わせない方が良かったです…よね。」
りおう「⋯いえ、今回ばかりは感謝してます。あの、ゆうりさん。人違いでなければ、昔リュリュのお世話をしてくれましたよね?」
ゆうり「お世話って程のことはしてないけど…覚えててくれたんだ!ごめんね、リュリュを見た時思い出してたんだけど、まさか覚えてるとは思ってなくて。」
りおう「あの時は、本当にありがとうございました。今は一人暮らしをしているので、リュリュと平和に過ごせています。」
ゆうり「そうだったんだ!良かった…!」
みれい「え!?え!?2人って知り合いだったのですか!?しかもリュリュとの出会いなんて聞いたことないのですけど!?」
りおう「話したことないので。みれいはすぐ人に話すので言いません。」
みれい「そんなあ。良いですよ、何れ聞くので。」
リュリュ「りおうも頑固リュ。でも、それはリュリュと出会った時からリュ。」
ミュミュ「ミュミュには教えてくれてもいいミュ?」
リュリュ「さっき言ってた通り、昔リュリュもこのブリーダーさんにお世話になったリュ。」
ミュミュ「世間って狭いミュ。」
その後近くの公園へ寄り、みれいはりおうに誕生日プレゼントを渡す。
みれい「少し遅れましたけど、誕生日おめでとうございます。」
りおう「…ありがとう…ございます。何の風の吹き回しですか?」
みれい「みれいを何だと思ってるのですか!?」
りおう「いや、誕生日プレゼントを渡す代わりに一緒に死んでほしい…とか、言うのかと思ってました。」
みれい「そんなことで人の生死を決めませんよ…。一体りおうはどんな環境で育ってきたのですか…。」
りおうは鞄から綺麗に梱包された袋を取り出す。
みれい「それは?」
りおう「かなり前でしたが、みれいも誕生日でしたよね。用意はしていたのですが、渡していいのか、分からなかったので。」
みれい「ほー!つまり、今日まで欠かさず持ち歩いていたと。それで、みれいが渡したら渡そうと!中々の策士ですね〜!」
りおう「そんなこと言うなら渡しません。」
みれい「すみません冗談ですって!嬉しすぎてからかいたくなったと言いますか!本当に嬉しいんです!ありがとうございます!」
りおう「そのからかい癖を直すなら渡します。」
みれい「む、無理ですが善処します⋯。」
お互いプレゼントを開ける。
みれい「これは⋯本ですか?しかも哲学書じゃないですか!」
りおう「よく哲学的なことを言うので、りおうが好きなものを選んだのですが⋯持っていたらすみません。」
みれい「寧ろこんな本何処で手に入れたのですか!?見た事ないですよ!」
りおう「専門書が沢山置いてある本屋に行けばありますよ。普通の書店には無いのかもしれません。」
みれい「掘り出し物ってやつですね!ありがとうございます!哲学大好きですし、面白そうです!」
りおう「それでこのペンは⋯ガラスペンですか?」
みれい「そうです!色んなインクがあって、絵を描いても楽しいのですけど、日記をつけるだけでも華やかになって楽しいですよ!みれい達は日記を書かなきゃいけないので、是非使ってみてください!」
りおう「確かに、毎週必要になりますね。書きにくそうですが、その分記憶の定着には良さそうです。ありがとうございます。」
みれい「いえいえー!」
りおうからもらった本を眺めながら、みれいはりおうを好きになりかけていることを自覚する。
みれい(いや、もしかしたらもっと前から、大切な存在だったのかもしれません。)
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




