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夢見ぬ異端者  作者: ねるこえめ
〜眠れる祝福〜
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Peace2-2

2人に混ざり、みれいも現状を皆に説明した。

みれい「それで、ミュミュに渡された手帳にいつも日記を書いていたのです。やっと現実で気づいたので、今日はそれを聞きたくて⋯。」

ゆら「だから最初、ぼくがうっかり話しちゃいそうになっても気づかなかったんですね。」

のえる「いつも各々で作業してるから、そういうの全然気が付かなかった。」

りおう「で、何故りおうとみれいだけが忘れるのかを聞きたかったんですけど、ろわでも分からないのでしょう?」

ろわ「うん⋯。」

シュシュ「ごめんシュ。それは本当にシュシュ達にも分からないシュ。気がかりなことは幾つかあるシュけど、今はその説明をしても、混乱を招くだけシュ。」

ろわ「だから、知らせが来るまで進めない。」

るか「知らせ?」

ろわ「オーロラ。この前起きた異常気象と言われているオーロラは、この教会に集わせるという知らせだった。園芸をしてたらきっとまた、何かしらの知らせがくるはず。」

フィフィ「オーロラが見えた後の日曜日、フィフィはゆらと話せるようになったですフィ。」

メメ「メメもメ。それまでは話せなかったメけど、犬としてるかの傍にいたメ。」

ララ「ララはずっとお空から見守ってた気がするラ。でも皆はずっと一緒にいたラ?」

ミュミュ「ミュミュは現実世界では、みれいの飼い猫として見守っていたミュ。ブリーダーさんのところで出会ってからずっと一緒ミュ。でも、話せるのはここだけミュ。」

リュリュ「それはリュリュも同じリュ。普段は見守れても会話はできないリュし、シュシュにも分からないみたいだったから諦めてたリュ。」

りおう「ごめんリュリュ。リュリュはシュシュに聞いてくれていたのに、りおうはそういうものだから仕方ないって諦めて、リュリュとここで話せるからって満足していた。だからろわに聞こうともしなかった。ろわもごめんなさい。」

ろわ「いや、こちらこそごめん。聞かれても何も答えられないから、皆を混乱させるだけだし、私もまだ、ここのことはよく分からない。」

みれい「そういうことなら、みれいはいいですよ。」

りおう「え?」

みれい「りおう、みれいのために聞いてくれてありがとうございます。ろわも、ありがとうございます。皆のこと覚えていられないのは悲しいですけど、ミュミュがこの手帳を渡してくれたおかげで、現実世界でもある程度は把握できてます。それに、これはゆらとるかのような何かの試練だと、ミュミュも言っていたので。」

ふらん「ゆらとるかも最初はお互いのこと分からなかったし、みれい達も何かの拍子に思い出せるかもしれないってことかな!」

りおう「一先ず現実で気づけましたしね。それまでりおうも何かに書き留めておけば、何れ思い出せるかもしれません。」

みれい「ろわ、りおうとは現実で情報共有してもいいですか?」

ろわ「お願い。りおうはすぐ自己完結しちゃう癖があるから。」

せれん「それはろわもだよ。」

のえる「何でせれんが…って、幼馴染なんだっけ?」

せれん「幼馴染と、幼馴染の腐れ縁。」

リュリュ「兎に角みれい、よろしくリュ。」

みれい「任せてください!」

みれい(現実で気づいたおかげでしょうか、心なしかやっとこっちの世界でも意識がはっきりしてる気がします。)


-現実世界 花城家-

みれいが法的伴侶制度でりおうと親睦を深めるため、出かける準備をしていると、年上のきょうだいであるほまれが話しかけてきた。

ほまれ「何何?デート?」

みれい「違うし。法的伴侶制度の相手と会うだけだし。」

ほまれ「でもそれ、プレゼントでしょ?」

みれい「ほまれには関係ないから!」

(いきなりなんだ!すんなり医学部に入って恋人もいて順風満帆で⋯この前だって)


-回想 花城家-

ほまれ「ねえ、向こうが三つ編みしてくるなら、三つ編みにした方がいいのかな?」

みれい「知らなーい。みれい恋人いないし。」

ほまれ「みれい芸術学部でしょ?美的感覚とかあるんじゃないの?」

みれい「美術を何だと思ってるの⋯?ほまれは顔も良いんだし、ちょんまげでも似合うんじゃない?」

ほまれ「そっか。ちょんまげってどうやるんだろ⋯。」

そう言いながら、ほまれはブラシで髪の毛を逆立て始めた。

みれい「何してんの!?もう櫛取って!」

ほまれ「ありがとうみれい。」

みれい(ほまれはパパのお気に入りで、みれいはパパに嫌われてるんだから関わらなきゃいいのに⋯。)


-みれいの幼少期-

両親は病院を営んでいて、小さい頃は勉強ばかりしていた。

学校では「凄い」と褒められるか「機械みたいでつまらない」と陰口を叩かれるかのどちらかで、あまり親しい友達もいなかった。

ある日、好きなものを描く授業で、『迷える天使』の絵本のような、ふんわりとした絵でミュミュを描こうとした。だが、試行錯誤を重ねていたら、いつの間にかキャンバスは真っ黒になっていた。

先生「提出は来週までですので、間に合わなさそうな人は昼休みや放課後を使って完成させてください。」

みれい(居残り⋯してる暇ないけど、これじゃ提出できない。)

そして昼休みと放課後を使い、新しく絵を描いていると、話したことのないクラスメイト、琴宮あまがやってきた。

あま「いいね、その絵。」

みれい「…まだ描き途中です。」

あま「そっちじゃなくて、真っ黒の方。」

みれい「それは、失敗しちゃったんです。」

あま「失敗?どこが?」

みれい「どこがって⋯好きな絵本みたいにふんわりした絵が描きたかったんですけど、そうなっちゃって⋯。」

あま「そうなの?この絵、何もなくて良いと思う。誰にも邪魔されないで平和に過ごせそう。」

みれい「でも、上手じゃないです。」

あま「上手って、別に模写じゃないんだから、上手じゃなくていいじゃん。」

みれい「そういうものなのですか…。」

あま「ねえ、合作していい?」

みれい「え?」

あま「あまがこの続き描くから、先生に並べる時隣に置いてもらお。」

みれい「でも、勝手にそんなことしちゃ駄目なんじゃ⋯。」

あま「駄目って言われてないじゃん。」

みれい「それは…そう…です。」

自由な人だと思った。きっとこの人なら、あの絵本のようなふんわりした絵も、もっと違った絵も、自由に描けるんだと思った。

きょうだいのほまれが医学部に合格するまでは、勉強も美術も好きでいられた。

しかし、病院を継いで欲しい親に勉強を強いられる毎日、点数だけで競う世界で、何故こんなにも苦しいのか、分からなくなっていった。

ふと何かが切れ、繰り返される毎日で分かったことは、病気になったことだった。気がつくと、母が隣で泣いていた。

みれい母「気づけなくてごめんなさい。病気になるくらい大変なら、勉強しないで、好きなことをして生きてほしい。」

初めて、解放された気がした。やっと、大好きな勉強が大嫌いになっていたことに気がついた。

だが、父親は医者にならない道を選んだことが嫌だったらしく、それから仲が悪くなった。

小説をあまり読まない為、脚本調になっています。

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